お通夜に行ってきた。
浩祐の最後の言葉は、
「煙のような人生でした、ありがとう。」
だった。
その意味を考えながら生きようと思う。
ヒロも奥さんも、お父さんもお母さんも、お兄さんも、氏家君も。
みんなにと思ってエールをした。
「生で見られて喜んでいると思います。」
「押忍」
言葉が出ない。
馬鹿みたいだった。
浩祐は友達が多かったんだなぁ。
慕われていたんだなぁ。
生きてたんだよなぁ。
DVDの写真を見ながら、涙が出てくるのを堪えた。
立ってるのが辛かったから、座って写真を見てた。
僕のことを嫌いな人も。
僕が嫌いな人も。
僕のことを好きな人も。
僕が好きな人も。
それぞれの人生を思う存分に生きて、今を大切に、集中して感謝をするべきだ。
辛かったろう。
不安もあったろう。
入院した時に動画でエールを送った。
「店も弟も心配なんで、サッサと治して店に戻りまーす!」
と言ってた。
お父さんとお母さん、挨拶してくれたよ。
「いつも支えてくれて…」
「違います。僕が支えて頂いてました。」
偽りなく、僕はそう思う。
最後の一年間。
生きるということを教えてくれた。
一時退院した時、
「不安なことがあれば、なんでも言えよ。」
「ありがとうございます!お疲れ様です!お陰様でようやく退院出来ました。
ステロイド飲んでるので肺炎になりやすいらしく、ほぼ自宅に缶詰め状態ですが、家に戻ってこれただけ幸せです。
平さんもとんでもない暑さの中での応援、しっかり水分とって頑張って下さい!」
と、いつも逆に気遣ってくれてた。
いつも応援してくれてた。
俺の第一ボタンをヒロに渡したからね。
いらねぇだろうけど、持ってって。
俺、忘れないから。
忘れられるわけないから。
お別れだね。
ありがとうね。
こちらこそ、ありがとうなんだよ浩祐。
さようなら。
「阿部先輩、千田くん。」
「あい?」
「メシ食うかね。」
「食おう。」
「お供します。」
「浩祐の分まで食おう。」
「そっすね。」
「そうね、食おう。」
頼んだのは単品おかずに単品ライス。
「おいダンチョ!浩祐の分まで食うってのにそれだけ?」
「ライス食うだけ珍しかろうが?!先輩どうなのよ?」
「俺、サラダバーつけたもんね!」
「ライスはよ?」
「ライス?米って言えコノ!」
「しょぼ!」
「お前こそしょぼ!」
「見苦しいからやめてください。ご時世的に大声もやめてください。」
「ぐぬぬぬぬ」
結果、先輩はサラダバー頼んだのに最初の一盛りのみ。
しょぼー!!
焼肉食べ放題とかで浩祐リベンジをする。
4日前から何も食わずに臨みます。
で、胃が小さくなってて逆に食べられないパターン。
浩祐。
すまん。
へぼくてすまん。
落ち着いたら、きりんに行くよ。
「なんできりんなの?」
「結局、きりんが一番強ぇらしいっすよ?」
「そんできりんか。」
「そんで、きりんっす。」
さようなら。
おやすみ。
また。