「父さん、起きて。朝だよ。」
「うそだ。まだ夜だ。」
「いや、あの、朝だよ。手紙読んだ。ありがと父さん。」
「あらそ?わざわざごめんね、ありがと。おやすみ。」
「いやいや、起きてよ父さん。反応薄!」
「今日は仕事を休みにしたんだよ。寝かせてよ。」
「休みなの?」
「休みだよ、お前卒業式じゃろ?」
「だから…起こしに来たんだけど。」
「じゃあ……あと8時間だけ寝かせて?」
「父さん。式が終わります。」
「いやだいやだいやだいやだ。」
「父さん、手紙をありがとう。悲しませたり心配かけたりでごめんね。俺も父さんの息子で良かった。父さんはいつでも俺の傘になってくれてた。感謝の気持ちは今日の式での態度で表します。」
「うん。じゃ、二度寝していい?」
「ダメ!」
そんなこんなで起こされた。
いい式だった。
君がここでどんな会話をしていたのか。
君がここでどんなコトを考えていたのか。
君がここで何を学んでいたのか。
君のことで、僕が知らないことが増えてきた。
それで健全。
それで正解。

立派な態度で表してくれた。
証書を授与され、花を親に渡す。
僕が受け取った。
他の子たちはお母さんに「ありがとう」とか無言で渡してる。
こいつは何を言うのかと思っていた。
僕も深々と、キチンとお辞儀をした。
ヒソヒソ話しが始まる。
(父さん、今夜…ヒソヒソ…カレーは…)
(え????)
(カレーは…ヒソヒソ…俺が…)
(え?なに?カレー食べたいの?今言うのそれ?)
(ちがう!今夜は俺がお金払うから食事に行こう!お礼をしたいから、貯めてたの!)
(お金ね!カレーじゃないのね!後で話そう!おめでとう!)
いやぁ、驚いた。
カレーって。
突然カレーなんて言うキャラじゃないのは分かってたから驚いたぜ。
(くいしんぼキャラ???え?なに?意味わかんない!)
焦ったよね、かなり。
君は、ひたすら君のままで良い。
立派な人間なんて目指す必要もない。
立派な行いだけしてれば、それでいいんじゃないのかのう?
立派な行い。
わからん。
とりあえず、誰も見てないのにチャリンコを起こすような人は立派な気がする。
ので、僕はそれをする。
誰も見てなくてもゴミを拾う。
そんなもんでよかろ。
卒業おめでとう。
まだ僕には、君を守ってくれてる透明マントが見えてる気がするよ。
君が小さい頃、
「君にあげる。だから、もう大丈夫。」
そう言って君につけてあげた無敵の透明マントが、君を守りぬいてくれた!
君の息子に継いでやれ。
父さんは君のことが、きっと、ずっと大好きです。
押忍。

「うそだ。まだ夜だ。」
「いや、あの、朝だよ。手紙読んだ。ありがと父さん。」
「あらそ?わざわざごめんね、ありがと。おやすみ。」
「いやいや、起きてよ父さん。反応薄!」
「今日は仕事を休みにしたんだよ。寝かせてよ。」
「休みなの?」
「休みだよ、お前卒業式じゃろ?」
「だから…起こしに来たんだけど。」
「じゃあ……あと8時間だけ寝かせて?」
「父さん。式が終わります。」
「いやだいやだいやだいやだ。」
「父さん、手紙をありがとう。悲しませたり心配かけたりでごめんね。俺も父さんの息子で良かった。父さんはいつでも俺の傘になってくれてた。感謝の気持ちは今日の式での態度で表します。」
「うん。じゃ、二度寝していい?」
「ダメ!」
そんなこんなで起こされた。
いい式だった。
君がここでどんな会話をしていたのか。
君がここでどんなコトを考えていたのか。
君がここで何を学んでいたのか。
君のことで、僕が知らないことが増えてきた。
それで健全。
それで正解。

立派な態度で表してくれた。
証書を授与され、花を親に渡す。
僕が受け取った。
他の子たちはお母さんに「ありがとう」とか無言で渡してる。
こいつは何を言うのかと思っていた。
僕も深々と、キチンとお辞儀をした。
ヒソヒソ話しが始まる。
(父さん、今夜…ヒソヒソ…カレーは…)
(え????)
(カレーは…ヒソヒソ…俺が…)
(え?なに?カレー食べたいの?今言うのそれ?)
(ちがう!今夜は俺がお金払うから食事に行こう!お礼をしたいから、貯めてたの!)
(お金ね!カレーじゃないのね!後で話そう!おめでとう!)
いやぁ、驚いた。
カレーって。
突然カレーなんて言うキャラじゃないのは分かってたから驚いたぜ。
(くいしんぼキャラ???え?なに?意味わかんない!)
焦ったよね、かなり。
君は、ひたすら君のままで良い。
立派な人間なんて目指す必要もない。
立派な行いだけしてれば、それでいいんじゃないのかのう?
立派な行い。
わからん。
とりあえず、誰も見てないのにチャリンコを起こすような人は立派な気がする。
ので、僕はそれをする。
誰も見てなくてもゴミを拾う。
そんなもんでよかろ。
卒業おめでとう。
まだ僕には、君を守ってくれてる透明マントが見えてる気がするよ。
君が小さい頃、
「君にあげる。だから、もう大丈夫。」
そう言って君につけてあげた無敵の透明マントが、君を守りぬいてくれた!
君の息子に継いでやれ。
父さんは君のことが、きっと、ずっと大好きです。
押忍。
