大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 11月29日 高校球児の朝は早い(2)

2017-11-29 18:06:33 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 11月29日 高校球児の朝は早い(2)





 俺が答えられずにいると

「 私、呪いをかけられて今はこんな姿だけど、本当は12歳なの。
王子様がキスしてくれると呪いが解けるの。
王子様・・・、KISSして!?」

まぁこんな人がいることは知識としては知ってたけれど、目の当たりにすると心底驚くね。

「 ごめんなさい!」

と言ってその場を離れて、しばらくして後ろを振り向くと、老婆が追いかけてくる。
 妙な歩き方なんだよ。
早歩きだったのかもしれないけど、下手なスキップみたいにな感じ、ピョコピョコって。

「 おうじさま~~~~~~!」

って、めちゃくちゃホラーだよ。
も~、駅まで猛ダッシュ。
 学校についてからもそのことが頭から離れなかったし、帰りにまたあったらどうしようって考えて帰りは別の道を通った。

“ お~、無事帰宅できた。”

と思ったら・・・、いたよ。
家の前にいるよ、あの老婆が。
もう夜8時過ぎだよ?
 俺が近づくと、

「 王子様・・・、キスしてください。」

ときたよ。
 ちょっとホントになんなんだよ、この人。
急いで家に入って鍵を閉める。













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日々の恐怖 11月27日 高校球児の朝は早い(1)

2017-11-27 22:38:53 | B,日々の恐怖






  日々の恐怖 11月27日 高校球児の朝は早い(1)






 高校に入学したての、ちょうど今頃の時期だった。
野球部の朝練で5時には家を出なければいけなかった。
 家を出てちょっと歩くと女の子が顔をうずめて座ってる。
お下げ髪でピンクのワンピースに赤い靴だ。

“ 見た感じ、7、8歳くらいかな・・?
こんな時間にどうしたんだろう・・・??”

とは思ったけど、急いでたしスルーしようと思ったら泣き声が聞こえた。

“ なんかちょっと変な声・・・。”

でも、これをスルーしては高校球児の名がすたる。

「 どうしたの?」

と声をかけると女の子が顔を上げた。
 いや、女の子ではなかった。
70過ぎくらいの婆さんだ。
 俺は、

「 うおっ!」

て声出して仰け反った
 身長が100センチくらいしかない小さな老婆だ。
ガリガリに痩せてて骨が痛い感じ。
でも、髪が異様に黒くツヤツヤしてる。

“ そらまぁ、誰だって驚くでしょ? ”

もうテンパって、その場を去ろうとするとその老婆が、

「 私いくつに見える?」

って聞いてきた。

“ いくつも何も、婆さんやんけ・・・。”














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日々の恐怖 11月26日 ざっくばらんな話(4)

2017-11-26 18:39:04 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 11月26日 ざっくばらんな話(4)





 夕方になって、

「 じゃあ、お母さんご飯作らなきゃだから、帰るから見送って!」

って言う母を見送るために、一緒に玄関を出てあげたら、母は物置の方を、

“ チラッ!”

て見た後に、小走りで駐車場まで逃げてった。
 母が車に乗ってエンジン掛けながら、

「 あの女、気をつけなよ。
部屋に絶対入れちゃだめ。

って真顔で言ってきて、正直その母の顔にビビった。
 母の車を見送って部屋に戻ろうとしたら、物置のドアがゆっくり開いて中からドアノブ握る白い手が見えたから、

「 こっち来ても何も無いし、そこにいた方がいいよ。」

って言って、部屋に入った。
 それからドアが開いたり閉まったりするのを見たり、時々インターホン鳴ったり、その家の窓から女の人が見てきたりしたけど、私の部屋で奇怪現象起きたり実害は無く、2年住んで引っ越した。
 未だにあれはなんだったのかわからないけれど、今でもあそこにいると思う。
その家も人の出入りをご近所さんは目にしたことがない上に、明かりが付くことも物音がする事もないらしいので全くの謎。
 今は、あの部屋で友達の彼氏を撮った写メに映る顔が、日に日に、こちらに向こうとしてるのを観察している。
因みに、その友彼が胡座をかいてる股の隙間に顔、変態なのかな?














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しづめばこ 11月25日 P512

2017-11-25 19:03:12 | C,しづめばこ



 しづめばこ 11月25日 P512  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
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日々の恐怖 11月23日 ざっくばらんな話(3)

2017-11-23 18:58:07 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 11月23日 ざっくばらんな話(3)





 1時間経たないくらいで収まったから、部屋にMを残して車見に行ったけど変わった所も何もなく、物置もドア閉まった状態で何も起きなかったから、ビビって帰れないMを泊めてあげた。

 次の日、朝Mが帰ってから食材調達に行こうと玄関開けたら、視線感じて物置の方見たら、丁度物置の真上にあるその家の窓から女の人がジーっとこっちを見ていた。

“ あ~、一人住んでるんだぁ・・・。”

と思って会釈したんだけど、ただジーっとこっち見てくるだけで会釈返してくれなくて軽く傷ついた。

 その後暫く何も無かったんだけど、またある日、今度は母が遊びに来た。
お昼時でご飯作ってたからご馳走して、久々の娘の料理でタイミング良く自分の好物麻婆豆腐が出てきて喜んでた。
 そんでご飯食べた後、お茶飲みながら色々話してる時に、母が、

「 あの物置って気味悪いよね。
あの家、変なのいるし・・・。」

って急に言い出した。

「 いやいや、他所の家の人を悪く言わないでよ。」

ってつっこんだら、母の顔が少し暗くなって、

「 いや、あれ人じゃないよ。
お母さん怖いから、毎回あんたが駐車場まで送り迎えしてくれないと部屋入れない。
ウチ(実家)のヤツらとは違う。
怖いもん。」

って呟いた。












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日々の恐怖 11月20日 ざっくばらんな話(2)

2017-11-20 18:19:34 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 11月20日 ざっくばらんな話(2)




 それでMは

「 車が何か変だから見てほしい。」

とか言ってきたから、何か出来るわけじゃないけど、取り敢えず駐車場に停めてあるMの車を見に行こうとしたら、Mが、

「 そういえばさっき物置から女の人が見てた。」

って言ってきた。

「 気のせいでしょっ!」

って軽くあしらって、車見に行こうと玄関開けた途端に、物置のドアが物凄い勢いで閉まったのを見てしまった。
 ビックリして玄関閉めて、

「 今の何?」

ってMに聞こうとしたら、急に物置の方からドアをバタンバタン開け閉めする音と、部屋のインターホンが鳴り始めた。
勿論ドアスコープで見ても、誰もいなかった。
 直感で、

“ あ~、こりゃ面倒くせぇやつだ・・・。”

と思ったから、収まるまで部屋で待機する事にした。
 私は実家で、家族のじゃない、

“ パタパタパタ・・・。”

と言う足音とか、オッサンの、

「 おーい!」

と呼ぶ声とか、聞くのに慣れてるから、たいしてビビりもせずタバコ吸いながらボ~っとしてたんだけど、Mは顔真っ青にしながら体プルプルさせて、

「 今までこんな事あったの?」

って聞いてきて可哀想だった。












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日々の恐怖 11月19日 ざっくばらんな話(1)

2017-11-19 20:10:37 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 11月19日 ざっくばらんな話(1)





 ざっくばらんな話、そのままです。


 4年前くらいの話。
当時私が住んでた部屋は皆こぞって、

「 落ち着くから。」

と、ほぼ毎日誰かしら泊まろうとするくらい通われてたけど、間取りは1LDKで5人くらい来ても狭いとは感じないくらい無駄に広かったし、当時彼氏もいなかったから好きなように泊まらせていた。
 だけど皆遊びに来るくせに、何故か玄関開けて見える左横の一軒家の物置を気味悪がっていた。
いつも夜になるとその物置が開いてて、友達らはその物置の中に誰かいたとか、物置のドアが開いたり閉まったりしたとか言っていた。
 けど、私は毎夜ドアが開いてるのしか見た事なかったし、幾ら言われても、

「 建付け悪いんでない?」

とか、

「 中の物が人に見えただけでしょ。」

としか思えなかったし、そう返していた。
 ある日、1人の男友達のMが心霊スポット帰りに、

「 お祓いしに来た。」

とか、ほざいてやってきた。
私は別に霊感があるわけじゃないけど、何故か周りから、

「 お前の近くにいたら楽になる。」

とか、

「 何かとれた気がする。」

って言われるから、気にせず落ち着くまで部屋で休ませていた。











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日々の恐怖 11月15日 ピンク色の公衆電話

2017-11-15 19:03:29 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 11月15日 ピンク色の公衆電話




 前に勤務していた病院でのこと。
田舎の結構古い病院で、ある階の病棟の隅に公衆電話が置いてある。
小銭しか使えないレトロなピンク色の小さな公衆電話。
 ほんと隠す様に置いてあり、記憶にある限り使用している人は見たことない。
まあそれもそのはず、この電話はコードは繋がっているが壊れていて掛ける事ができない。
早いとこ修理に出すか捨てれば良いのに、なぜかずっと手を付けられないでいた。
 そんな公衆電話だが、鳴ることがある。
月に1回あるかないか程度だが、決まって深夜帯に鳴っている。
 俺も夜勤中に鳴っているのを聞いたことがある。
計った事はないが多分10秒くらい鳴り響いていたと思う。
静寂な病棟に突然レトロな電話のベルが鳴り響くのは結構不気味だ。
 この公衆電話が鳴っても絶対に出てはいけない。
暗黙の了解というやつか、そんな雰囲気がある。
他の職員は皆気にも留めない様なので、俺も特に気にしなかった。
 そんなある夜、ある人が受話器を取った。
勤務の月日がまだ浅い新人で、初めて電話が鳴る時に居合わせた。
明るい性格の新人は同僚の制止を聞かずに、意気揚々と受話器を取った。
 同僚の話によると、新人は何も言わず少しの間黙った後、受話器を戻した。
内容について聞いたらしいが、新人は何も話してくれなかった。
 その後、新人は以前とは別人の様に暗くなった。
風邪を理由に休むようになり、1ヶ月程で退職した。












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日々の恐怖 11月13日 R163(追記)

2017-11-13 18:22:41 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 11月13日 R163(追記)





 似たような事やりました、乗せた側だけど・・・。
田舎の爺ちゃんの葬式で、遠方から来る大叔母を駅まで迎えに行って、別の家の葬式に来た別人を乗せて寺まで行きました。
他人でも同姓の多い地域です。
 ○山家の次男坊の迎えを待つ喪服の老婦人です。
それで各家の事情なんて似たようなもんだから、妙に話が合いました。

俺「 ご無沙汰してます〜、〇山のS雄です。」
老婦人「 まあご立派になって!わからなかったわ。」
俺「 もう20年ぶりぐらいですよね。」
老婦人「 そうよね〜、最後にあった時はあなたまだ幼稚園だった。」

とか、

老婦人「 今は東京でお仕事でしたっけ?」
俺「 そうなんです、もう5年目になります。」

な感じだった。
 俺が“S雄”って名乗った時、老婦人“S雄なんて名前だったかしら?”と、ちょっと思ったらしいんだけど、最近、自分の物忘れを自覚してて、そうなんだろうと流したらしい。
俺も、幼児の頃にあっただけの大叔母の顔なんか知らないも同然だし。
それで寺着いてからちょっと修羅場った。
 これで本物の大叔母があちらさんの家に連れて行かれてたら更に笑えたんだが、残念ながらそこまでの事は無く、ちゃんとタクシーでご到着なされた。














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しづめばこ 11月12日 P511

2017-11-12 19:06:38 | C,しづめばこ



 しづめばこ 11月12日 P511  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 11月9日 R163(5)

2017-11-09 17:56:04 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 11月9日 R163(5)




 私は大急ぎで降りました。
そしてそのまま車の進行方向と逆の方へ、一目散に逃げました。
一瞬たりとも振り返らず、息もせず、もうこれ以上走ったことがないくらい走って走って、先ほど通過してきたトンネルが見えた辺りで立ち止まって、泣きながら親に電話しました。
 親は電話越しにとても心配しており、迎えに来てくれとの連絡から一時間以上も帰ってこないので、警察に連絡しようかというところだったそうです。
何度も連絡をくれたらしいのですが、私のスマフォにはそのような連絡は一切入っていませんでした。
 それから親がスマフォのGPS機能で場所を特定してくれましたが、私のいた場所は京都府の山の中だったそうです。
実家は奈良県なので、あの最寄り駅からこれだけの距離を知らない人の車に乗せられて来たのだと思うとまた怖くなり、あの男の人が車に乗って追い掛けてくるかもしれないという不安も重なって、道路の端っこの方で隠れるように小さくなりながら、迎えが来るまでひたすら泣きました。
 男の人は幸い追い掛けては来きせんでした。
従姉妹夫婦がたまたまが私のいる場所の近くにいたそうなので、暫くして迎えに来てくれました。
私は従姉妹夫婦の顔を見た瞬間、大声をあげて泣いてしまい、車の中でもずっと泣いていました。
 落ち着いてきたころに従姉妹夫婦に事情を説明すると、従姉妹夫婦は、

「 たちの悪い不審者ではないか・・。」

と言いました。
 それから家まで送ってもらい、私は無事に帰ることが出来ましたが、一晩たった次の日でも恐怖が拭いきれずにいました。
 何だか不思議な感覚ですが、男の人の声や後姿は今でも鮮明に思い出せますし、車の匂いやラジオから流れていた女の人の声もはっきり覚えています。
あのままどこか知らない場所に連れていかれていたらと思うと、背筋が凍るような思いです。
 それと、私は男の人とは会ったことは勿論見かけたことすらなかったのですが、男の人は私のことを知っている感じでした。
私が色々と気付く前に日常会話をしていたとき、普通に大学の名前や勉強のことについて言われたり、私が好きなお酒が家にあることを言ってくれたりしていたのです。
 ですが、私には妹はいますが、男兄弟はいません。
祖父はとっくに亡くなっています。
やっぱり男の人は私を誰か別の女性と間違えていたのでしょうか?
 でも何度思い返しても、あの男の人は私を誰かと間違えて会話していたのではなく、私のことを私だとちゃんと認識した上で話していたように思うんです。
私の話は以上です。
皆さんのご意見きかせてください。













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しづめばこ 11月8日 P510

2017-11-08 21:55:26 | C,しづめばこ



 しづめばこ 11月8日 P510  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 11月4日 R163(4)

2017-11-04 18:20:45 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 11月4日 R163(4)




 私は男の人の喋り方に、なにか形容しがたい違和感を覚えました。
言葉は完全に私に向けてなのですが、なんというか、私に話しかけているというより、ずっと一人で喋っている感じなのです。
大きすぎる独り言、と言うとイメージしやすいかと思います。
大体察してもらえるかと思いますが、男の人は田舎特有の古風な話し方でした。
 車はやがてトンネルを抜け、両脇が木々に囲まれた一本道を突き進み始めました。
私は、自分が誘拐されてしまい、どこか知らないところに連れていかれるのではないかと思い、勇気を振り絞って何かを言おうと思いましたが、こういう時に限って何も言葉は出てきません。
 でもこうしている間にも窓の外の景色はどんどん木々を濃くしているようで、そっちの方が恐ろしくなり、私は蚊の鳴くような声で、

「 あなたは誰ですか?」

と言ってみました。
すると今まで喋り倒していた男の人がぴたりと黙り込みました。
 私はもう泣きそうになって、冷や汗がとめどなく流れ、心臓がばくばくと波打ち、本格的に気分が悪くなってきたので、その勢いで、

「 車酔いで吐き気を催したので、降ろしてほしい。」

と言いました。
男の人は黙ったままでしたが、その後路肩に停車してくれました。












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しづめばこ 11月3日 P509

2017-11-03 22:08:26 | C,しづめばこ



 しづめばこ 11月3日 P509  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 11月1日 R163(3)

2017-11-01 20:07:02 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 11月1日 R163(3)




 それから車はどんどん走り続けました。
いつもなら7分くらい、長くても10分はかからない程度で帰れるはずなので、もう家に着いていてもよいはずです。
 そこで初めて怪訝に思った私は、今どこを走っているのか確認するために窓の外を見てみました。
そして驚きました。
 私を乗せた車は、トンネルを通過している途中でした。
勿論、帰路にトンネルを使用したことなどありません。

“ はっ!?”

と思わず声をあげそうになり、そこで初めて親ではない、別の誰かの車に乗ってしまっていること、今まで親と信じ込んでいたこの男の人が、何の面識もない赤の他人であることに気が付きました。
 私の胸に猛烈な恐怖が波のように押し寄せてきました。
それまでは男の人と普通に喋っていたのですが、誰だか分からないと気付いてしまった今では、もうまともに声を出すことすらできません。
 そしてそれから、今まで私が何か話しかけても消え入るような声でしか返してこなかった男性が、いきなりはっきりとした声で話しかけてきました。
 内容はあんまり覚えていませんが、

「 今日の昼は母さんの弁当食べたんか?」
「 破竹の勢いで長男が成長しとる。」
「 お前もはよう結婚せえ。
じいちゃんが見合いの写真見ながら、仏壇の前で心配しとるで。」

というようなことでした。












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