日々の恐怖 11月7日 解体屋さんの見たもの(1)
昔、解体屋さんでバイトをしていたDさんの話を聞きました。
解体屋さんは給料が良いってことでバイトとしては割が良かったのですが、今は力仕事はキツイので遠慮し、他の仕事をしています。
解体屋でバイトしてたんだけど家屋解体してると、いろんな変わった家や変わったもんが出てくる。
山の方の古民家とか、古い民家はアツい。
押入れの中に骨がギュウギュウに入ってたり、漆喰っていうか塗り物の壁の中に長い髪の毛が入ってたり、家の真ん中に入口のない部屋があってそこに小さい鳥居が立ってたり、結局は何でもかんでも壊してダンプに乗せて捨てちゃうんだけど。
余りにも気味の悪いもんや縁起モンは酒と塩かけて・・・、まあ結局は捨てる。
そんな中でもある日、某渓谷のとある古くからの豪邸を壊す仕事を持ちかけられた。
そして、俺は社長とその息子と一緒に、運転手として下見に行ったんだわ。
家の中の残置物とかの確認は見積もりする社長とその息子が見るから、俺は車外で週刊ジャンプを読んでた。
すると田舎に珍しい高級車が停まってるせいか、多分近所に住んでる婆さんが、
「 何しに来たの?」
って俺に話しかけて来た。
それで、
「 俺たちは解体屋で、この家を壊す下見に来たんだよ。」
って答えると、婆さんが、
「 ああ、この石の家を壊すんだねえ。」
って言った。
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