大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 3月30日 村(5)

2020-03-30 12:08:47 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 3月30日 村(5)




 かなり小さな村のようで、狭い範囲に5~6戸程の小さい民家が斜面に並んでいる。
その殆どがツタに覆われ、壁の一部が崩れ去り、部屋の中が見えるような状態だった。
玄関に施錠はされているが、意味はなさそうだ。
 集落の中央には石段が通っていた。
井戸が何箇所かあり、蓋が閉じられている。
 記念に数枚写真を撮った。
そして比較的まともな一軒の玄関にもたれ、顔にタオルを巻き、虫よけスプレーをかけ寝る事にした。
地面に直に寝転ぶのを考えたら、それでもかなり有り難く思える。
 もうクタクタだ。
すぐに睡魔が襲って来た。

” ・・・・・?”

何か気配を感じて目が覚めた。
 俺が今居る玄関の中からの気配だ。
いや、気配ではなく音がする。

” ミシッ・・・・・・・、ミシッ・・・・・・・。”

ゆっくり何かが中を歩く音だった。
 最初はただの家鳴りかと考えたが、ゆっくりとしたリズムを刻み床を踏む音が微かに聞こえて来る。
玄関の上半分はスリガラスで中の様子は見えなかった。

” まさか人が居るのか・・・・?”

この廃墟に人が住むとは考えられなかったが、確かめようと思い寄り掛かったまま玄関に耳を当てた。

” ミシッ・・・・・・・、ミシッ・・・・・・・。”

間違いない。
この家の中を歩き回ってる者がいる。








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日々の恐怖 3月27日 村(4)

2020-03-27 10:31:39 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 3月27日 村(4)





地図を広げてみたが、もはや何の役にも立ちそうになかった。
 暗い。
雲が出ているのか、月の明かりすらない。
そして町の明かりも。
懐中電灯がなかったら、谷底へ転落してもおかしくない。
 少し休もうと思い、腰を下ろした。
近くで川の流れる音が聞こえるが、入口にあった神社は見えない。
やはり間違ったルートを下った様だ。
 しかし、どのみち今夜は野宿だ。
もう歩きたくない。
あとは明るくなってから考えよう。
万一クルマやバイクが通っても、轢かれる心配のない場所を探して野宿しよう。
そう考え、再び歩き出した。
 しばらくすると急に道が開け、今まで見た事のない風景に出くわした。
そこにいきなり村が現れたのだ。
もちろん明かりの点いた家は全くない。
廃村だ。
どうやら途中で枝別れしたこの廃村へと続く道を歩いて来たらしい。
 辺りを照らしてみると、木造の半壊した建物ばかりだ。
赤錆びた給水塔らしきものも見える。
かなり昔に放棄された村らしい。
不気味ではあったが、面白くもあり、少し見て周った。







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日々の恐怖 3月25日 村(3)

2020-03-25 12:00:05 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 3月25日 村(3)




頭の上を飛び越え、逆さまに地面に叩き付けられる愛車が見えた。

” やっちまった!”

幸い、路面に沿って投げ出されたお陰で木や岩に突っ込む事はなかった。
 しかし、さすがにあちこち痛む。
ゆっくり起き上がる。
骨に異常はないみたいだ。
 ふらつきながら、先の方に転がっているバイクに近付く。
ウィンカーやミラーは脱落し、メーター周りは粉々だ。
それでも一応キックでエンジンを掛けようと試みたが、予想通り無反応だった。
Fフォークも捻れてタイヤを挟み込んでいる。
 辺りは既に、かなり暗くなって来ていた。
携帯はもちろん圏外だ。

” 仕方ない、歩いて下るか・・・・。”

 バイクを邪魔にならない場所に引きずり込み、ジャケットを曲がったハンドルに引っ掛けリュックを背負う。
絶望的な気分で懐中電灯の明かりを頼りに歩き始めた。


 暗い道が、延々続いていた。

” もう3時間歩き続けている、おかしいな・・・・・・。”

そろそろ、あの神社のある場所に出ても良いはずだ。
右手に夜空、左手に山の斜面を見続けて歩いているのだから間違いない。

” もしかして、気付かないうちに脇道に入ったか・・・?”








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日々の恐怖 3月23日 村(2)

2020-03-23 12:13:27 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 3月23日 村(2)





 峠のワインディングは景色も素晴らしく満足いくものだった。

“ やはり非日常を味わうには旅が一番!”

などと思いながら、峠を下り切った所で一服した。
川が涼しげに道の向こうを流れている。
 その川に小さな橋が架かっていた。
先には小ぢんまりとした神社がある。
そして神社の脇に、向かいの山へと続く砂利道が見えた。
 まだ日はある。
オフ乗りには美味しいフラットなダート林道だ、入らない手はない。
 民家もないし他のライダーとも全く出会わない。

“ 少々ぶん回しても迷惑にはならないだろう・・・。”

俺はゴーグルを下げ、2ストサウンド全開で走り出した。
 先の読み易いコーナーを足を出してカウンター当てながら曲がる。
楽しい。
万一転倒してもガードレールはないが、アウト側の木々がその役目を果たすだろう。
 だが夢中で走っていたら、いつの間にかオーバーペースになっていたようだ。
高速コーナーでリアをスライドさせ過ぎマシンが真横を向く。
 本能的にバンクを戻し立て直そうとするも、スピードが乗り過ぎていた。
次の瞬間、ブロックタイヤが路面を噛み込む。

” しまった!?”

と思う前にマシンは強制的に引き起こされ、俺は空中に放り出された。








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日々の恐怖 3月21日 村(1)

2020-03-21 14:25:53 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 3月21日 村(1)




 俺はオフロードバイクでソロツーリングするのが趣味だ。
連休には良く一人で遠出する。
 今年のお盆休みに九州の南端目指して三泊四日の予定でツーリングに出発した。
もちろん、高速道路をひたすら走って目的地に着いても面白くない。
途中に絶景ポイントや美味しそうな林道を絡めつつ走るのだ。
 一日目は主に高速を走る。
エンジン快調。
時速100キロ越えると以前のクラッシュの影響か若干前輪がブレるが、まあ大丈夫。
福岡の友人宅に泊まる。
 二日目、主に下を走る。
途中温泉に入ったりしつつマイペース走行だ。
阿蘇で写真も沢山撮った。
 だが、少し寄り道し過ぎたらしい。
目的地にはまだだいぶあるが、夕方になってしまった。
 現在地熊本と宮崎のちょうど真ん中辺り。
予定では鹿児島に入ってるはずだった。

“ 高速使うか・・・・?”

しかし、この先に某スーパー林道がある。
俺が楽しみにしていたステージだ。
 別に宿を予約している訳でもないから急ぐ必要もない。
迷わず林道へ向った。






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日々の恐怖 3月18日 無断欠勤(3)

2020-03-18 18:39:56 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 3月18日 無断欠勤(3)




それどころか、シーツがピシッと敷かれ掛け布団も2つに折られて綺麗な状態です。
 その状態に唖然としていると、藤原君が、

「 木村君、ごめんね。
俺バイトバックれて彼女と旅行行ってたんだよ。
本当にごめん!」

と謝って来ました。
 僕は咄嗟に、

「 いや、そんな事どうでもいいんだけど、さっきさあ・・・・。」

と言いながら気付きました。
 藤原君って、昔からずっと金髪なんです。
さっき布団に包まってた藤原君は、真っ黒な髪の毛が布団から覗いていました。

” 何でもっと早く気付かなかったんだろう・・・・。”

と、ゾッとしました。
 藤原君は僕の様子がおかしいのを怒っていると勘違いしているのか、何度も、

「 本当にごめん!」

と謝って来ます。
 僕は、

「 いや、元気ならいいよ。
今日は帰るね・・・・・。」

と、そそくさと部屋を出ました。

 翌日、店長から藤原君から連絡が来てバイトを辞めたと聞きました。
多分、気まずくなったからだと思います。
それ以来、会う事はもちろん連絡すら取っていないので、あれが何だったのかはわかりません。
 ただ不思議なのは、

「 ここにいるよ。」

の声です。
あれは藤原君の声で間違いなかったような気がするんです。











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日々の恐怖 3月16日 無断欠勤(2)

2020-03-16 11:26:42 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 3月16日 無断欠勤(2)




 ベットで布団にうつ伏せで、布団に

“ギュッ。”

と、くるまっている姿が見えたので、

「 何?
具合悪いの?
大丈夫・・・・?」

と声を掛けました。
すると無言で頭を縦に一回大きく振りました。

「 熱あるの?
病院連れてく・・・?」

と聞くと、今度は横に大きく頭を振りました。
 僕は買ってきた食料や栄養ドリンクをテーブルに並べながら、

「 本当に?
皆、急に休むから心配してたよ。
ご飯食べたの?
適当に買ってきたから何か食べ・・・・・。」

と言い掛けたところで突然、

「 ここにいるよ。」

と藤原君が呟きました。
 僕が藤原君の方を見ると、さっきと同じ体勢のまま、

「 ここにいるよ。」

と、またボソボソと小さな声で呟きました。
 僕はその声に不安を覚え、

「 え、なに?
どういうこと?」

とベットに近付こうとした時、

“ ガタッ!”

と後ろの襖が開きました。
 振り向くと、そこには藤原君が立っていました。

「 え・・・・・?」

藤原君の横には女の子もいて、2人で驚いた顔で突っ立ています。

「 木村君・・・・、何してんの?」
「 いや・・?
バイト休んで・・・・?」

と困っていると、隣にいた女の子が、

「 勝手に休むから心配して来てくれたんじゃないの?」

と藤原君に言ってくれたので僕は、

「 そうなんだよ!
でも・・、あれっ・・・・・?」

とベットを見ると、さっきまで布団に包まっていた藤原君の姿がありません。








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日々の恐怖 3月14日 無断欠勤(1)

2020-03-14 18:55:53 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 3月14日 無断欠勤(1)




 昔、服屋でアルバイトをしていた時の話です。
いつも同じシフトになる藤原君が無断でバイトを休みました。
しかも三日間もです。
 派手な見た目に反して、真面目なヤツで遅刻や無断欠勤は今まで一度も無く、バックれるようなタイプでは無かったので、皆で、

「 どうしたんだろうね?」

と心配していました。
携帯に連絡をしても留守電になるばかりで、早番だった僕が様子を見に行く事になりました。
 藤原君と僕は特別な仲が良いというわけではありませんでしたが、一度飲み会の帰りに泊めてもらった事があるので家は知っていました。
適当にコンビニで食料や栄養ドリンクを買ってアパートに向かいました。
 アパートに着いてチャイムを押しても、何も反応がありません。
ドアノブを回すとガチャリとドアが開きました。
 僕は恐る恐る、

「 藤原君!
俺、木村だけど大丈夫?」

と玄関先から声を掛けました。
 すると奥から

「 ああ、いいよ・・・・・。」

と藤原君の声が聞こえました。
僕は部屋に上がり、声の聞こえた部屋の襖を開けました。








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日々の恐怖 3月12日 山越え

2020-03-12 19:37:25 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 3月12日 山越え




 昔(50年くらい前)オカンが子供の時、広島の庄原ってとこに住んでいた。
で、夜になると父親が町の方まで飲みに行くんだけど、酔っ払って帰れないことが何度もあったからオカンが迎えに行っていた。
 町まで行くには小さい山を超えないといけないんだけど、普通に行くと20分くらいで越えられるのに、なかなかつかない。
当時10円で借りれた貸し本見ながら、足元は懐中電灯で照らしながら歩いてたんだけど、全然つかない。
 すると、

「 おい○○子なにしてんだ?」

って声かけられて、

「 え・・・?」

と振り向くと近所のおじさんだった。
 おじさんが言うには、貸し本見ながらその場で足踏みしてるから、様子がおかしいと声をかけたらしい。
その後、

「 狐に化かされたんだ。」

と言われ、お祓いみたいなのするんだけど、頭に草履を載せてしばらく待つだけだった。
 その他の人も同じ場所で同じようなことをやってたみたいで、村では、

「 あの場所は化かされる。」

と噂になった。
でも町まで行くにはその山越えが最短距離だから、通るしか無い。
 場所は、この辺り。

ttps://www.google.co.jp/maps/@34.8591393,133.0356787,451m/data=!3m1!1e3?hl=ja

今は開けてるけど、当時は小山だったようだ。









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日々の恐怖 3月8日 極秘の依頼

2020-03-08 11:33:08 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 3月8日 極秘の依頼




 土方系ITに努める彼の事務所にある日、某所より依頼があった。

「 なんか極秘の依頼だとかで・・・・。」

正式な発注者名も告げられず、営業も通さず社長自身が窓口をやっていた。
 納入明けに社長が一席設ける程、非常に美味しい条件の依頼らしかったのだが、

「 カメラに映る人影を消す、それだけの仕事。」

幾つかのサンプル動画を与えられ、一定の条件を持つ人影を自動的に消すフィルターを作成する。
そのフィルターをまた別のサンプル動画に適用し、効果を試す、という繰り返し。
 動画には、煌々と照明に照らされた2車線の道路が映っており、両側は壁。
どちらの車線も車はかなり飛ばしていて、手前から画面奥へと消えていく。
交通量は多くなく、画面を虫がしばしば横切るので、山の中の高速道路の片側二車線のトンネルとしか考えられない。
 そこを人影が横切る。
片足で着物姿の小学生ぐらいの子供が、壁から壁へヒョコヒョコと横切るそうだ。

「 壁から壁、ってなんだよ?」

と聞くと、

「 壁からスッと出てきて、反対側の壁にまたスッと消えるんだよ。」

特徴あるシルエットだったので、人影の抽出や消去は容易だったそうだが、

「 変なんだよね。車が素通りするし。」

一部の車は明らかに人影を避けてハンドルを切って避けるのだが、

「 ほとんどの車は、何も見えていないかのように轢いて行っちゃう。
そいつは轢かれても車を通り抜けて、何事も無かった様にヒョコヒョコ歩いているし。」

さらに、

「 轢かれる時と壁から出てくる時、全身が見えない時は、どうしても輪郭がね・・・・。」

プレデター状態になってしまったそうな。
 発注元に社長を通して確認すると、

「 常時一つの画面を注視していないから、それで結構。
レスポンスと納期重視で。」

という回答。
テレビでやっていた高速道路の管制室のマルチモニターの映像が、彼の頭の中で浮かんだ。
 山中を走る高速道路。
そこは古えの魑魅魍魎の世界と、最先端の科学が直に肌を接する異界です。










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日々の恐怖 3月3日 ワイ君の話(9)

2020-03-03 19:20:32 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 3月3日 ワイ君の話(9)




で月曜の朝になって工場の作業員が来て
事務所のカギ開けて機械の電源入れる言うから
電源入ってたらしいんや言うた
さすがに不審がられた
でも電源入ってるやからしゃーないやんか
平日くる警備員も来たから時間切れやし

で、警備員呼ぶ担当のおっさんに時間やけ
カギ返すときしつこく
「何もなかったよね?」って聞かれて
言っても信じてもらえやんから
何もなかった言うて帰ったんや

数日して同じ仕事した後輩と話しとって
「ワイさんよくあんな水道管のとこ開けたな
あんなとこ絶対なんか居りますよ」
言われたわ
何より後輩も土曜の昼はなにもなかったが
日曜は昼でも職人がいても不気味やったそうや

今思えばワイが開けたドアから何かを
放ってしまったんやろうかと思う
忘れられてる物置にしか見えんかったが

これがワイの話や
10年くらい前の神奈川県の話やで








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日々の恐怖 3月1日 ワイ君の話(8)

2020-03-01 17:34:02 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 3月1日 ワイ君の話(8)




扉閉めんの忘れて電源入った原因を探ろうと
工場の中歩き回ってると
小さなパネルの明かりを見て気がついたんやが
ワイのとワイのじゃない影があんねん
とてもじゃないが気が気じゃなくて電源が
どうのこうのより守衛室戻りたかった
急いで戻るんやけどワイがドアに近づくと
案の定ドアが先に閉まるねん

開かない、とかはないんや
普通に開くねんそれでも怖かった
巡回はやったことにして
守衛室のモニターだけずっと見てた
暗くても多少は写るがやっぱちらつく
画質が悪くてちらついてるのが勘違いで
なんかの影を写してて一部が暗くなってたんや

ちらつきの正体がわかったら
もうあかんかった、動かれへんかった
怖いってこういうことかと身体に叩き込まれた









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