銀城歌劇団楽屋日記

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「サーカスの子」感想・後編

2024年05月26日 20時49分16秒 | 劇団楽屋日記

どもども→去年の今頃は異空ツアー@パシ彦でしたがTL上では'19年のロクスソルス@幕張を回想している人も多かったですね(今日は丁度2日目の日)

あのコンはEN1の本格的アコースティック仕様の編成が斬新かつ印象的だったと言いますか、ステージ中央から伸びた花道の先端までメンバーが客席の間を行進して移動する演出も珍しかったですし(今井先生曰く「プロレス入場」)🐱 🐰 🐶 🐻 🐔

第二期でもギターズセッションしてくれないかな? 🎶 🪕 🎶

昨日の続き→同書籍において私は昭和のサーカスが持つほの昏さの正体に触れた気がしたと書きましたが、それはサーカス村と言う社会及び共同体しか知らない芸人達が実社会に出て直面した芸を極める事以上に厳しい現実に適応できず悲惨な末路を辿ったのもさることながらサーカスは私達が思っている以上に生と死が隣り合わせの場所だと言うのが文面からも伝わってきたからですね

特にキグレサーカスは'77年にスター道化師のK氏が綱渡りの実演中に転落死し、翌年にはノンフィクション作家の草鹿宏氏が彼の半生を「翔べイカロスの翼」と題して書籍化、後年歌手のさだまさし氏が同書籍をさだ氏主演&キグレ全面協力で映画化している歴史があるのですよね→ちなみに同映画の主題歌が「道化師のソネット」で、発表後はキグレで出演者が舞台に勢揃いするフィナーレで使用されるEDテーマとなった 🤡 🤹 🐎 🎊 🎩 

あとK氏の事件と前後して女性芸人のH氏が宙吊りの演技中に同じく芸人の夫と幼い息子を残して転落死する痛ましい事故が起きており、夫のS氏は妻を亡くしたショックから酒浸りになり、退団後に故郷で寂しく亡くなったと言うエピには何とも言えない気持ちになりましたね(悲嘆にくれるS氏とは対照的に、息子はある団員から「お母さんは?」と聞かれたら「あそこ」とテント内の仏壇を指差したエピも載っているのだが、キグレで団員の死者が出たのは長い歴史の中でもこの二人だけだったそうな)

現代の興行では出演者に事故が起きたら翌日の公演は中止→場合によっては全公演中止でチケットは全て払い戻しと言う流れがすっかり慣例化してますが、著者の稲泉氏の話ではキグレでは演技中にに死者が出たとしても翌日は公演中止にせず、前日と同じ時間に何事もなかった様に開演するのが当たり前だったそうな

それでも文中には同僚の事故を目の前で見てしまい、数年たってからパニック障害的な症状に悩まされた団員もいたのだが、この頃は不意のトラブルに対応した興行中止保険制度(ググるとちゃんとそういう制度があるのですね)もなく、例え仲間が死んでもそれを理由に休演してしまってはサーカスと言う共同体その物が維持できなくなるから生も死も全て内包して終りなき非日常をひたすら突き進んでいくしかないと言う正に仮面の下で泣き笑う覚悟が舞台に一抹の影を投げかけてるな、と思いましたね(だけど結局キグレは経営の近代化に失敗し'10年に倒産→解散してしまうのですけどね)

最後に、私は同書を読む際ずっとBUCK-TICKの「LOVE PARADE」を再生していたのですが、読み進めていく内にあちこちにあっちゃんの歌詞とリンクする所があり切なさ倍増と言いますか、同書のお供にはぜひラブパレをお薦め・・・します

 

コメント
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