新しい愛車、2代目シトロエンC5で出勤。
一気に質感の増したインテリア・デザイン、圧倒的な剛性感などはこれまで乗ってきたXantiaや旧C5などとは比べものにならないクオリティの高さで、マジ、ドイツ車とタイマン、「シトロエンもここまできたか…。」の感はあるのだが、その反面「この2代目シトロエンC5、正常進化じゃないよなぁ、やっぱり…。」と言う感じで、フランス車の変質を実感するもの事実。
常に過去を懐かしむのがシトロエン・マニアというもの…と言われそうだが、BX、Xantia、初代C5(それにxm)については、剛性を犠牲にしてまでも、ハッチバックスタイルに固執してきた事に代表されるように、パッケージングと言うものを突き詰めて作られていたし、その結果、スタイリングについても、必然性があったと思う。
それに対して、現行のC5、パッケージングの詰めが甘い…というか、フランス車らしいパッケージングや合理性…と言ったものを最初っから放棄しているような気がしてならないのである。
このC5、全長は4795mm、全幅はなんと1860mm(!)という巨大さ。
これはメルセデスで言うとCクラスよりもEクラス、BMWで言うと3シリーズよりも5シリーズに近く、国産車だと、ほとんどクラウンと同じサイズで、初代C5に比べて2クラス近く大きくなっている。
しかし、悲しいかなそのサイズ・アップがほとんど室内空間に反映されておらず、ラッゲージ・スペースに至っては、初代C5よりも逆に狭くなっている有様。実際、今回、旧C5のトランクルームに収まっていた満載の荷物を移しきれず、シトロエンのメカニックの方も「相当、ラッゲージ・スペース減っているんですね…。」とつぶやく始末で、「バカンスの国 フランス ラッゲージ・スペースは広大です。」と謳っていたのが嘘のようなスタイル優先振り。タイヤも不必要に大きく扁平率が高くなっていて、乗り心地をスポイル、「なんで、こんなタイヤ付けるんだよ…。」と言いたくなってしまう。
世界市場で生き残る為にはまず、押し出しの強いスタイリングが重要。実用性云々なんて、期待している人は少数派なんです…と言われればそれまでだが、シトロエンで言うとC6、プジョーで言うと407あたりから、実用性などは二の次、なんと言ってもスタイル優先…という感じで、フランス車の強みを自ら放棄…、長年(と言っても17年くらいだけど)フランス車を乗り続けてきた自分としては複雑な気分。
スタイリング優先はDSシリーズに任せ、是非、次期C5については、原点に立ち返って、パッケージング重視、理想のファミリー・カーを目指して欲しいのだが…そんな事を思った2代目シトロエンC5 ファースト・インプレッションであった。