気分はガルパン、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その15 「正しくは丸山紗希です!!」

2013年11月28日 | 大洗巡礼記

 大勘荘に戻ったのは午後5時の少し前でした。部屋に戻って当日の行動成果を記録にまとめ、それから買ったグッズの整理などをしました。夕食時間にはまだ間があったので、横になって仮眠をとりました。
 一時間ほどで目が覚めたところへ、若主人がやって来て、「お風呂が沸いておりますので、宜しければどうぞ」と声を掛けてきました。お言葉に甘えてさっそくお湯を使わせていただき、程よく暖まったところで、ちょうど午後7時の食事の時間になりました。
 一階の食堂に行くと、準備してあった食事は私の席のみでした。おばさんが御櫃と汁物を置きながら、「他の皆さんは晩は外で召し上がるみたいですよ」と言いました。大洗には、夕食も出来る食事処が多いのですか、と尋ねると、「あることはありますけどね、殆どは呑み屋ですけどね」と答えてきました。


 大勘荘は、丸山紗希が居るだけあって、箸袋もガルパン仕様になっています。大洗には多くの旅館や民宿があって、ガルパンファン向けの宿泊プランである「ガルパン応援プラン」を実施している所も少なくありませんが、食事の際に出す箸袋がガルパン仕様になっているところは少ないそうです。しかもファンの方が作られたものだと聞きました。ロビーのグッズ類といい、部屋のプレートといい、よくやりますなあ・・・。


 しかも箸袋の裏面が笑えます。丸山紗希が「大勘荘・・、泊まるとこ」と呟いております。明らかにあの名台詞「薬莢・・、捨てるとこ」のパロディだと分かります。細かいところにもユーモアが散りばめられていて楽しいです。


 この日の夕食でした。これで一人分なのか、と唸るほどのボリュームでした。私は魚や貝の類が大好きなので、焼き魚やお造りがあれば、もう幸せになってしまいます。焼き魚は、銀ダラの照り焼きでした。素晴らし過ぎます・・・。


 特に美味しくて印象に残ったのが、このハマグリの御吸い物でした。最初は、おおきなアサリだなあ、と思ったのですが、アサリにしては殻や身の形が違うように思ったので、一つ食べてみて「あっ、これはハマグリか」と分かりました。これの御吸い物って、生まれて初めていただきましたよ・・。こんなに美味しいものなのか、と感動してしまいました。


 さらに若主人が、揚げたての小エビかき揚げを差し入れて下さいました。大きな塊が二つもあって、天然海塩がさらりとまぶしてあって、御飯にのせて食べるわけですが、なんとも言えない絶妙のサクサク感と、まろやかに広がる塩味とが御飯にマッチしていました。これだけで一杯いけそうだ、と思ったのですが、その通りにひと椀平らげてしまいました。もうほんとに旨いわけですよ・・・。


 とどめは、このハマグリの陶板酒蒸しでした。汁も御飯にかけてみて下さい、との事でしたので、ハマグリや野菜を食べた後に御飯に注いでみると、なにか雑炊に近い味になっていて、箸がどんどん進みました。結局、御飯は三杯もおかわりしてしまい、自分でも驚くほどの満腹感を味わいました。
 この食事をもう一度食べたい、またいつか大勘荘に泊まろう、と本気で思いました。


 食堂からロビーに移って、しばらくソファに座ってグッズ類を眺めました。玄関に立っていた丸山紗希も、ロビーに上がってグッズ類を並べたテーブルの横に移っていました。


 グッズ類は、ほとんどがファンの方々より寄贈されたものと聞きました。自作のイラスト類、写真画像、刊行物はもちろん、戦車の模型やキャラクターのフィギュアなどもあり、限定グッズなど、初めて見るものも少なくありませんでした。こんなのが出ていたのか、と感心してしまうアイテムもありました。缶バッジにおいても、今では入手不可能なものがありました。


 戦車の模型も揃っていました。大洗女子学園戦車道チームの戦車は、八輌ちゃんと揃っていました。現時点で私が作り終えた三式中戦車チヌもありましたが、塗装色が私のと同じ中島飛行機系濃緑色であったので、安心してしまいました。ただ、キットをそのまま組んでいるようで、私が色々と苦労して試みたガルバン仕様への改造は全くなされていませんでした。


 脇には1/12スケールと思われる大きなⅣ号戦車D型の模型も置いてありました。キューポラには、ねんどろいどの西住みほがしっかりおさまって「パンツァー、フォー」のポーズを決めていました。塗装があちこちで剥げており、グッドスマイルカンパニーさんの告知にあるように、ねんどろいどの塗装膜がデリケートであることがよく分かりました。私も同じものを持っていますので、取扱いに気をつけよう、と思いました。


 有名な、黒森峰女学園チームのマウスを撃破するシーンも再現されていました。戦車の配置や塗装や仕様がごっちゃになっていますが、もともとの展示はマウスとヘッツアーと八九式中戦車甲型の三台だけだったそうです。
 ポルシェティーガーや親善試合時のピンクの塗装のM3中戦車リーは、いずれもキットをそのまま組んでいるみたいで、ガルパン仕様への改造がまったくありませんでした。そのことは他の宿泊客も指摘していて、「こことこことここを作り替えて、ここの部品は省くんですよね」などと笑っていました。


 これは、あんこうチームのⅣ号戦車がマウスを今まさに撃破せんとするシーンですね。戦車って、こんな急勾配でもずり落ちないもんなんですかね。フラッグが優勝旗に替わっているのは、ジョークなんでしょうね。


 大勘荘の施設の一つ、南側の納屋兼倉庫の建物も戦車つきでリアルに再現されていました。良く見たら、大部分は紙で作られているんですね。再現度の凄さにびっくりしました。しかも「丸山荘」になってますよ・・・。
 確かにこの宿は、ガルパンファンのうちでは「丸山荘」と呼ばれて親しまれていますが、おばさんや若主人は、どうやら内心では困っておられるようです。若主人は「まあそう呼ばれるのも仕方ないかな」とボヤキ半分に言ってましたし、おばさんも「以前の一時期には「丸山荘」って呼ぶな、とあちこちに苦情を申し入れたんですよ」と話していました。
 それは当然だろうな、と私も思いました。「大勘荘」という名前は、その宿の正式な屋号であるので、これを「丸山荘」と呼ぶこと自体はあまり良いことではないと思うのです。

 実は私は、自身が奈良の古い民家や集落や商家の歴史的価値などを勉強した経緯があるため、大勘荘の敷地の広さと施設の有りようを見て、相当に古い歴史を持った旅館だろう、と感じておりました。ただの旅館ではなく、もとは網元とかをやっておられたのでは、と思いまして、そのことをおばさんに尋ねてみたのです。「大勘荘、というのは元は漁船か何かに因む屋号でしょうか」と。
 すると、おばさんは上機嫌になって、「そういう質問をされたガルパンファンのお客さんは、あなたが初めてですよ」と言いました。そして「漁船じゃないんですよ」と続けました。私が「昔の海岸線が、お宅の南口のすぐ近くまでのところにあったと伺いましたので、網元さんだったのかなと思いましたが」と返すと、「網元をやろうとした時期もあったらしいですけどね、もとは魚の加工業をやってたのよ。幕末だったか明治だったかの頃にね、鉾田あたりからやって来た大竹勘四郎という人が、ここで魚の干物を作ったりの加工業を始めたのがうちの始まりなの。その名前に因んで屋号を大勘荘としたんですよ」と教えてくれました。
 それを聞いて、やっぱり「大勘荘」の称は由緒ある歴史的な屋号だったんだ、と納得しました。おばさんや若主人が、その屋号に愛着と誇りとを抱いておられることを、ひしひしと感じました。

 「大洗町史」では、明治の頃までに鰯などの加工業が興されて盛んになった、とあります。それ以前に漁港の整備や廻船業の発展もあって、近世から近代までの大洗が漁業を中心に栄えた経緯が知られます。海水浴場を軸とする観光業への拡大は昭和の頃からだそうなので、それまでは漁業や魚加工業などが基幹産業であったことが分かります。当時の業者の目録などを見ると、村の有力者の多くが鰯加工業を営んでおり、地名に発する苗字と思われる大貫の他、大竹の姓も幾つか見られます。「大勘荘」の創業者となった大竹勘四郎もその一人だったのでしょう。
 いま、南側にある建物が納屋兼倉庫であり、その北の建物が冷凍庫だったというのも、もとが魚加工業であったことをよく物語っています。いま駐車場になっている広い敷地も、かつては干物などを作るために必要な空間であったと分かります。水戸藩や守山藩の治世下では、海防上の必要から海岸線の利用を限定的に定めていたとされますので、大勘荘の創業が幕藩体制の崩壊後の時期にあったことが、かつての海岸線に接する地割の様子からも偲ばれます。


 おばさんと色々話しているところへ、他の宿泊客が帰ってきました。昼間に部屋プレートを撮り合った方と、その奥さんでした。再び、ガルパンの話題で盛り上がりました。
 しばらくして、もう一組の宿泊客がチェックインしてきました。この二人もガルパンファンだったので、成り行きでロビーに宿泊客全員が揃って会話が弾みました。初対面の方とも気さくに話し合って楽しく過ごせる、というのもガルパンファンならばですね・・・。


 これはイラストレーターの瀬之本久史さんの直筆画です。熊本で活躍しておられる方で、ゲーム等の画像などの原案を手掛けていることで知られています。この方も大勘荘に泊まられたんですね。左がアヒルさんチームの四人、右がウサギさんチームの六人ですが、右の中心がしっかり丸山紗希になっているところが細かいですね。


 こちらは、ガールズ&パンツァーの製作スタッフの方々の直筆画です。左がキャラクター原案協力の野上武志さんの画で、アヒルさんチームの佐々木あけびを描いてあります。以前に行なわれたガルパンファンのバーベキューイベントに寄せて描かれたものだということです。右の画は五十鈴華で、「鈴木氏」はおそらくスーパーバイザーの鈴木貴昭さんでしょうね。どちらも絵が上手で素晴らしいです。


 ガルパントークも一段落して、落ち着いたところで、丸山紗希との記念撮影にのぞみました。夜は冷え込んできたので、私もガルパンジャージを着こんでいました。他の宿泊客に「そのジャージ、今でも買えるんですか?」と聞かれたので、「今でもムービックの通販サイトで買えますよ」と答えましたら、大喜びしていました。


 若主人から、大勘荘のガルパンキャラクター名刺を頂きました。三枚も差し出してくるので「一枚で充分ですよ」と言いましたら、「いや、これは三種類あるんですよ」と返されました。
 えっ、と改めて見ると、上画像の真ん中と右の二枚は、丸山紗希のポーズが違うんですね。そして左のは「丸山紗希」の「紗」が誤って「沙」になっているわけです。「この字が間違ってるやつは、ここにある分で御終いになりますんで、レア物なんだろうから、これも持っていって下さい」と言って下さいました。
 思わぬ幸運、と言うべきでしょうか。大勘荘のキャラ名刺を三種類も頂きました。誤字になってる名刺に関しては、「正しくは丸山紗希です・・・」とか言って、楽しく笑いのネタに出来そうですね。 (続く)
コメント (2)
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