<鼻歌で散歩>

くも膜下出血で受け死にかけました。鼻歌を歌って散歩しながら体力つけて100まで生きるつもりです。

吾輩はゴキブリである

2008-04-06 20:35:32 | 吾輩はゴキブリである
次に隠居だ。隠居は三軒長屋の真ん中に住んでいる。頭は禿げている。六〇は超えているだろう。お神さんと二人で暮らしている。八の家に比べると裕福である。何しろ、テレビがある。新聞も毎日来る。

隠居の隣には熊という男が一人で住んでいる。熊は大工のようだ。毎日、仕事に出掛けている。八に比べるとずっとまじめである。

あれ、ゴキブリが

2008-04-06 11:57:18 | エコロジジイの落ちない噺
八「大変だ、大変だ」

隠「どうしたい、八、大慌てで」

八「おいらのことをゴキブリが書いてるんだ、下を見てくれよ」

隠「へぇ、ゴキブリがねぇ」

八「おいらのことをそそっかしいなんて書いてある」

隠「ゴキブリのくせに観察力がありますね」

八「それにしてもゴキブリが文章を書くなんて、世の中も変わったね」

隠「いや、まえにも、『高みの見物』という小説をゴキブリが書いてますよ。だから、珍しいことじゃありません」

八「へ、ゴキブリには文才があるんだね」

吾輩はゴキブリである

2008-04-06 01:05:34 | 吾輩はゴキブリである
吾輩はゴキブリである。夏目漱石の猫のように名はない。チャバネゴキブリである。褐色に光る肌はゴキブリ界の貴公子といっても過言ではない。

住んでいるのは、三軒長屋である。端から、八、隠居、熊という人が住んでいる。安普請の長屋なので、毎日、吾輩は適当に行き来している。

まず、八から紹介しよう。本人は植木職人といっている。しかし、家の外で働いている様子はない。大概、隣の隠居の家でテレビを見ている。なにしろ、八の家には何にもない。テレビもない。だから、隠居の家でテレビを見ている。

八の本名は八五郎なのだが、誰もそう呼ばない。ただの八だ。まるで、落語にでも出てきそうな名前である。性格も落語そのもので、そそっかしいことこの上ない。

八の家にはお神さんと娘さんがいる。お神さんは、毎日、働いている。結構稼いでいるようだ。そのおかげで八も、一生懸命働かなくてもいいのだろう。八とお神さんはいつも喧嘩している。娘さんは賢そうなお嬢さんだ。高校生である。粗忽者の八も娘さんの言うことだけは聞く。