役者さんの呼吸。
目で芝居をする、というのがありますが、
呼吸で芝居をする、というのもあるでしょう。
役者さんが、どう息を吸って、止まって、吐き出すのか…
それが、観ている側に与える感情は、本当に無意識に、じわじわとしみてくものだと思う。
あそこの、役者さんの目が忘れられない…
というのは、鮮明に焼き付くけれど、
あそこの、役者さんの息遣いに、キュンとして…
なんてことは、殊更に残らないでしょ。
あんまり聞かないコメントだ。
最近思うのは、
しかし、上手い役者さんは、この呼吸の使い方が非常に巧みで、
気付かぬうちに、観客はその呼吸に乗せられて、運ばれてしまうんだ…ということ。
一緒に呼吸をして、その役の感情をそこから味わう。
逆にいえば、
呼吸が合わない役者さんには、
その役者さんがいかに、技術の高い台詞回しやら、表情やらをしていても、
入り込んで行くことが難しいんだなぁ…。
いわゆる、名優さんは、万人の呼吸を味方につけられるのではないだろうか。
それを感じる感じないは、人によって差があるんだと思うけれど、
割に、私の場合は、そこに拠るものは大きいのかもしれない。
蘭ちゃんという役者さんは、
私にとって、どうやらそういう相性がよい役者さんであるらしいのだ。
以前から、
何が、気付かぬうちに感情がシンクロしたみたいにさせるんだろうと、
思ってはいた。
私には、あんまり、そういう役者さんは多くないのに、
中でも、蘭ちゃんのシンクロ率の高さみたいなものは、昔から群を抜いていた。
…だからこそ、滅多に観なかった花組さんで出会い、
滅多に観ないのに、ずっと惹かれてきた役者さんなのでしょう。
蘭ちゃんは、
割に、普段から会話に呼吸が入ってくる人です。
喋りますよ?喋るんだけど、全部は言葉に変換されなくて、
どうも、後は、呼吸で語ってるような感じがする。
何だそりゃ?
と思う方が、ほとんどかと思いますが、
中には、なるほど…と実感してくださる方もいらっしゃるんじゃないかなぁ。
そういう役者さんなので、
蘭ちゃんと呼吸が合う観客は、かなり深いところに運んで行かれることになるんだろうと。
それが、最近の私の分析です。
例えば…
「ザ・クラシック」の、ショパンとジョルジュ・サンドの場面。
二人が舞台上からいなくなって、取り残される、運命。
最後に、
「フレデリック・ショパン、享年38歳…」
と言った後の、運命蘭ちゃんが、どんなだったか、
記憶に残っておられる方も、いらっしゃることでしょう。
私は、あの息遣いにドキッとして、引き込まれる人。
一方では、あれがダメだという方もいらっしゃるかもしれない…
「合わない」とは、そういうことですね。
で?
何を語りたいかというと、
「琥珀…」の新人公演の映像で、私が一番…
一番…何って言ったら、いいんだろうな?
見終わったら、そこしか頭に残らなかったのが…
シャロンと二人、青列車に乗って、
マジョレ湖に、琥珀色の雨を見に行こうとする、クロード。
二人は、青列車の時間まで、待合室で時を過ごす。
クロードは、シャロンに言います。
「抱きたい」
よくも、シャロンは、拒否できたなぁ…
私は、翌日まで、この「抱きたい」に、骨抜きにされたのでした。
他の場面も、台詞も、芝居も、全部がいきなり遠退き、
するりと身の奥に滑り込んできた「抱きたい」だけが、
そこに根をおろして、甘い吐息を吐くような。
どちらかというと、口説くというより、せがむ感じで、
物凄くナチュラルに、無邪気さすら伴って、クロードの口から滑り出たこの言葉は、
むしろ、とんでもなく色っぽかった。
色っぽい?
…というより、もはや、エロ……
私は、クロードの呼吸にのまれて、
そこにあるクロードの欲望みたいなものまでが、一気に飛び込んできたように感じたのだ。
うわっっっっ!!
思わず、画面から、目をそらし、胸を押さえた。
これは、いいのか?
抱きたいって、あんた、こんなところで???
抱きたい、のレベルも、ボルテージも、針が振りきれ、
勢い余って、ぐるぐる回っていた。
奥に守りしまわれている、一番敏感な部分を、
前触れなく、すっと撫で上げられたような気分…
不意に、体温を感じるみたいな、感覚…
ああ、びっくりした。
なんてことしてくれるんだ!
しかし、どうなんだろう?私も、反応しすぎか…(苦笑)
呼吸が、合わない人からみたら、
多分、何をそんなに喜んでるやら?
って思うくらい、どうってこともないシーンだろうなぁ。
たがとにかく、この「抱きたい」の話(笑)を書きたいがために、3日かけて、書いてきたという…
それだけ、衝撃的かつ刺激的だったのでありました。
バカだな…私……(笑)。
それだけ気に入ってたら、
さぞかし、リピート×100してそうでしょ?
しかし、何度も見て慣れちゃうのも勿体ないので、
初めて見た時に感じた感覚を大切に、脳内保存…つまり、
全く見直すことが、出来ずにおります(笑)。
目で芝居をする、というのがありますが、
呼吸で芝居をする、というのもあるでしょう。
役者さんが、どう息を吸って、止まって、吐き出すのか…
それが、観ている側に与える感情は、本当に無意識に、じわじわとしみてくものだと思う。
あそこの、役者さんの目が忘れられない…
というのは、鮮明に焼き付くけれど、
あそこの、役者さんの息遣いに、キュンとして…
なんてことは、殊更に残らないでしょ。
あんまり聞かないコメントだ。
最近思うのは、
しかし、上手い役者さんは、この呼吸の使い方が非常に巧みで、
気付かぬうちに、観客はその呼吸に乗せられて、運ばれてしまうんだ…ということ。
一緒に呼吸をして、その役の感情をそこから味わう。
逆にいえば、
呼吸が合わない役者さんには、
その役者さんがいかに、技術の高い台詞回しやら、表情やらをしていても、
入り込んで行くことが難しいんだなぁ…。
いわゆる、名優さんは、万人の呼吸を味方につけられるのではないだろうか。
それを感じる感じないは、人によって差があるんだと思うけれど、
割に、私の場合は、そこに拠るものは大きいのかもしれない。
蘭ちゃんという役者さんは、
私にとって、どうやらそういう相性がよい役者さんであるらしいのだ。
以前から、
何が、気付かぬうちに感情がシンクロしたみたいにさせるんだろうと、
思ってはいた。
私には、あんまり、そういう役者さんは多くないのに、
中でも、蘭ちゃんのシンクロ率の高さみたいなものは、昔から群を抜いていた。
…だからこそ、滅多に観なかった花組さんで出会い、
滅多に観ないのに、ずっと惹かれてきた役者さんなのでしょう。
蘭ちゃんは、
割に、普段から会話に呼吸が入ってくる人です。
喋りますよ?喋るんだけど、全部は言葉に変換されなくて、
どうも、後は、呼吸で語ってるような感じがする。
何だそりゃ?
と思う方が、ほとんどかと思いますが、
中には、なるほど…と実感してくださる方もいらっしゃるんじゃないかなぁ。
そういう役者さんなので、
蘭ちゃんと呼吸が合う観客は、かなり深いところに運んで行かれることになるんだろうと。
それが、最近の私の分析です。
例えば…
「ザ・クラシック」の、ショパンとジョルジュ・サンドの場面。
二人が舞台上からいなくなって、取り残される、運命。
最後に、
「フレデリック・ショパン、享年38歳…」
と言った後の、運命蘭ちゃんが、どんなだったか、
記憶に残っておられる方も、いらっしゃることでしょう。
私は、あの息遣いにドキッとして、引き込まれる人。
一方では、あれがダメだという方もいらっしゃるかもしれない…
「合わない」とは、そういうことですね。
で?
何を語りたいかというと、
「琥珀…」の新人公演の映像で、私が一番…
一番…何って言ったら、いいんだろうな?
見終わったら、そこしか頭に残らなかったのが…
シャロンと二人、青列車に乗って、
マジョレ湖に、琥珀色の雨を見に行こうとする、クロード。
二人は、青列車の時間まで、待合室で時を過ごす。
クロードは、シャロンに言います。
「抱きたい」
よくも、シャロンは、拒否できたなぁ…
私は、翌日まで、この「抱きたい」に、骨抜きにされたのでした。
他の場面も、台詞も、芝居も、全部がいきなり遠退き、
するりと身の奥に滑り込んできた「抱きたい」だけが、
そこに根をおろして、甘い吐息を吐くような。
どちらかというと、口説くというより、せがむ感じで、
物凄くナチュラルに、無邪気さすら伴って、クロードの口から滑り出たこの言葉は、
むしろ、とんでもなく色っぽかった。
色っぽい?
…というより、もはや、エロ……
私は、クロードの呼吸にのまれて、
そこにあるクロードの欲望みたいなものまでが、一気に飛び込んできたように感じたのだ。
うわっっっっ!!
思わず、画面から、目をそらし、胸を押さえた。
これは、いいのか?
抱きたいって、あんた、こんなところで???
抱きたい、のレベルも、ボルテージも、針が振りきれ、
勢い余って、ぐるぐる回っていた。
奥に守りしまわれている、一番敏感な部分を、
前触れなく、すっと撫で上げられたような気分…
不意に、体温を感じるみたいな、感覚…
ああ、びっくりした。
なんてことしてくれるんだ!
しかし、どうなんだろう?私も、反応しすぎか…(苦笑)
呼吸が、合わない人からみたら、
多分、何をそんなに喜んでるやら?
って思うくらい、どうってこともないシーンだろうなぁ。
たがとにかく、この「抱きたい」の話(笑)を書きたいがために、3日かけて、書いてきたという…
それだけ、衝撃的かつ刺激的だったのでありました。
バカだな…私……(笑)。
それだけ気に入ってたら、
さぞかし、リピート×100してそうでしょ?
しかし、何度も見て慣れちゃうのも勿体ないので、
初めて見た時に感じた感覚を大切に、脳内保存…つまり、
全く見直すことが、出来ずにおります(笑)。