大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 3月31日 ダウンタウン(3)

2019-03-31 10:31:39 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 3月31日 ダウンタウン(3)






 僕は道路をわたるために、一瞬その男から目を離していた。
歩いて反対側にたどり着いたとき、僕は後ろを振り返り、立ち止まった。
彼は向こう側の歩道の真ん中でダンスを止め、身動きせず、一本足で立っていた。
彼は僕と平行に移動していた。
 彼の顔はこちらに向けられていたが、目は相変わらず虚空を眺めていた。
口には依然として奇妙な笑顔が張り付いたままだった。
僕はすっかり怯えてしまい、再び歩き始めたが、今度は男から目を離さなかった。
 僕が見ている間、そいつは動かなかった。
僕と男の間の距離が半ブロックほど広がったとき、僕は前の歩道が安全か確認するために、彼に一瞬背を向けた。
 僕の前の車道と歩道には邪魔になるようなものはまったく何もなかった。
恐怖感から、もう一度彼のほうを見てみた。
 彼は消えていた。
ほんの一瞬だけ、僕は安堵した。
が、そんなものは一瞬で吹き飛んでしまった。
 男は、僕と同じ側の歩道に来ていた。
半分かがんだような姿勢で、まったく身動きしていない。
暗闇と距離のおかげで、はっきりとは分からなかったが、その男が僕のほうに顔を向けていたに違いない。
 僕が男から目を離したのはほんの10秒くらいだった。
彼は明らかに異常な速度で、音もなく僕の側まで移動してきていたのだった。












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3月30日(土)のつぶやき

2019-03-31 07:48:45 | _HOMEページ_


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しづめばこ 3月30日 P550

2019-03-30 18:09:18 | C,しづめばこ


 しづめばこ 3月30日 P550  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”



大峰正楓の小説書庫です。
大峰正楓小説書庫


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3月29日(金)のつぶやき

2019-03-30 02:57:08 | _HOMEページ_
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3月28日(木)のつぶやき

2019-03-29 07:56:34 | _HOMEページ_


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日々の恐怖 3月28日 ダウンタウン(2)

2019-03-28 09:27:49 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 3月28日 ダウンタウン(2)






“ そろそろ家に引き返そうか・・・。”

と思いながら歩道を歩いていたとき、僕は初めて、その男に気がついた。
 僕のいる側の歩道の遥か遠くに、男の影があった。
男は踊っていた。
 奇妙なダンスだった。
ワルツに似ているが、一連の動きを終えるたびに、一歩前進するような奇妙な動きを見せた。
 “踊り歩き”をしているといえば分かりやすいだろうか。
彼は僕のほうにまっすぐ向かってきていた。

“ きっと酔っ払ってるんだな・・・。”

と思い、僕はできるだけ車道側に寄り、その男が横を通れるだけのスペースを空けた。
 彼が近づいてくればくるほど、優雅な動きがはっきり分かる。
彼はとても背が高くて、手足がひょろ長かった。
古めかしいスーツを着ているのも分かった。
 彼は踊りながらどんどん近づいてきた。
少しの距離を置いて、顔がはっきり見えた。
 彼の目は大きく凶暴そうに見開かれ、頭を少し後ろに傾け、目は虚空を見上げていた。
口は痛々しいくらいに大きく開かれ、まるでマンガのキャラクターのような笑顔だった。
その目と笑顔を見た僕は、そいつがこれ以上近づいてくる前に反対側の歩道に渡ることにした。












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3月27日(水)のつぶやき

2019-03-28 07:55:34 | _HOMEページ_
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3月26日(火)のつぶやき

2019-03-27 07:58:33 | _HOMEページ_


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日々の恐怖 3月26日 ダウンタウン(1)

2019-03-26 16:23:51 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 3月26日 ダウンタウン(1)





 5年前、僕はアメリカのある大きな都市のダウンタウンに住んでいた。
僕は夜型人間だったけど、ルームメイトはそうではなかったので、彼が寝てしまった後の夜中の時間はいつも退屈だった。
だから時間をつぶすために、夜中の長い時間、よく外を散歩して色々な考え事をしながら過ごした。
 そういうわけで僕は4年くらいの間、深夜に一人で出歩くことを習慣にしていた。
怖いと思ったことはなかった。
 ルームメイトには、

「 この町じゃ、麻薬密売人さえ礼儀正しいんだよ。」

なんて冗談を言ったものだった。
 しかし、ある晩のたった数分の出来事で、僕の考えは大きく変わってしまった。
その日は水曜日で、午前1時から2時の間くらいだったと思う。
 僕は自分のアパートから離れた、警察のパトロールの順路にもなっている公園の近くを歩いていた。
一週間の中でも特に静かな夜だった。
 車通りは少なく、歩いている人はひとりもいなかった。
その公園も、夜の間は完全に無人だった。















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3月25日(月)のつぶやき

2019-03-26 07:55:52 | _HOMEページ_
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3月24日(日)のつぶやき

2019-03-25 03:01:32 | _HOMEページ_
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日々の恐怖 3月24日 馬(6)

2019-03-24 10:18:13 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 3月24日 馬(6)





 お祓いが終わり、社務所でお茶を出していただきながら、馬のことについて聞いてみました。

「 貴方の見たそれは、尻切れ馬というものです。」

その名前には聞き覚えがありました。
 詳しい内容は覚えていませんが、小学校の文化祭での発表でその名前を聞いた記憶があります。
 神主さんが言うには、尻切れ馬は夜遅くまで遊んでいる幼い子供を追いかけ、攫ってしまう存在だそうでした。
話を聞く限り、子供が早く家に帰ってくるよう親が創作し、語ったもののように思えます。
 神社には、

“ 尻切れ馬に目を付けられた子供がいたら、尻切れ馬にお願いして攫わないでおいてもらいなさい。”

といった話が伝えられており、先ほどのお祓いも実質お願いだったそうです。
 幽霊や呪いの類ではなく神様のようなものなので、お願いでないと聞き入れてもらえないそうです。
神主さんが知っているのはその辺りまでで、これ以上のことは知らないようでした。
 その後は特に異変はありません。
在学中には毎年実家に帰省していましたが、それ以降尻切れ馬に遭遇したことはありません。
 結局、

“ 幼い子供ではない自分がなぜ出会ったのか。”
“ なぜ家まで来たのか。”
“ 何が目的だったのか。”

といったことは分かりません。
 終わってみればそう怖くない話ですが、夜中は絶対にカーテンを開かないようにしています。
太鼓の音が聞こえなくとも、カーテンを開けると尻切れ馬がいるのではないかと思えてならないのです。














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3月23日(土)のつぶやき

2019-03-24 07:00:51 | _HOMEページ_

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3月22日(金)のつぶやき

2019-03-23 07:59:01 | _HOMEページ_





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日々の恐怖 3月22日 馬(5)

2019-03-22 19:43:05 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 3月22日 馬(5)






 実家の近所には神社がありました。
こういうものを相談するのは神社なのか寺なのかよく分かりませんでしたが、調べてみるとお祓いは神社でするようなので、とりあえずこの件を駄目元で相談してみることにしました。
 社務所を訪ね、神主さんに事情を説明すると、不思議そうな様子でした。
神主さん曰く、

「 その馬のことは知っているが、貴方に目を付けた上に、家までついてくるのはおかしい。」

とのことでした。
 しかし、体験したことは事実なので、

「 どうにかならないですか?」

と聞くと、

「 それなら、ひとまず、お祓いしておきましょうか・・。」

あっさりとそう言われてびっくりしました。

「 少し時間がかかりますが、問題ありませんか?」

と言われて、

「 大丈夫です。」

と答えると、神社の賽銭箱の奥にある椅子の沢山置いてある場所まで案内されました。
 初詣の際に、よくその場所で幣を振っている神主さんを見かけた覚えがありました。
調べてみると、厄年の厄払いをする場所のようです。
 お祓いにはそれほど時間がかかりませんでした。
何かを唱えながら私の前で幣を振っていたような感じでしたが、こういったことに詳しくないので何を言っていたのかなどは分かりませんでした。

「 終わりましたよ。」

と神主さんが言っても実感が湧かず、

「 え・・・?」

と間抜けた返事をしてしまいました。













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