首相、第7波でも会食継続、参加者に抗原検査も
2022/07/28 18:52
(産経新聞)
新型コロナウイルス感染の第7波が続く中、岸田文雄首相が夜の会食を続けている。首相は感染拡大防止と社会経済活動の両立を掲げており、参加者に事前の抗原検査を求めるなど感染防止策を講じたうえで会食に臨んでいる。一方、官邸では松野博一官房長官や首相秘書官らの感染も相次いでおり、感染の脅威は首相の周辺にも迫りつつある。
首相は28日夜、都内で会食した。25日から4日連続。27日夜の武藤敏郎元東京五輪・パラリンピック組織委員会事務総長や松本吉郎日本医師会会長らとの会食は、首相の激励を目的に行われ、首相は「政治の世界は大変だが、頑張りたい」と語ったという。
過去の感染拡大局面では首相が会食出席を見合わせることもあったが、首相周辺は「行動制限をかけた第6波の時とは違う。今はウィズコロナだ」と語る。「会食で感染が広がるエビデンス(科学的根拠)がない」(政府関係者)とされていることも背景にある。
官邸関係者によると、これまで感染防止を目的に、首相と首相秘書官らは週に2回程度、抗原検査を行っていた。現在は首相との会食の参加者に事前に抗原検査キットで陰性を確認してもらう対策も講じている。
一方、官邸内では15日に中谷元・首相補佐官、23日には松野氏、27日には宇波弘貴首相秘書官の感染が確認された。
海外ではバイデン米大統領をはじめ首脳も感染しているが、日本の首相は例がない。首相が感染すれば政権運営に支障が生じる可能性があるだけに、感染防止の徹底が求められそうだ。(野村憲正、中島康裕)