杉並区長 下高井戸児童館 廃止へ 存続公約も「すでに改修予算化」
2022/11/10 07:13
東京都杉並区の岸本聡子区長は九日の記者会見で、公約だった区内児童館の再編計画見直しを巡り、下高井戸児童館については、区の従来方針通り廃止を認めることを明らかにした。十六日開会の区議会定例会で関係条例の改正案を提出する。同児童館は改修のための予算措置などがとられていることを理由に挙げた。
区内に四十一館あった児童館の再編は二〇一四年度に始まり、廃止は十五カ所目となる。七月に就任した岸本区長は、区長選で「以前と同じ数に戻す」などと訴えていた。
下高井戸児童館の施設は来年三月末で休館して改修し、同九月〜十月に開設する乳幼児向けの「子ども・子育てプラザ」に転用する。すでに一七年に学童機能が地元小学校に移転しており、今回の条例改正で小中高生の交流拠点機能も学校や複合施設に分離させる。
岸本区長は会見で廃止理由を「本年度に(設計の経費が)予算化されている。放課後の居場所事業などで(交流機能を)反映させる」と説明。一方で残る二十六館については「廃止の方向を変えたい。区民の話をしっかり聞いて考える」と述べた。区は年度内に児童館も含めた総合的な区立施設の再編計画について、区民への無作為アンケートを実施する方針。
区内の児童館は学童クラブと零〜十八歳の交流拠点の機能を併せ持っていたが、学童利用者の増加などで手狭になり、区は機能分散を図ってきた。(原田遼)