大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

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☆( 日々の恐怖 )

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☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 10月31日 実は私です(1)

2019-10-31 10:05:35 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月31日 実は私です(1)




 忘れもしない小学2年生のときの掃除の時間だ。
低学年ばかりが入る旧校舎、通称、蜂の巣校舎2階の男子トイレの入口横の壁を、同級生の斎藤君が濡れた手で叩いたところ、くっきりと手形がつき、拭いても取れなかった。

「 先生には黙ってて・・・・。」
「 うん・・・・・。」

それが『呪いの手形』として下級生に猛威を奮っていると私が知ったのは、2つ下の愚弟の入学後のことである。








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日々の恐怖 10月29日 人形(2)

2019-10-29 17:22:54 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月29日 人形(2)




 そしたら親父が来て人形を抱き上げ、人形に向かって、

「 もう寝なさい。」

と言い、今度は木箱を持ってきて、中に入れ蓋を閉めた。
 その後、親父に、

「 何をしてたんだ!」

と酷く怒られて、

「 箱の中から猫の鳴き声がした。」

と説明すると、溜め息をついて、

「 今度から何かあったら、まず自分に言いなさい。」

と言われた。
その人形は、その日の夕方に近所のおばさんが持ってきて、まだ親父も中の人形を見ていなかったそうだ。
 そして次の日に、その人形は燃やす事になった。
寺に持ってきた人形でも、無害な物は人形部屋で供養しているのだけど、動いたり声を出したりするのは危険だから、燃やす事にしていたらしい。
 木箱に入っている人形に、お経を唱えながら親父が火をつけた途端に、中から昨日のミャーミャー言う声が激しく聞こえてきた。
 それに構わず親父お経を唱えた。
燃やした人形を出すと、原型を止めていない黒いプラスチックの塊になっていた。
その塊は箱に入れて、無縁仏の墓に埋葬した。
 その後何も無く、今では都内で独り暮らしをしているが、夜中に猫の声が聞こえると、

“ ビクッ!”

としてしまう自分がいる。










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しづめばこ 10月27日 P570

2019-10-27 15:32:51 | C,しづめばこ


 しづめばこ 10月27日 P570  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 10月26日 人形(1)

2019-10-26 10:28:04 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月26日 人形(1)




 俺の実家は寺をやってて、親父が憑き物祓いや人形供養してるのを何度も見て来たが、今までで1番怖かったのが赤ちゃんの人形だった。
ミルクとか飲ませるような結構デカイ人形だ。
 当時10歳くらいだった俺は、夜トイレに起きると、人形部屋(供養する人形や、供養前の人形を集めた部屋)から、

「 ミャー、ミャー、ミャー、ミャー。」

と猫のような鳴き声が聞こえたので、部屋に入って電気をつけた。
 そしたら、ダンボールにガムテープをぐるぐる巻きにした箱があって、中からミャーミャー鳴き声とガリガリひっかいてるような音が聞こえ、

“ 中に猫がいる!”

と思った俺は、ガムテープをはがしてダンボールの蓋をひらいた。
 途端に鳴き声が止まり、中を見ると、中にいたのは猫じゃなくて赤ちゃんの人形だった。
普通寝かせると目をつぶるタイプの人形なんだけど、目をパッチリ開けて俺の顔を見ていた。
 俺は怖くなって逃げようとしたが、数歩後ずさったとこで腰を抜かし恐怖で動けなくなった。
ただひたすら箱を見ていると、箱がガタガタ揺れて人形の手が出てきて、箱の縁を掴んだのが見えた。

“ 出てくる!”

って直感的に思った俺は、目を瞑って叫びまくった。








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日々の恐怖 10月24日 祠の横

2019-10-24 19:36:01 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月24日 祠の横




 23時に仕事が終わって車で帰ってる途中のことなんやけど、家の少し手前の直線道路にさしかかったとき、いっつも点いてる街灯が全部なぜか消えてたんです。
 そこでまず気味が悪くなって、ライトをハイビームにしたんです。
そしたら、道路の左側になんかあるんです。
 もともとそこには中くらいの祠みたいなものが建ってて、毎日そこを通ってるから見慣れてるんですが、その日はその祠の横になんかあったんです。
 で、だんだん近づくにつれて、それがどうやら人だってことがわかったんです。
それでなんかうちは、

“ ホッ・・・。”

としたんです、

“ なんだぁ~、人かぁ~・・・・・。”

みたいに。
 でも、いよいよその人がはっきり見える位置に来て、正直、背筋が、

“ ゾゾゾ・・・!”

ってしました。
 ピクリとも動かんのです。
道路に背中を向けた状態で、両腕が脱臼したみたいにブラーンと下に垂れてて、頭もガクッと垂れて前のめりで。
 顔がまったく見えんのです。
髪が長くて頭を垂れてるから髪が顔全体を隠してしまって。
 通り過ぎた後、3回ミラーで確認して、4回目見ようとすると街灯が全部点いたんです。
で、ミラー見たらそこには何にも無かったです。
あれから、その道は夜通らないことにしてます。










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日々の恐怖 10月22日 古い電車

2019-10-22 09:35:16 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月22日 古い電車




 小学校低学年の頃だった。
家の近所に市電、つまりちんちん電車が一両捨てられていた。
原っぱの一角に、錆びだらけで放置された車両だ。
 今考えてみればちょっと薄気味悪いが、当時の子供たちにはかっこうの遊び場だった。
子供のよく作る秘密基地、この車両も当然ながら秘密基地化していた。
 その日、私はひとりで秘密基地で遊んでいた。
いつものメンバーがほかで遊んでいることは知っていたが、なぜか猛烈にここに来たくなった。
 ひとりということで妄想全開で遊んでいると、急にひとりの女の子がはいってきた。
同じくらいの歳の子だが、見たことのない子だった。
 そして入ってくるなり、こう言った。

「 あっ、ほんとにいた!」

 普通、この手の話だとこの女の子が実は・・、ってなことになるのだが、昨日引っ越してきたばかりの生身の女の子だった。
 彼女は続けてこんなことを言った。

「 昨日夢を見たの。
きれいな女のひとが、古い電車を見つけることができたら友達ができる、って言う夢。」

 夢を信じ、来たばかりで右も左もわからない街で、電車を探してまわったそうだ、そんなものがあるかどうかもわからないのに。
 でも、原っぱでほんとうに電車を見つけ、ほんとうに同い年の私を見つけたのだという。

「 友達になってくれるよね。」

不思議な出会いであるが、断る理由はなかった。
 彼女とは現在も付き合いがある。
と言うか、今、私の嫁になってます。









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しづめばこ 10月19日 P569

2019-10-19 11:20:09 | C,しづめばこ


 しづめばこ 10月19日 P569  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 10月18日 友達

2019-10-18 07:38:32 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 10月18日 友達



 中3の時まですごく仲の良かった友達がいた。
だが思春期特有のもつれでうまく話せなくなってしまい、こちらから話しかけても絶対口を開いてくれなくなってしまった。
 そのまま別々の高校に進学したが、中学が同じ学区なだけあって、1年に数回は相手が自転車、こちらが歩きの時にすれ違ったりした。
しかしお互い目が合い相手が誰かわかるもののどちらが引き止める訳でもなく、そのまま時は過ぎていった。
 高校を卒業すると地元の友達とばったり会う機会も少なくなったが、時々その友達の事はふとした時に思い出すことがあり、その頃になってようやく友達が口を開いてくれなくなった理由を推測することができた。
 推測が正解だとするもどちらが悪いという事ではないはずだが、なんとなく申し訳ない気持ちになった。
高校時代に思い当たっていればすれ違った時引き止めていたのにな、と心残りだった。
 友達は今どうしているだろうか。
思い出に浸る時には必ず思い出していたが、それも年にあるかないかという頻度で、年を重ねるにつれて少なくなっていった。
 そんな事も忘れていたある時夢を見た。
全く関係のない夢だったはずなのに、フッと自分の隣に例の友達が現れた。
 咄嗟にその友達に向かって、

「 ごめんね!」

という言葉が口を突いて出た。
友達は首を左右に振って、仲が良かった頃のとびきりの笑顔をくれた。
 そこで急に目が覚めた。
目を開けると当たり前だが友達の姿はなく、見えるのはタンスの木目だった。
寝返りを打つうっすらと空が明るくなってきていて明け方なのがわかった。
 こんなにスッキリ目が覚める事は珍しかったし、その日は休みだったので寝室から出て居間で過ごすことにした。
そこで何気なくつけていたテレビが昼前のニュース番組になった。
 ローカルチャンネルだったから、地元のある地域で事故があったという内容だった。
結構ひどい事故そうだったため画面に目を向けた。
 画面が切り替わり事故現場の映像が流れる。
その画面にテロップが出て見覚えのある名前が表示された。
アナウンサーがその名前を読み上げる。
 珍しい名前だから、この辺りでその名前だと友達のことで間違いはなかった。
友達は即死だったらしいから、明け方の目を覚ました時間と事故の時間はだいたい一致している。
優しいやつだから最後に会いに来てくれたのだろうか。
 偶然にしては出来過ぎている気がして、似たような話を読んだり聞いたりすると思い出す出来事だ。
本当にいいやつだった。










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日々の恐怖 10月17日 イマジナリーフレンド

2019-10-17 10:21:27 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 10月17日 イマジナリーフレンド



 賃貸のアパートにある家族3人が暮らしてたんだが、3,4歳の一人娘が言うには、部屋には○○ちゃんなる者がいる。
一人遊びしてるはずなのに、会話したり、バイバイしたりしてる。
 イマジナリーフレンドかと思っていたが、ある日のことだ。
またしても、娘が○○ちゃんと遊んでいるようだったので、母親は、

「 ○○ちゃんと遊んでるの?」

と聞いた。
 娘はやはり、

「 ○○ちゃんと遊んでる。」

と答えた。
 ここで母親は、○○ちゃんの詳細を聞いてみることにしたらしい。
どうやら、娘よりも少し大きい男の子らしいということがわかったのだが、それ以上に母親を凍り付かせたのが、

「 ○○ちゃんには首がない。」

ということだった。
 それを聞いてからは、できるだけ娘と一緒に過ごし、なるべく○○ちゃんと娘が遊ぶ機会がないようにしていた。
 そんなある日、父親が大阪に出張となった。
夫がいないため家事をいつもより多くすることになり、どうしても娘が一人になってしまう時間があった。
 心配ではあったが、どうも娘は○○ちゃんと遊んではいないようだった。
安心はしたものの、気にはなったので娘に聞いてみた。

「 今日は○○ちゃんと遊ばないの?」

すると娘は、

「 ○○ちゃんは、いないよ。
なんか、おおさかっていうところに行くって言ってたよ。」

 無論、小さな娘が大阪という単語を知るはずはなく、母親はおぼろげながら、○○ちゃんは夫に憑いた何かではないかと感じたという。
 その後、家族は引っ越し、
アパートは取り壊されたが、特に何らかの障りがあったとは聞いていない。









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日々の恐怖 10月14日 タヌキ(5)

2019-10-15 09:00:00 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月14日 タヌキ(5)




 ある日、お袋が買い物に行っている時にお絵書きを始めたが、途中で書くものが無くなって、和室の押入れの襖なんかにも書き殴ったらしい。
 案の定、帰宅したお袋が激怒して、書いた物全て捨てられたみたいだ。
その時に、お気に入りの一枚だけ隠したと言う。
 当然、みんな絵が気になる。
姉貴に、

「 見せろよ!」

と言うと、渋々見せてくれた。
 何だか良く判らないものだ。

「 狸・・・?」
「 犬・・・?」
「 猫・・・?」
「 狐・・・?」
「 ピカソみたいだ・・・。」

様々な意見が出た。
 姉貴に、

「 何、これ?」

と聞くと、

“ムスッ!”

としながら、

「 たしか、馬・・・・・。」

と答えた。
 これを、

「 馬だ。」

と言う姉貴も凄いが、

「 自分の絵だ。」

と思う狸の感覚も素晴らしい。
 伯母のアドバイスを基に、写真立てに入れて神棚の端に置くことにした。

「 昔から、姉貴ちゃんの周りにいるのは知ってたけど、悪くないものだから放っといたの。
こんな事になってるのは、今日初めて判ったわ。
姉貴ちゃんの周りで守ってるんだから、姉貴ちゃんも拝みなさいね。」

と言って、伯母さんはケラケラ笑っていた。

 運の良い姉貴だが、男運はまた別物みたいだ。
今年29才で、来年大台に乗る。
身長164cm、体重・B・W・Hは不明。
CカップのO型で蠍座の女だ。
誰かもらってくれないか?
もれなくタヌキが憑いてくるぞ。







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日々の恐怖 10月12日 タヌキ(4)

2019-10-12 09:00:00 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月12日 タヌキ(4)



 みんな何が何だか判らない。

「 あのね、神棚にね、タヌキがいるのよ。
何か狸の絵が置いてあると思うんだけどね。
それに憑いちゃったみたい。
元々悪いものではなくてね、自然のままって感じなの。
初めは悪戯半分だったんだろうけどね。
神棚に上げられちゃって、毎日拝まれてる内に混乱して、良い方に勘違いしちゃったみたい。」

 親父は特に信心深くは無いが、習慣で毎朝神棚と仏壇を拝んでいる。
他の連中はたまにだけどね。

「 必死に頑張って、神様と同じようになろうとしてるのよ。
多少の力はあるけどね、タヌキだから些細な事しか出来ないのよ。
でも、立派なもんよ。
百年も続けば相当な力を持てるわ。
行く行くは神様にもなれるかもしれない。
だからね、途中で挫折しないように、ちょっとだけ扱いを良くしてあげて、その気にさせたいの。
誰か絵を知ってる?」

 姉貴が、

「 アッ!」

と叫んで、踏み台を持ち出して神棚をゴソゴソ始めた。
神棚の社みたいになっている所の裏から、画用紙みたいな紙を引っ張り出してきた。
 姉貴が小学一年生の時に書いたものらしい。
当時は絵が好きで、手当たり次第に書き散らかしていた。







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日々の恐怖 10月10日 タヌキ(3)

2019-10-10 09:28:09 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 10月10日 タヌキ(3)



 土曜日に、北海道に住んでる父方の伯父夫婦が定年退職したということで、家に遊びに来た。
家で2泊し、来週一杯、各地を旅行するらしい。
 伯父の家は父の実家であり、俺や姉貴も何度も夏休みに遊びに行っていた。
だけど、伯父が家に来たのは記憶に無い。姉貴も覚えが無いと言う。
 伯父に、

「 珍しいね。」

と聞いてみると、家の新築祝いの時以来だそうだ。
当時俺は2才、姉貴は4才なんで、記憶が無いのも当然だ。
 滞在中は和室で休んでもらうことにして、片付けついでに案内した。
伯父は、

「 懐かしいな~。」

なんて言っていたんだが、伯母のほうが神棚を、

“ ジーッ。”

と見ている。
 この伯母は福島出身で、かなり霊感が強い。
ちょっとしたエピソードはあるんだが、それはまた機会があれば書く。
 しばらく見た後、ケラケラ笑いながら、

「 皆に教えておきたいから、呼んで来て!」

と言う。
 和室の神棚の前に全員集まると、伯母さんは話し出した。

「 面白いねえ。
こんな事もあるんだね。
私も良い勉強になったわ。
普通は神様が怒るんだけどねぇ、見逃してくれたのかな・・・・?」






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日々の恐怖 10月7日 タヌキ(2)

2019-10-07 18:11:09 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 10月7日 タヌキ(2)



 姉貴が買い替えたのかなと思ったんだが、晩飯の時ニコニコして報告した。
自転車屋で修理してもらおうと店員に見てもらっていたんだが、結構修理代がかかるらしい。
 新車か修理かという深刻な悩みの最中に、お婆さんが自転車を押してやって来た。
店員との話を聞いていると、自転車の処分をお願いしている。
 最近弱ってきたので、高齢者専用住宅に入居する事になったらしい。
自転車に乗るのも危なくなってきたので、持って行っても乗らないとの事だった。
 店員は、

「 中古の販売はやらないので、処分料2,500円をもらえれば処分します。」

と言っている。
 姉貴は喜んで、

「 私がもらっても良いですか?」

とお婆さんにお願いし、自分の自転車を処分して帰ってきたのだという。
 転んだけどケガしなかった、なんて事はしょっちゅうある。
ちょっとした事で妙に運が良い。
それが、先週の土曜日に、その理由がわかったような気がした。








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しづめばこ 10月6日 P568 

2019-10-06 19:27:47 | C,しづめばこ


 しづめばこ 10月6日 P568  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 10月4日 タヌキ(1)

2019-10-04 19:32:41 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 10月4日 タヌキ(1)



 俺の姉貴は運が良い人間だ。
宝くじを買えば、ほぼ当たる。当たるといっても、3億円なんて夢のような当たり方ではないのが残念なところだ。
 大抵3,000円が当たる。
何回当たったかなんて、いちいち覚えてられないくらいだ。
 高額なのは100,000円が3回だったかな。
その時は喜んじゃって、松阪牛だの本マグロの大トロなんか買って来るんで、俺も嬉しかったからよく覚えてる。
最近は10枚ずつの購入をやめて3枚購入にしてる。

 半年くらい前、会社帰りに飲んできたらしく、ほろ酔いでママチャリに乗って大コケして半泣きで帰ってきた。
 俺に、

「 自転車直してよ!」

って言うんで見てみると、タイヤが変形してしまっている。
こんなの直せないんで、

「 店で修理しろ!」

と言うと、土曜日に近所の自転車屋に持っていった。
夜、帰宅すると玄関脇に電動機付自転車が置いてある。







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