日々の恐怖 7月4日 古物(3)
私は手続きに時間もお金もかかる鑑定書再発行を断念し、(叔母にそう告げた)自分も手伝って、手裏剣をとにかく早く引きとってくれる同業者を探しました。
いるんですよ、こういうわけありの品でも全然平気だという方や、こういう品こそ手に入れたいという変わり者が。
やっとある男性にひきとって頂くことが決定し、品物を渡しました。
何と、それからピタリと叔母・叔父周辺の怪異が止まりました。
叔父のガンですが、大手術の結果、
「 危機一髪だったね。」
とお医者様に言われる状況で何とか助かりました。
転移はないし、現在も再発もなく元気に暮らしております。
結局、甥っ子は怪我つづきでリストラ(つか自主退職?)になったりもしましたけど。
TVなんかで『いわくつきの品』というのを見ることがありますが、(心霊番組などで)
「 うちの身内でアンティークやってる人がいるけど、あんなの全然嘘話だよ、絶対ありっこないよ。」
などと今まで笑ってた私。
自ら体験することになろうとは思いませんでした。
刀剣類全てがそうだとは思いませんが、皆さんもどうか気をつけて下さい。
なお、私がオカルトに関心を持ったのはこの事件以後です。
ある人に訊ねたところ、
「 男の人ばかりに被害が及んだのは、武将の霊(手裏剣にとりついていた?)からだと思う。
それと、あなた自身は気付いてないようだけど、あなたの家系は霊的に女性のほうが守護が協力なのよね。
だから、叔母さんも姪っ子さんたちも、そして手裏剣の窓口役になってしまったあなた自身も無傷だったのよ。」
と言われました。
手裏剣引きとってくれた方は、ちゃんとご自身の時間とお金を使って鑑定書を再発行・再交付してくれました。
我が家でお金は出すからと申し上げましたが、ホント変人。
「 こういう品物が欲しかったのだ。」
と、むしろ嬉々としていました。
今も保管してると(飾って見てる?)思うけど、その方には異変はないそうです。
先ほどの人の話ですが、
「 もともとアンティークとかに興味がある人って、自分と因縁の強い品物を引き寄せるんです。
悪い因縁でも、因縁ゆえに引き寄せざるを得ないという場合もあるようだし。
その方は、手裏剣とはそう悪い因縁ではないか、あなたのように霊的守護が強くて無傷でいるんだと思う。
でも、やはり時期が来たら、そういう品物は他の人に売っておいたほうがいいのにね。」
とも言っていました。
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