大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 4月30日 電話ボックス(6)

2019-04-30 19:58:47 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 4月30日 電話ボックス(6)




 彼は、

“ ヤバイ・・・・・。”

と思ったが、それでも、力を振り絞って、

「 何?どうしたの、警察呼ぶ・・・?」

と震える声で返事した。
 しかし、

「 ねぇ・・・・。」

と聞くだけで、他のことは一切口にしない。
 彼が、もう一度、

「 何?どうしたの、警察呼ぶ・・・?」

と聞き返しても、そのことには返事せず、

「 ねぇ・・・。」

とだけ続けていた。
 彼は、ただ固まったまま、正面の上の窓を見ていた。
下の窓は怖くて見られない。
 彼は、

“ 覗き込まれたらどうしよう・・・。”

と思ったからだ。
 彼が見ている上の窓からは、夜の闇の中に明るく照明が点いた誰もいない電話ボックスだけが見えていた。
 彼が固まったそのまま、

“ ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ・・・・・・。”

と心の中で呟いていると、状況に変化があった。
 見ている正面の上の窓の窓枠、下辺から黒い髪の先が徐々に見え始めた。

“ えっ・・・・・?”

地面からは2メートルはある。
頭の先など見える筈はない。








童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

しづめばこ 4月29日 P555

2019-04-29 19:27:04 | C,しづめばこ


 しづめばこ 4月29日 P555  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”



大峰正楓の小説書庫です。
大峰正楓小説書庫


童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月28日 電話ボックス(5)

2019-04-28 18:33:42 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 4月28日 電話ボックス(5)




 窓の外にはいなかったのに、トイレ下の開かれた明り取りから女性のヒールを履いた足が見えたからだ。
 しかも今度はボックスを出て、トイレの壁を挟んだ真ん前に位置し、つま先が自分の方を向いていた。

“ えっ?えっ?どうして何で・・・・?”

彼は上の窓と下の明り取りの窓を交互に見ながら、必至に答えを探そうとした。
 その足はどう見てもちゃんと立っており、トイレの壁を挟んで自分と向かい合っていることになる。
 そして、驚く彼に向かって、

「 ねぇ・・・・。」

と、女性から語りかけてきたのだった。
 上の窓の高さは地面から2メートルはあり、当然顔は見えない。
女性の顔は、自分の腹ぐらいの位置にある筈だ。
 そして、また、

「 ねぇ・・・・。」

と声が聞こえた。
 彼は、

” 壁一枚を挟んだ向こう側に女性が立っている・・・。”

と思うと戦慄した。









童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月27日 電話ボックス(4)

2019-04-27 10:45:55 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 4月27日 電話ボックス(4)




 家の角を曲がりバス停の前にでると、ボックスに女性の姿はない。

“ あれっ・・・・・?”

辺りを見渡しても付近には深い闇が広がるだけで、誰一人いなかった。
 多分玄関から人が出る来る音を聞き、女性は急いで離れたのだろうと思い家に戻った。
明日はそっと家を抜け出し、場合によっては保護しようと決めた。

 翌日の晩、トイレの隙間から女性がいるのを確認し、今度はそっと家を出てバス停に行く。
でも、今度も昨晩のように女性は姿を消していた。

“ やばいな・・・・。
そんなに人を避けようとしているのだとしたら、相当思いつめているのかな。
やっぱり警察に任せようか・・・。”

 そう考えながら家に戻り、もう一度確認しようとトイレへ向かい、ついでに用を足そうとした。

“ やっぱりいないや・・・。”

彼はスエットに手を掛け、下を向いた瞬間凍りついた。









童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月25日 電話ボックス(3)

2019-04-25 09:24:06 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 4月25日 電話ボックス(3)



 翌日、同じように夜更かしした後にトイレに行くと、昨晩のように女性がいた。
昨日よりもじっと観察していると、その女性は本当に身じろぎもせず、少しうつむき加減でじっとたたずんでいる。
 ボックスのガラスに微かに顔が映っているのでそれで確認すると、眼を伏目がちにして寂しそうな面持ちである事が分かった。

“ 彼氏に振られたんだろうか・・・?”

それで思いつめてここに来たんだろうと想像して、その晩も床についた。
 そして、その次の晩もいるので、こりゃあいよいよ只事じゃないような気がしてきた。
こんな人気の無い離れた場所に毎晩女性がいるなんて尋常じゃない。
通り魔の現れないような山里としても、やっぱり危険であることに変わりないし、もしかして自殺に訪れ、踏ん切りが付かないまま付近を徘徊しているかも知れないからだ。
友人は警察に連絡する前に、自分で確認しようとトイレを出て、玄関からバス停に向かった。







童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月24日 電話ボックス(2)

2019-04-24 10:25:46 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 4月24日 電話ボックス(2)


 そして10月も半ばを過ぎ、山もそろそろ晩秋から冬の風景に移り変わる頃、夜更かしした友人はトイレに立ち小用を済ませようとしていた。
用を足しながら窓から電話ボックスを見ると、何時もは人のいないボックスに、一人の成人女性がコートを着て立っているのが見える。
 その女性は道路側を向いてたたずんでいるので顔は見えないが、綺麗なセミロングで、電話を掛けずに、ただずっと立ち尽くしていたそうだ。
友人は当然変だなと思った。
 午前零時を回り、終バスはとっくに終わっているのでバス待ちである筈が無く、付近に人の立ち寄るような場所もない。
でも、彼氏と待ち合わせでもしているんだろうと勝手に納得し、部屋に戻っていった。









童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月23日(火)のつぶやき

2019-04-24 07:53:42 | _HOMEページ_


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

しづめばこ 4月23日 P554

2019-04-23 19:58:20 | C,しづめばこ


 しづめばこ 4月23日 P554  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”



大峰正楓の小説書庫です。
大峰正楓小説書庫


童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月22日(月)のつぶやき

2019-04-23 07:53:51 | _HOMEページ_
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月21日(日)のつぶやき

2019-04-22 07:57:09 | _HOMEページ_


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月21日 電話ボックス(1)

2019-04-21 09:42:15 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 4月21日 電話ボックス(1)




 神奈川のある渓谷に友人宅があったんだけど、彼の家はバス終着場の真後ろにあって、
トイレからバス停とその横にある電話ボックスが見える位置にあった。
 対面には雑貨屋がある程度の本当に民家の少ない場所で、今では水銀灯で林道も照らされているけど、当時は夏場にキャンプに訪れる人がいるくらいのほかには、週末にラリーに興じる連中がちょこっと訪れるくらいの本当に寂しいところだった。
 特に夜の暗さは半端じゃなく、また林道も物凄く狭いうえに以前はガードレールもなく、車の事故が相次ぐところでもあった。
 それで、公衆電話のボックスは友人宅トイレのまん前に位置し、そのトイレの窓から5m程度の近さで、小用を足そうと前を向くと、話中の人がバッチリ見える位置関係だった。
 でも、元々人気の少ない場所でもあり、そうそう電話を使う人もいないので、何時も気にすることなく窓を開けていたそうだ。







童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月20日(土)のつぶやき

2019-04-21 07:55:52 | _HOMEページ_
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月19日(金)のつぶやき

2019-04-20 07:58:50 | _HOMEページ_


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月19日 趣味は登山

2019-04-19 09:51:20 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 4月19日 趣味は登山



 登山が趣味だった先生から聞いた話です。
北アルプスに仲間二人と冬山登山した時のこと、山小屋で一晩泊まるはずが、吹雪で三晩過ごす羽目になったそうです。
 夜になって、一人の登山客が転がり込んできました。
遭難しかけだったそうです。
雪が体中にかかり、寒さでブルブル震えていたそうです。
すぐ火の側に席をとってやり、暖かいものを出してやりました。

「 すぐ行かなきゃ・・・・。」

そう言う男の話では、

「 三人で登山に来ていて雪崩に巻き込まれ、二人が雪の下にいる。」

と言うのです。

「 気持ちは分かるがこの吹雪だ。
もう手遅れだろうし、今は自分を大事にしろ。」

そう言うみんなの言葉にも耳を貸さず、男はまた出て行こうとします。
 なおも引き止めようとすると、山小屋の主人が、

「 いや、あんたは行った方がいい。」

と言うのです。
 それを聞いて男はまた、吹雪の中へ出て行きました。

「 なんて馬鹿なことを言ったんだ。」

と言うと主人は、

「 気づかないのか。
入ってきた時も息が白くなかった。
部屋で暖をとっても、体の雪が溶けなかったじゃないか。
 あれは、この世の人じゃない。
未練があるなら、行かせてやれ。」

そう言われて初めて、ぞっとしたそうです。
 翌朝吹雪も晴れ、下山して通報しました。
捜索の結果、雪崩に巻き込まれた二人の遺体と、行き倒れた一人の遺体が発見されたそうです。

三学期を一週間も休んで山に登っていた先生が、お詫びに話してくれました。









童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月18日(木)のつぶやき

2019-04-19 07:06:12 | _HOMEページ_
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------