大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道7

2008-01-30 19:16:44 | E,霧の狐道
 箒を持ってウサギの糞を掃き集める。
六匹のウサギはピョンピョン飛んで、箒を持った俺と反対側に逃げる。
白や茶や斑のウサギが飛び跳ねていた。

「 おやっ?」

 ウサギ小屋には、ダンボールの箱の一面を四角く切って出入り口をつけた“ウサギの家”が置いてある。
その出入り口から黄色い足が見える。
動物の足だ。
俺が見ていると、黄色い足はウサギの家の中に、ヒュッと引っ込んだ。

「 おかしいな?」

俺はウサギの家の外にいるウサギの数を数えた。

「 一、二、三、・・・、外に六匹いるな。
 この前、掃除をしたときも六匹だった。
 誰かが一匹、寄付でもしたのかな・・・。
 ちょっと、中を調べてみるか。」

俺は、ウサギ小屋の中に手を突っ込んだ。
確かに動物がいる。

「 外に出してみよう。」

 俺は暴れる動物を両手で掴み、引っ張り出した。
ウサギの家から、白黒のパンダのようなウサギが現れた。

「 何だ、こいつは。」

今まで見たことの無いウサギだ。



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霧の狐道6

2008-01-28 19:00:37 | E,霧の狐道
 俺の頭の中で、何かがキ~ンと音をたて始めた。
音はどんどん大きくなり、体が揺れる感覚に襲われた。
驚いた俺は、思わず眼を瞑った。

“ 何だ、これは?
 耳鳴りか、眩暈か・・・?”

俺は経験の無いことに戸惑い、じっと音と揺れが収まるまで待った。

“ ・・・・・・・。”

少し時間をおいて、音と揺れは徐々に収まり、静まった。

“ ああ、収まった・・・・、良かった。”

俺は音と揺れが収まったことにホッとして、眼を開けた。

“ 今のは何だったんだろう・・・・。”

体を動かしてみても、特に異常は無い。

“ でも・・、どうってことも無いかな・・・。”

俺は手に持っていた紙袋をもとに戻し、ポシェットの口を閉じた。

“ あ、掃除しなくっちゃ・・・。”

俺は、落し物として先生に渡した方が良いと思ったので、ポシェットを首にぶら下げて掃除を再開した。



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Photo Lounge55 リス君

2008-01-27 18:57:05 |      Photo群

Photo Lounge55 リス君 画像


    Photo Lounge55 リス君 

            「 うめ~!」          


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霧の狐道5

2008-01-25 19:47:05 | E,霧の狐道
 俺は由紀ちゃんが出て行って見えなくなったのを確かめてから、再びポシェットに手を伸ばした。

“ ムフフフフ、由紀ちゃん、行っちゃったな。
 それじゃ、ちょっと、中を見てみようかなっとォ・・・。”

改めて手に持ってみると重みがある。
鈴以外にも何か貴重品らしい物が入っているようだ。
 俺は、そっと紐を緩めてポシェットの中を見た。
袋の中には、膨れた紙袋が見えた。
その横には、銀色の小さな時計のような物も見える。
俺は紙袋の方を取り出して開いて見た。
紙袋の中には、金平糖のような砂糖菓子が入っていた。

「 小さな金平糖だ。
 粒々が、そこそこ入っている。
 うまそうだな。
 ちょっとぐらい食ってもいいだろう・・・。」

 俺は、辺りに誰もいないのを確かめて、金平糖を数個取り出して口に放り込んだ。
金平糖は俺の口の中でプシュと溶け、刺激のある甘い味が広がった。

「 これ、金平糖じゃ無いな・・・・。
 でも、とても甘くて美味しい・・・・、あれっ?」



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霧の狐道4

2008-01-23 19:50:13 | E,霧の狐道
 俺は背を伸ばして、金網の上の方に引っ掛かっていた赤いポシェットを手に取って見た。
ポシェットの右下には、金の刺繍でキツネがちょこんと座っている絵があった。
裏返すと、真ん中に宝珠の絵がある。

“ お稲荷さんの袋かな・・・?”

 俺は、二、三度、ポシェットの表裏をひっくり返し、由紀ちゃんを見た。
由紀ちゃんは、俺が手に持っているポシェットを見ながら、俺に言った。

「 開けちゃだめよ。
 振って見て、音で分かるわ。」

俺はしぶしぶ開けるのを我慢して、手に取ったポシェットを振ってみた。

“ チリン、チリン、チリン。”

「 ほら、これだよ、鈴の音がしてる。」
「 はい、もうお終い。
 戻して、戻して。」
「 も~、仕方がないなァ。」

俺は、ポシェットを金網に戻した。

「 それじゃ、私、水を換えてくるね。
 貴ぴ~、箒で掃いてね。」

由紀ちゃんは、水箱を持ってウサギ小屋を出て行った。



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霧の狐道3

2008-01-21 18:36:21 | E,霧の狐道
 ウサギ小屋の掃除当番は、5年生の仕事だ。
二クラスの飼育係が週初めからに交互に二回ずつ掃除をする。
残りの一日の金曜日は先生がやってくれる。
俺と由紀ちゃんは2組の飼育係だ。
 四月にクラスの係りを決める時、由紀ちゃんは飼育係に立候補した。
俺も慌てて飼育係に立候補した。

「 俺も、飼育係に立候補!」

山下先生は俺の顔を見てから、クラスを見回して言った。

「 神谷が立候補したけど、他に誰か立候補する者はいるかな?」

少し間を置いて、山下先生が宣言した。

「 それじゃ、飼育係りは、吉沢由紀と神谷貴志に決めるぞ。
 みんな、それでいいな!」

 クラスの男子は、俺の方を見てヒューヒューと囃し立てた。
女子は、“二人とも幼馴染だからねえ”とか言いながらニヤニヤしていた。
俺は動物が好きだからだと言い張ったが、誰も信じてくれなかった。
 由紀ちゃんは俺より席が前だった。
そして、由紀ちゃんは、後ろを振り返ることはしなかった。
俺が立候補した時、由紀ちゃんはどんな顔をしていたのだろうか。



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Photo Lounge54 クマさん

2008-01-20 19:04:03 |      Photo群

Photo Lounge54 クマさん 画像


      Photo Lounge54 クマさん 

          「 内科は何処かなァ~?」          


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霧の狐道2

2008-01-18 19:32:45 | E,霧の狐道
 第一部 ( 爺婆と小学生の風景 )

 
 1、ウサギ


“ チリン、チリン、チリン。”

「 あれっ、何処かで鈴の音がしてる。」

地面に散らばった藁をしゃがんで集めていた吉沢由紀は、立ち上がってウサギ小屋を見回した。

「 ん、何て言った?」

俺は、由紀ちゃんに釣られて立ち上がった。

「 鈴の音が聞こえたのよ。」
「 俺は聞こえなかったけど・・。」
「 確かに聞こえたわ。」

俺は、ウサギ小屋の金網の上の方に引っ掛かって、ぶら下がっていた赤いポシェットを見て言った。

「 あるとしたら、この中かな。」
「 誰かが忘れて行った物だから触らない方がいいわよ。
 直ぐに忘れた事に気付いて取りに来るわ。」
「 でも、鈴の音が気になるんだろ。」
「 ポシェットを気にしていたのは貴ぴ~の方じゃない。」

 俺の名前は貴志だが、由紀ちゃんはいつも貴ぴ~と呼ぶ。
俺は、小屋に掃除に来た時からぶら下がっていたポシェットが気になっていた。
 ポシェットは、何故か小屋の内側にぶら下がっていた。
小屋に入って直ぐに俺が手を伸ばして取ろうとした時、由紀ちゃんから触らない方が良いと止められたので、今まで我慢していた。
俺は、背伸びをして金網のポシェットに手を伸ばした。




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霧の狐道 1

2008-01-16 19:34:22 | E,霧の狐道
 霧の狐道


 プロローグ


 雲が流れる。
碧青の空に雲が流れる。
雲それぞれは大きさも形も違う。
でも、それらのすべてが同じ方向に流される。
雲は、何処から来て、何処に行くのだろう。

 風が吹いている。
秋にしては、少し寒い。
木々の木の葉が揺れ、枝を離れた数枚が風に流されながら地面に落ちる。
一枚一枚は、色も形も違う。
でも、それらのすべては地面に到達して吹き溜まる。

 時が刻まれている。
喜びや悲しみを伴って、時が刻まれている。
時は、誰にも平等に降り注ぎ流れる。
流れる時の中で、人はそれぞれ違う人生を歩む。
時には、それらが交差し、あるいは、それらが絡まりながら。
そして、人は、ほんの些細な喜びや悲しみを感じながら生きる。
でも、それらのすべてが無かったとしても、時にとって不都合は無い。
何事も無かったかのように、人は未来に向かって流される。
生きて行くことの意味を知りえぬまま、時は過ぎ去って行く。

人は、何処から来て、何処に行くのだろう。
あの流れる雲のように。



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美術絵画34  Risi Corrado 湖上の城

2008-01-09 20:39:37 |      絵画群


美術絵画34  Risi Corrado 湖上の城


  Risi Corrado 湖上の城

1960年イタリア Posillipo生まれ。
ナポリで学び、Esposito教授に師事し、この教授から素晴らしいソフトな独特のカラータッチを学び取った。
独特な感性、柔らかいタッチで描き出される作品で人気がある。
110×93



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Photo Lounge53 zipper 

2008-01-08 19:39:34 |      Photo群

Photo Lounge53 zipper 画像


Photo Lounge53 zipper 

    「 右折、左折?」          


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なんじゃもんじゃ物語236

2008-01-05 11:07:23 | _2-19 港への道
H1号が、再び、出てきました。

「 フフフフフ、ソレデハココデ問題ダ!
 サテ、シミコ婆サン、H1号ヲ持ッテ立ッテイル コイツハ、イッタイ誰デショ
 ウ?」
「 ・・・・・・・。」
「 分カラナイノカ。
 ソレデハ、ヒントヲ ヤロウ。
 ソレハ、先程、シミコ婆サン自身ガ 答エヲ言ッテイルノダ。」
「 えっ、答えを言っているとな・・・。
 ・・・・・・・・。
 ・・・・、まさか。」
「 ソウダ、ソノ マサカ ナノダ。
 サア、答エヲ言ッテ見ロ!」
「 エレーヌ姫!」

シミコ婆さんは、そう言いながら闇の中で揺らめき、消えて行きました。
H1号は言いました。

「 ブッ、ブ~ッ!
 ハズレ、ハズレダ。
 H1号ハ、見事、シミコ婆サンヲ ヤッツケタゾ!
 ハハハハハハハ!」

お頭ブラックが言いました。

「 やれやれ、良かった。
 ようやく、消えてくれた。
 タイマーの設定を間違えたと言っていたから、いつかは消えると思っていたの
 だ。
 正体がバレナイうちに消えて良かったのだ。」



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