大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 7月30日 地味な子(2)

2020-07-30 18:30:20 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 7月30日 地味な子(2)



 それから数年後、とある縁があって私はM子と再会し、一緒に私の家で飲むことになった。
相変わらずM子はケバファッションのままで、更に整形もしたようで顔も少し変わっており、もう過去のM子の面影はほとんどなかったように思う。
 私は、どうしてそんなイメチェンをしたのか尋ねてみた。
M子ははじめは誤魔化していたが、

「 Rさん(私)には話した方がいいと思うから・・・・。」

と、酒を飲みながら、ぼつぼつとイメチェンの真相を話してくれた。

 ある日の深夜、バイトを終えて自宅に向かっていたM子は、帰路の途中にある小さな山で奇妙な人と遭遇した。
それは白い着物のような服を着た中年の男性で、片方の手には人形のようなもの、もう片方には金槌を握って山中の歩道をうろついていたそうだ。
 白い着物の男はM子に気付くと、こちらに向かって走りだしたので、M子は必死に自転車をこいで逃げた。
その時のM子は、あの男はおかしな恰好をした不審者か、病院かどこからから逃げ出した人だと思っていたらしい(白い着物は病院着っぽくも見えたので)。
 M子はしばらく扱ぎ続けていたが、上り坂だったこともあり体力が尽き、後ろを振り返って男がいないことを確認してから、立ち止まって休憩することにした。








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日々の恐怖 7月28日 地味な子(1)

2020-07-28 17:36:40 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 7月28日 地味な子(1)



 友人M子が、ある日突然すごいイメチェンをして登校してきた。
仲間のM子は、それまで化粧やおしゃれに興味がなく、常にスッピンで髪も染めず伸ばし放題で、服も黒系統の地味な服を着てくることが多かった。
 そんなM子が突然化粧ばっちりして来て、服やアクセサリーも派手な感じで、髪もばっさり切って明るいショートにして、おまけにパーマもあててくるという大変身を遂げ、周囲の友人はみんな驚いていた。
 私も、つけまつ毛バシバシで胸ぐりが開いたキャミ&ショーパンといった、おしゃれというよりはケバくなったM子を見て、はじめはM子だと分からずドン引いた。
 当然、私を含めた友人みんなが、どうしていきなりおしゃれ?に目覚めたのかM子に聞いたが、M子はいつもお茶を濁していた。
 元々M子はおとなしい性格で、友人たちも似たような性格の子が多かったため、次第にM子は周囲から敬遠されて孤立していったが、それでもケバファッションをやめなかった。
 その後しばらくしてM子が学校に来なくなり、

「 悪い恋人ができて駆け落ちした。」
「 お水なバイトをはじめた。」
「 借金ができて夜逃げした。」

などという嫌な噂が広まったが、M子は退学してその町から去り、その噂もすぐに消えた。
そして、私もその後二か月程で、両親の仕事の都合で、その町を去った。






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日々の恐怖 7月25日 ステキな金縛り(2)

2020-07-25 10:12:46 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 7月25日 ステキな金縛り(2)




 ここからは、実家に逃げ帰ってからの記録だ。
結果、7日目で退去した。
 時間は未確認だが、寝ていると金縛りで意識が起きる。
目を閉じてるはずなのに見える。
 視野の下から顔が出てきた。
閉じてる目には、その姿を逸らす方法は無かった。
 多分若いであろう女性だった。
目は無い。
口を開け近づいてきた。
 俺は、

” 噛まれる。”

と思った。
 が、耳元で、

「 なんで殺した。」

そう聞こえた。
 言葉に出せない俺は心の中で、

” 俺じゃない、俺じゃない!”

と叫びながら気を失った。
 朝、目覚めて荷物をまとめて退去した。
不動産屋からは自殺だと聞いていた。
 退去後すぐ電話し、確認したがやはり自殺だと言われた。
退去の事を伝えると鼻で笑われた。
 馬鹿な俺は、その足で警察に行った。
俺は、

“ 他殺じゃないか・・・・?”

と思ったからだ。
警察で、一部始終を話した。
 話を聞いてくれた警察官が笑いをこらえた表情で、

「 ご協力ありがとうございます。」

と言った。
以前の俺を見ているようだった。
 友人に、

「 ほ~~ら、言わんこっちゃない!」

と言われた。
 俺は賃貸料と信念を失った。

“ 悔しい・・・。”

後日談は、まだ無い。










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日々の恐怖 7月22日 ステキな金縛り(1)

2020-07-22 18:43:19 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 7月22日 ステキな金縛り(1)




 大学で幽霊がいる、いないの話になった。
俺は当然いない派で、鼻で笑ってやった。
 すると、いる派の友人は言った。

「 じゃ、自殺かなんかの瑕疵物件に住んでみろよ、酷い目にあうから!」
「 ああ、分かった、やってやろうじゃないか!」

俺は二つ返事で、実験することにした。
これは、怖いもの知らずだった俺が、完璧になめて掛かって瑕疵物権に住んでみた話だ。


 不動産屋に行くと、案外簡単に物件が見つかった。
物件は駅から徒歩10分、2LDKで3万5千円だ。
 この地域の相場の半額だ。
不動産屋で、瑕疵物件で安い所を探してると言って見つけた。
 本当に出るらしい。
あまりに回転率が激しい為、敷金礼金は無しだという事で即決した。
 不動産屋に、

「 本当に出ますよ。」

と言われて、一応、念のため荷物は最低限にした。
すぐ逃げれるようにだ。
実際、段ボール2箱。
 以下が、その時の記録だ。
記録は次の日に書いた。

・1日目
特に異変なし。
トイレの電球が切れる。

・2日目
部屋中がなんか臭う(なにかが腐った臭い)。
トイレの電球交換。

・3日目
臭いが増してる。
消臭剤を大量に置く。
トイレの電球がまた切れる。

・4日目
消臭剤が効かない。
不動産屋にTel。
トイレの電球また切れる。
人生初の金縛り。

・5日目
不動産屋が調査。
とりあえず排水管の掃除を専門業者に依頼するとの事。
電球が切れてない事が判明。
消えた理由調査で電気屋に来てもらう。
結果、異常無し。
金縛りに合う。
耳鳴りがひどい。

・6日目
大学で、話したこともない女性に、

「 あなた憑いてますよ。」

と言われる。
俺は、

「 知ってますよ。」

と答える。
部屋にいる間中、耳鳴り。
部屋は臭い。
トイレの電球消える。








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日々の恐怖 7月20日 雑居ビル

2020-07-20 18:47:53 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 7月20日 雑居ビル




 老朽化した雑居ビルの6階に、当時勤めていた会社があった。
昼間でも暗いその会社の中でも、特にエレベーターの痛みがひどく、貨物と人が共用で利用するため、あちこちが擦り切れ、独特の匂いが立ちこめていた。
 仕事の納期が迫り、終電近くまで残業する日が増えていたある日のこと、コンビニで夜食を購入して、オフィスに戻るためエレベーターを待っていると、開いたカゴの中に一人のお年寄りが立っていた。
 それも奥の隅にいて、入り口に背を向け、俯くように立っている。
その老人を見た瞬間、電気が走ったように痺れたかと思うと、体が動かなくなってしまった。
 そのお年寄りは、一階に着いたにもかかわらず降りる気配がない。
俺は体が硬直しており、激しい耳鳴りが聞こえ始めていた。
 そのお年寄りがゆっくり振り向き始めると同時に、ガタッという不自然な音とともにドアが閉まり始めた。
そして、完全に振り向く直前にドアは閉まった。
 しかし、エレベーターは別の階に移動していない。
まだ一階におり、扉が閉まっているだけだった。
 体はまだ硬直していたが、ビルの入り口から夜食を購入して戻ってきた同僚が俺の肩をたたき、エレベーターを見て呼び出しボタンを押そうとする。
 その瞬間、

「 押すな!」

と声が出て、体の痺れが取れた。
だが、既に呼び出しボタンは押されてしまっていた。
 同僚が怪訝な顔をする中、エレベーターの扉は開いた。
しかし、開いた扉の向こうは妙に明るく、先ほどの老人は忽然と姿を消していた。








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日々の恐怖 7月17日 昼寝(3)

2020-07-17 11:02:17 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 7月17日 昼寝(3)




 俺は、何となく、

“ あれかな・・・。”

と思った。
 実は数日前、同僚と飲んでいる時に昔話になった。
その時、俺は小学校の時の同級生の話をした。
Bちゃんと言って、目付きが鋭くいつも怒っているような恐い顔の女の子だった。
 特に虐められていたとかそんな事はなく、普通に皆んなと仲の良い女の子だったが、ある時交通事故で亡くなった。
その葬式に出た時に、同級生の誰かが、

「 Bちゃんの写真の顔が恐い。」

と言い出した。
確かに白黒の写真は、いつも以上に目付きが鋭く恐い顔だった。
 俺も同級生に合わせ、

「 めちゃくちゃ恐いな。」

と言った瞬間、耳元で、

「 こわくないよ。」

とBちゃんの声が聞こえた。
そんな話をした。
 それで、

“ ああ、Bちゃんが怒って来てるんだ。”

と思い、直ぐに、

「 Bちゃんごめんなさい、ごめんなさい。」

と、空中に謝った。
その後は特に変わった事はなかったが、何となくAさんに会うのが怖くなってしまった。
 ちなみに後日、嫁がAさんに縁側での出来事を聞いたが、昼間はインターホン鳴らしても出ないから本当に直ぐ帰ったとか。
 おまけに、

「 勝手に庭に入らないわよ。」

と笑われたらしい。
 嫁は絶対に夢と言うが、俺はAさんがわざと話を誤魔化しているようにしか思えなくて、感謝するべきなんだろうけど、どうしていいのか分からず、何だか釈然としないまま今もいる。








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日々の恐怖 7月13日 昼寝(2)

2020-07-13 12:06:40 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 7月13日 昼寝(2)



 何か気持ち悪い体験したなあと、また縁側に戻ろうと何気なくガラスを見ると、手の平の跡がクッキリと残っていた。

“ やっぱり来てたよな・・・・!”

とモヤモヤしながら縁側に座っていると、嫁と娘が帰って来た。
 嫁にたった今の出来事を話したが、

「 夢でも見てたんでしょ?」

と鼻で笑われてしまった。
 その日の夕方、4人で夕飯を食べていると玄関のインターホンが鳴った。
Aさんだった。
町内会の集金に来たらしい。
俺は何となく怖くて、リビングから玄関でAさんと嫁が話すのを黙って聞いていた。

「 今日の昼間、一度来たんだけど誰もいなくて・・・・。」
「 え!そうなんですか?」
「 車があったから、ご主人いらっしゃるかと思って、インターホンを鳴らしたんだけど誰も出なくて帰ったんです。」
「 えっと・・・、ああ・・・、そうだったんですね。
すいませんでした。」
「 いえいえ、大丈夫ですよ。」

“ いやいや、誤魔化すなよ・・・・。”

と聞いていると、突然大きい声で、

「 そうそう、ご主人に言っておいて。
恐い顔の女の子が来てるわよって。」。

そう言うと、

「 おやすみなさい。」

とさっさと帰ってしまった。
まるで、俺に聞かせるかのような大きい声だった。







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日々の恐怖 7月10日 昼寝(1)

2020-07-10 09:24:27 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 7月10日 昼寝(1)




 日曜の昼過ぎ、縁側に敷布団を敷いて2歳の息子を胸に乗せ昼寝をしていた。
しばらく経った時、急に胸に息子以外の重みが、

“ グッ!”

と、のしかかった。

“ 苦しいなあ。
娘(4歳)が乗って来たのかなあ・・・。
それにしては重いなあ・・・・。”

何故か意識が朦朧として体が動かない。
目を薄っすらと開けて見ると、息子が胸にしがみついて寝ているだけだった。

“ そういや娘は嫁と出掛けたよなあ。
何だろうなあ、これ・・・・・?”

と考えていると、

“ バン!”

と急に縁側のガラスを叩かれた。
 相変わらず体が動かないので横目でその方向を見ると、誰かがガラスにベッタリとくっついてこっちを見ていた。
ハッキリとはわからないが、近所に住むAさんというおばさんのようだった。
 Aさんは再びガラスを、

“ バン!”

と叩くと、今度は、

「 あんた!何してんの!」

と怒鳴った。
そして続けて、

「 そこをどきなさい!」
“バン!”
「 出て行きなさい!」
“バン!”

と何度か繰り返した時、息子が、

“ ビクン!”

とし、

「 うわあん!」

と泣いて起きた。
 その瞬間、頭が冴え体が軽くなった。
息子を抱えながら起き上がり、

“ パッ。”

とAさんの方を見た。
 しかし、さっきまでガラスにベッタリとくっついて怒鳴っていたはずのAさんの姿が無かった。
ほんの数秒だったので不思議に思い、ガラスを開け縁側から庭に出たが誰もいない。








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日々の恐怖 7月7日 花壇

2020-07-07 18:30:51 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 7月7日 花壇



 私の家の裏側にある小さな空き地では、近隣の住民が勝手に隅の方を耕して土を盛って花壇にしている。
そんな花壇の中の一つ、うちの庭のすぐ裏、十年以上前に越した以前の隣の住人が残していった花壇に、大株の牡丹がある。
毎年見事に花をつけるそれは、自分がバラを育て始めた数年前から私の疑問の種であった。
 2m×60㎝位の面積で盛り上げられた土に、キングローズと桃色の牡丹がある。
以前は白い牡丹もあったそうだが、それは何かの工事があった際に枯れてしまったらしい。
 うちが越してきたのは18年程前だが、母いわく、その頃はまだ小さかったわねぇと。
突然旦那様が家出された隣の奥さんが気を紛らわそうと、それまで植えていた草花を一掃して、植えつけたばかりだったという。
 越した頃、私は仕事を始めたばかりで殺人的に忙しく、部屋の窓から裏を覗くことすらせず、私には紅白並んだ牡丹はおろか、隣の住人の記憶さえない。
誰もそのことに触れないが、手入れする人がいなくなってからは、近隣の誰かが剪定しているのだろう。
 しかし、夏場あまり雨の降らない時期には、私も家の水遣りのついでに垣根の向こうにも散水してやることはあるが、それ以外特に水遣りの形跡を見ることはない。
とすれば肥料など論外だ。
肥料喰いといわれる牡丹やバラを、十年以上咲かせ続ける事が出来るなんて、どんな土を入れたのだろう。
これほど広いスペースに2株だけだから大丈夫なのか。
 今年も牡丹は30ほどの大輪の花を株いっぱいにつけ、桜の散った今、付近を散歩する人々の驚嘆と賞賛の声を一身に集めている。
間もなく隣のキングローズが、今度はその艶やかな濃緑の葉の間を、あでやかなローズ色のぽんぽんのような小さな花でびっしり埋めるのだろう。
 周りの住民は、ただ花を遠巻きに愛でるだけでそれ以上は触れない。
近くに新しい住民が越して最初の春、牡丹の説明をするたびに漂うわずかな緊張感がいったい何なのか、前の住人を知らない私が知る由などない。






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日々の恐怖 7月4日 古物(3)

2020-07-04 11:16:31 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 7月4日 古物(3)




 私は手続きに時間もお金もかかる鑑定書再発行を断念し、(叔母にそう告げた)自分も手伝って、手裏剣をとにかく早く引きとってくれる同業者を探しました。
 いるんですよ、こういうわけありの品でも全然平気だという方や、こういう品こそ手に入れたいという変わり者が。
やっとある男性にひきとって頂くことが決定し、品物を渡しました。
 何と、それからピタリと叔母・叔父周辺の怪異が止まりました。
叔父のガンですが、大手術の結果、

「 危機一髪だったね。」

とお医者様に言われる状況で何とか助かりました。
転移はないし、現在も再発もなく元気に暮らしております。
結局、甥っ子は怪我つづきでリストラ(つか自主退職?)になったりもしましたけど。
 TVなんかで『いわくつきの品』というのを見ることがありますが、(心霊番組などで)

「 うちの身内でアンティークやってる人がいるけど、あんなの全然嘘話だよ、絶対ありっこないよ。」

などと今まで笑ってた私。
自ら体験することになろうとは思いませんでした。
 刀剣類全てがそうだとは思いませんが、皆さんもどうか気をつけて下さい。
なお、私がオカルトに関心を持ったのはこの事件以後です。
 ある人に訊ねたところ、

「 男の人ばかりに被害が及んだのは、武将の霊(手裏剣にとりついていた?)からだと思う。
それと、あなた自身は気付いてないようだけど、あなたの家系は霊的に女性のほうが守護が協力なのよね。
だから、叔母さんも姪っ子さんたちも、そして手裏剣の窓口役になってしまったあなた自身も無傷だったのよ。」

と言われました。

 手裏剣引きとってくれた方は、ちゃんとご自身の時間とお金を使って鑑定書を再発行・再交付してくれました。
我が家でお金は出すからと申し上げましたが、ホント変人。

「 こういう品物が欲しかったのだ。」

と、むしろ嬉々としていました。
今も保管してると(飾って見てる?)思うけど、その方には異変はないそうです。
 先ほどの人の話ですが、

「 もともとアンティークとかに興味がある人って、自分と因縁の強い品物を引き寄せるんです。
悪い因縁でも、因縁ゆえに引き寄せざるを得ないという場合もあるようだし。
その方は、手裏剣とはそう悪い因縁ではないか、あなたのように霊的守護が強くて無傷でいるんだと思う。
でも、やはり時期が来たら、そういう品物は他の人に売っておいたほうがいいのにね。」

とも言っていました。








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日々の恐怖 7月1日 古物(2)

2020-07-01 11:24:25 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 7月1日 古物(2)



 そして結局、手裏剣は叔母家の倉庫に保管されたままになりました。
当時、身内の介護で実家と往復生活をしていた叔母・叔父としても、再交付に行く時間もなかったんです。
 以来5年の間に、まず叔父が怪我をしました。
自転車に乗っていて横断歩道で人とぶつかったのに、徒歩だったほうの人は無傷で、何故か叔父だけ数ヶ月松葉杖をつくほどの怪我を負いました。
 次が叔父の実父。
脳梗塞で倒れました。
そして、叔母・叔父の子供が帯状疱疹で入院。
どう説明すればいいのか…。
 病気怪我なんて何時だれが襲われるかわからないよ、と言われればそれまでですが、上記以外にも、まるでローテーションでも組んでいるかのように、叔父自身⇒叔父実父⇒甥っ子の3人が、代わる代わる怪我・病気になったのです。
 私はピンと来ていませんでしたが、この後で叔父がついにガンになったとき、叔母が泣きながら言いました。

「 悪いけどさあ。
あんたには悪いけど、あの先輩が手裏剣持って来てから、こういうことが続くようになったんだよね。
私も長くこんな商売してるけど、こういうこと初めてで、結び付けて考えちゃいけないのかも知れないけど。」

 こう言われたら、私もおだやかではありません。
何かやり切れなくて、叔母にはとにかく鑑定書再交付するか、同業者でそういったわけありの品物を引きとれる人がいるか探して欲しいと頼み、会社では先輩に対しちょっとムッとして、

「 あの手裏剣のことですが、何かいわれがありますか?」

と初めて質問しました。
すると、何でそういうことが平気で言えるかな、と思うようなことを先輩は言いました。

「 あ、あれかあ。
実はねえ、あれ、私の主人が買ったんだけど、あれを持ってる頃、私、急に息子と切ったはったの大喧嘩しちゃったり、刃物で怪我したり、主人が大病したり大変だったのよお。
あらっ、叔母さんのご家庭何かあったの?
じゃあ手裏剣のせいかも知れないわよねえ。」

もう絶句。
こんなことを、しかも笑って説明できる、言い放てる彼女の神経を疑いました。







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