はなうたまじりにひとりごと

私視線で、観て聴いて♪素直に気ままに我儘に。主に宝塚の舞台のこと、その他諸々?についてお喋りを。

市川に行ってきました。中

2011-04-26 23:59:11 | Weblog
そんなわけで、
プガ氏の底の知れない感じも、イメージが違っていました。

私は、かつて、赤い屋根の仮設劇場で観て以来、
映像も観てないんじゃないかと思うので…
いや、観たかもしれないけど、それ自体がものすごく昔なので、
勝手にイメージを作り上げてるかもしれませんが、
マミちゃんのニコライは、いつ、プガ氏にぶっ飛ばされてもおかしくない、と思いながら観ていた。
特に、馬車の場面みたいに、近くにいると(笑)。

気のいい感じのプガ氏であるほど、それだけに、風向きが変わったら、
ぶんっと拳が飛んで来そう。
その、はらはら感がまた、よかったんですよ。

そうだな…一種、がき大将と真面目な育ちのよい少年、みたいな間柄みたいに感じていました。
不思議な力関係は、二人の中にある純粋さみたいなところが呼応して、成り立っている…ような。

今回、それがまるで違う、とは言わないのですが、
少なくとも、音月さんニコライは、プガ氏にぶっ飛ばされちゃうんじゃないかという心配は、しないで観ていられました(笑)。

拳は飛ばないにせよ、
逆に、あのシャープな中に、得体のしれないものを抱えてるような感じがしていました。
ずっと何かを考えているようで…
リカさんのプガ氏が、鋭い感性でかぎ分け、進んで行く感じだとしたら、
まっつ氏のプガ氏は、かなり冷静に分析をしながら進んで行くようなイメージ。
どこかに、常に油断せずに目配りをし続けている。

ニコライとの会話の中にも、そんな空気はあって、
ニコライの考えを、注意深く聴いたり、観察したり、という鋭い眼差しを、常に感じました。
リカさんプガ氏と、まっつ氏プガ氏とでは、使う五感が違っていそう…というのが、
私が感じたことを一言で表せることかもしれない。

で。
ですね。
そんなまっつ氏の素敵だったところ。
私のナンバーワンは、馬車の場面でした。

どう素敵だったって…
ふふふ……
馬車に並んで座ってる二人。
向かって下手側に、プガ氏がおられるわけですよ。

話をしながら、色んなことを思われているらしい、プガ氏の、
手の動きが、ものすご~~~~く、好きでした!
馬車の天井に手をかけたり、あの毛皮の帽子に触れたり…
そしてその表情と……
何だか、きゅんとさせられる色香があるんだよねぇ。

もう、ずっと馬車に乗っててもいいッ!
(え?マリアはどうなるの?)

あとは…
「俺は、皇帝だっ!」
と凄んで、マントをばっと翻しながら、手を広げるところ、とか。
(めっちゃ、ピンポイントっ!(笑))
こういう仕草が、本当に、プガ氏を大きく見せる…
はっとさせられるし、思わず、対した人が、納得してしまう力がそこにある。
わぁっ。技術だなぁ…と思った。

糊の利いたワイシャツみたいに、
要所要所で、ぴしっと折り目が通っている…
そんな印象を与える男役さんって、やっぱりいいなぁ。


それにしても、
まさか、自分が、この観劇で、こんなに泣いちゃうとは思わなかった。
物語は、およそ知ってるんですよ?
でも、知ってるからこそ泣ける、という感覚が、とても不思議でした。

こんなときに、私のタオルはロッカーの中なんですよ。
だって私は、無料ロッカーを見たら、荷物を押し込みたい人なのです。

まず、荷物が多い人だし、
バイトに行く予定があったから、その支度もあり、
更に、時間に余裕があったらやりたい作業もあったから、その用具一式も持っていた。
そのくせ、私自身はでかいわけです。
荷物が、どうしても邪魔になるんですよ。

今日も、バイト先で、元同じ売場の男の子に身長を聞かれ、
答えるとその子は黙ってるので、聞いてみました。
「その間(ま)は何?」
「…でかいですね」
って言うので、
「知ってる」
って答えておきました。
…でも、自分では見えないから、写真で見るとびっくりするんだよね。

そのサイズだから、
手荷物を足元に置かずに済むと、とても楽なんです。
昔は、青年館では、必ず利用していたもんです。

だから、今回も、ロッカーを見て、
喜び勇んで、利用したのですが、
そこに、
「もう間もなく開演です!」
というお兄さんの声が…。
時計を見たら、開演1分前くらいで…
慌ててしまった結果、タオルを取り出すのを忘れたのです。

席に着いて、
しまった!と思いましたが、後の祭り。
でも、ストーリーは知ってるし、泣くことはないか…
と思ったら、大間違いよ~♪

タオルが無いもんだから、
顔がどろどろになってはいけないと思うじゃない?
そしたら、お鼻がぐずぐずになる泣き方になり、
むしろ周囲には迷惑、という結果に。
完全に失敗です。

これからご覧になる方は、
油断なさらずに、ハンカチをお忘れなく。

何に泣けたって、
まずは、ニコライがマリアを護って、裁判で申し開きをしないところでしょ。

そして、ニコライとプガ氏の最後の対面のところでしょ。
ここは、プガ氏が去ったところで、思わずわきあがる拍手がありました。

そして、マリアと女帝の対面のところ。
女帝、とってもよかった!
多分、私が今まで観たみどりちゃんの役の中で一番好き。

幕開きから、いい存在感で、おおお♪って思ったんだけど、
このマリアとのやり取りは、これがまた、本当によかった。

この役は、初演の時も、非常に印象深くて、
千紘さんが、神々しく見えたものでした。

しかし…
色んな意見はあるかもしれませんが、
私の中では、みどりちゃんは、それを超えて来た…!

綺麗で、華やかで、スケールが大きくて、
しかし、「女であることを」みたいな台詞が、こんなにも艶やかで、
そこに、とても魅き付けられ…

千紘さんの女帝は、今思うと、
夫を亡くした後、自らが男にもなって、国を護っている印象がありますが、
みどりちゃんの女帝は、女ゆえに…
女の直感みたいなものを操りながら、国を護っているみたいな雰囲気を感じました。

そして、取り巻きの杏奈ちゃんがまた…
本当に素敵だったらありゃしない。
頭が切れる女たちだからこそ、成り立つ何かを感じる。

物語上のバランスが、お伽話の空気をはらんで、
私は、観ていて楽しかったのです。


つづく。