帰りの新幹線。
三人がけの席が行きも帰りも満席で、僕と千田くんが座っていたところに赤ちゃんを抱っこしたお母さんが乗ってきた。
大きな荷物を背負い、トートバッグを持ち、赤ちゃんを抱く。
どう見たってパワフルそうじゃない。
僕と千田くんは席を譲り、通路側の出入りしやすい席にお母さんが座った。
「ありがとうございます。」
「全然。ベロベロバー。」
「あやし方が古いっすねぇ〜。めんこいごど。」
「めんこいなぁ。」
「めんこい。」
その子はニコニコでした。
赤ちゃんはどうしたって泣く。
暑けりゃ泣くし、寒くても泣く。
眠くても泣くし、腹減って泣く。
泣く声に対して、お母さんは過剰に反応して立ったり座ったり。
子どもが泣いたくらいで咳払いをするようなオジさんにはなりたくない。
いつもと違けりゃ楽しくもなるし、テンションもあがる。
アホみたいに躾がなっていないのは親に対してどうかと思うけど、周りのそういう目が子育てなどをしにくくさせているのではなかろうかね。
出かけない方が楽だ、となってしまったらば、お母さんもだがその子もかわいそうだ。
団員へ。
団則の追加でやんす。
ベビーカーには道を開けてやれ。
エレベーターのボタンも押してやれ、ダッシュで。
少しの間でも荷物を持ってやれ。
お母さんに席や道や順番を譲れ。
赤ちゃんは国の宝だと知れ。
グズってたらあやしてやれ。
アメでもガムでも持ち歩け。
小さな子には、率先して手を振り挨拶をしろ。
怪しく見えても怪しい奴ではない。
挨拶のない世の中に、子どもらを放り込んではいけない。
礼など求めず、日々、焦点を絞って誰かの役に立てよ。
「おい、クソジジイ。てめぇの嫌味くさい咳払いの方がうるせぇんだコノヤロー。」
といつでも言える準備を。
「なんだテメー?」
と言われたら、
「青空応援団だ」
と名乗って構わない。
彼女らを応援しよう。
僕らもそうしてきてもらったのだから。
負けそうな時には、僕らを呼べ。
その時は君に従い、戦う。
だから、いい判断をしろ。
押忍。