塗装作業の続きです。後部フロート底面および舵、スクリューの塗装状況です。公式設定資料図等では陰になっていてカラーが分かりにくいのですが、とりあえずこのように仕上げました。
前部フロート底面です。土地色で覆っています。車体前端部にも土地色の部分がかかっています。
改めて全体像を各部分を取り外した状態で見渡してみました。
砲塔および車体前面の7.7ミリ機銃は28番の黒鉄色で塗りました。迷彩塗装部分には筆塗り特有のベタベタ感が残っていますが、Sさんによれば、実際の日本軍の車輌はたいていハケでの手塗りで塗装していたから、ベタベタ感も塗りムラも当たり前だったそうです。むしろ外洋の戦地では塗料が不足していたから、薄く塗ったままの戦車や、錆止め塗装だけで済ませている車輌もかなり見かけたそうです。
なので、エアブラシ塗装での綺麗な均一の塗膜には、違和感しか覚えないそうです。
ちなみにSさん達の艇はもとは横須賀工廠指定色の明灰白色に塗られていましたが、パラオ配備直後の海上行動にあたり青緑色に塗り替えています。乗員総出でモップやハケでベタベタ塗ったそうですが、どうしてもムラが出て、マダラ模様のようになっていた箇所もあり、塗料そのものも使い切ってしまったため、そのまま作戦行動に従事したそうです。
なので、実際のカミは、劇中車のような、模型のエアブラシ塗装のような、綺麗な塗装にはなっていないことが普通であったようです。
砲塔をセットした状態です。土地色の帯状迷彩は砲塔にもかかるため、そのマーキング塗装がもっとも手間がかかりました。
展望塔と通風筒をセットした状態です。対空識別用の白色が輝くほどに目立ちます。
車輪類の取り付けにとりかかりました。
誘導輪は、Sさんの教示によって装輪走行時の状態にするべく、一番下の位置にセットすることになりました。
転輪を取り付けた後、誘導輪を取り付けました。
接着剤が乾くまで上図のように置いて転輪と誘導輪が同じ高さに並ぶように調整しました。これが陸上での装輪走行時の状態であるそうで、誘導輪を少しでも上げると艇の前が浮き気味になって横揺れが発生するのだそうです。
あらかじめ28番の黒鉄色で塗っておいた、ベルト式の履帯パーツを装着しました。
起倒式旗竿も御覧の通り、キット指示のパーツのままセットしました。これは接着せずに差し込んであるだけなので、着脱自在です。
前照灯の内側を8番のシルバーで塗り、クリアパーツのレンズを取り付けました。
以上で塗装作業が完了しました。
最終章第2話において、西原の劇中車は上陸後もこの姿で行動していました。第3話でもこの姿のままでゆくのでしょうか。 (続く)