銀城歌劇団楽屋日記

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1981年のスワンソング・感想後編

2016年03月20日 20時14分08秒 | 劇団楽屋日記
どもども。写真の猫3匹は勤務先に行く途中にあるビジネスホテルの非常階段兼従業員出入口のスペースにいるコ達なのですが、3匹で箱に収まっているのは珍しいので思わず写真を撮ってしまいました(いつもは2:1に別れて寝ている場合が多いので)

彼らが収まっている箱は多分近所の居酒屋関係の人が置いたのだと思うのだが、カリカリの餌をそばの駐車場に撒くのは止めた方がいいと思うんだけどね~、雨降った翌日はふやけて汚いし(従業員が下りてくると自分のせいじゃないのにヒヤヒヤするわ)

さて昨日に引き続き本の感想(ネタバレ有)↓

2014年からやってきたJ-POP好きの会社員・松尾俊介から提供された未来の名曲のお蔭で名実ともに一流アーティストの仲間入りをした崖っぷちデュオ・イエロープードル(以下、イエプー)は所属するマウンテンレコードのドル箱歌手となる

社内会議では全ての部署が集結して今後の活動展開が話し合われたのだが、人気絶頂の内に短いスパンで新譜をガンガン作らせ、終いにはポイ捨てしようとする上司・相葉とリリースとメディアの露出を控えて息の長いアーティストに育てたいと考える担当ディレクターの黒川小夜子が対立

過熱する言い争いに俊介の立場は・・・

う~ん、物語前半では俊介目線で話が進んでいたのにイエプーブレイク後はたちまち小夜子に話のクライマックスを横取りされてしまったのがハッキリ言って残念と言うか情けないと言いますか、正直こう言う展開にするのだったら小夜子を主人公にして「嫌みな上司と対立する窓際女ディレクターが未来から来た謎の男性ミュージシャンと手を組んでヒット街道をばく進して行く物語」にするか、話を俊介サイドと小夜子サイドに分けて違う視点から交互に話が進んでいく形式にした方が良かったんじゃないかなぁ、と

実際俊介はブレーンと言うものの実務的な事には一切タッチしてないし、かと言って自分から創作的な事も全然していないので(学生時代にバンドを組んでいたのも音楽関係の仕事に就きたかったからではなく単に女子にモテたかっただけだし)結局イエプーブレイク計画には傍観者的な立場でしかないんだよね…

終盤、ある事情でマウンテンと決別してからは再び俊介中心に物語が動き始めるのだが、物語中一番の美味しい所を持っていかれてしまった感は否めないなぁ…

それにしてもつくづく小夜子はひどい女と言いますか俊介を散々自分のために利用した挙句、いざ俊介に告られたらこれまた身勝手な理由で振っちゃたり

だけど33年前は(今もだけど)女性が売り上げを最も左右する部署で男性と肩を並べて働くとなったらこれ位したたかでないと生き残れないんだろうな…そんな女に惚れる俊介も俊介だけど(この展開を見てもしかしたら2人は同作者著「編集ガール!」の久美子と学みたいになんのかなと思ったのだが、結局ならなかったし)

あとタイムスリップ物にはタイムパラドックスが付き物だが、未来の曲を81年に持ってってその後歴史がどう変わったかと言う事には一切触れられていなかったもの不満だったと言いますか、実在の人物が出てくるシーンは本人達の声が脳内再生できちゃうほど上手く書けてたのにSF考証とかは苦手なんだろうな…この方は(多分)

そんなこんなで寿ぶりに面白い本に出会ったと思った半面、不満タラタラの部分もあった同著ですが、良かった点をもう一つ上げるとしたらこの話ではディレクターと言う仕事がどんな役割を果たしているのかを詳しく知る事ができたのが良かったですね

ディレクターと言うと真っ先にBUCK-TICKとの付き合いが長いT氏を連想するのですが、文中の小夜子と相葉の対決シーンを読んでる際には「もしかしたらB-Tが●―キュリーに移籍する際もT氏と●クターの上層部との間でこんなせめぎ合いがあったのかしら?」と急に生々しく感じてしまったと言いますか(流石に幹部に鉄拳は喰らわさなかっただろうけど)、どこのレコード会社にも所属しないフリーのディレクターと言うのはかなりの実力がないと務まらないと言う事も解り、改めてB-Tは凄い人と巡り合ったんだなと思いましたね

さて、●クターに再び帰り、T氏と組んで作る新アルバムは一体どんな感じになるのかな・・・と

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