天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

トルコ訪問

2009年04月07日 | オバマ
 トルコを訪問したオバマ米大統領は6日、首都アンカラの国会で演説、「米国は過去も将来もイスラムと戦いはしない」と言明し、イラク戦争などで悪化した米国とイスラム社会の関係改善に強い意欲を示した。また、トルコのEU加盟の実現を全面的に支援すると約束した。オバマ大統領のイスラム系国家の訪問は初めて。

 これに先立ち、オバマ大統領はギュル・トルコ大統領と会談。その後の会見で、国民の大半がイスラム教徒ながら世俗主義を貫くトルコの重要性を指摘、「米国とトルコは文化摩擦のない国際社会を築くことができる」と強調した。
 オバマ大統領はまた、「トルコは東西を結ぶ交差点。世俗的なトルコと米国が手を携えればイスラム社会と西側を橋渡しできる」と述べた。両大統領は、テロ対策▽アフガニスタン▽中東和平▽イラク▽核不拡散問題--などについて協議した。
 先のNATO首脳会議で軍民両面の包括的なアフガン支援を打ち出したオバマ大統領は「トルコの協力に感謝する」と述べた。

 オバマ大統領はエルドアン首相とも会談した。一連の欧州外交をトルコで締めくくることで、同国と、イスラム世界の双方に前向きなメッセージを打ち出そうと狙った。
 米大統領がトルコ国会で演説するのは99年のクリントン元大統領以来2人目。ブッシュ前大統領は04年にトルコを訪問したが、大学で講演しただけだった。
 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」のシェリフ・トルコ支局長は「クリントン政権がトルコの中東での役割を高める下地を作った」と分析。同じ民主党のオバマ政権が発足し、米トルコ関係は再接近するとみている。

 オバマ大統領は7日、イスラム教徒が国民の大半を占めるトルコでの演説で「米国の関与(エンゲージメント)の新たな1章」を約束し、米国とイスラム世界の和解を目指すメッセージと共にトルコ訪問を締めくくった。
 イスラム教国への初訪問となったトルコで、オバマ大統領はこの日、欧州とアジアが接する古都イスタンブールを象徴するモスクを訪れ、宗教指導者や大学生と会見し、対話を望む姿勢をアピールした。
 まず学生との集会に出席したオバマ大統領は、米国の外交に関する質疑応答の場面で「わたしは米国のエンゲージメントの新たな1章に取り組んでいる。かみあわない話をしている余裕も、われわれの差違だけに着目している余裕も、互いの不信の壁に囲まれている余裕もない。われわれの間にある壁は、シンプルな交流でつき崩すことができる」と述べた。また中東問題のすべての背後にイスラエルがあるわけではないと述べ、イスラエルへの「バランスのとれた」姿勢を求めた。

 この後、オバマ大統領はレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)トルコ首相と厳戒警備の中、イスタンブール中心部のブルーモスク(Blue Mosque)とアヤソフィア(Hagia Sophia)大聖堂を相次いで訪れた。オバマ大統領は引き続き、トルコ最大の都市イスタンブールを拠点に活動するイスラム教、キリスト教、ユダヤ教の指導者らと会談した。

 今回オバマ氏は大統領就任後初の外国訪問で主要20か国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)、北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Orgnisation、NATO)首脳会議、米国と欧州連合(EU)の首脳会議に出席した後、8日午後にトルコを離れ、帰国の途についた。

アンカラ演説要旨

2009年04月06日 | オバマ
 今日この大国民議会で演説をさせていただき、名誉に思います。そして、私は、私たちの国の間の友情と同盟関係を続かせることを目的にしています。今回(の旅)は私がアメリカ大統領として行う初めての外国訪問です。この訪問を(EUから)アンカラとイスタンブールへ続けることは、何かのメッセージかと私に質問する人たちがいました。これに対する私の答えはいたって明確です。(トルコ語で)「エべット」(「はい」)です。今朝、アタテュルク、つまりこの国の創設者の墓を訪れました。アタテュルクの名の下に設立されたこの記念碑に大きな感銘を受けました。なぜなら、彼は歴史の形を変えたリーダーだからです。しかし、アタテュルクの生涯にとっての最大の記念碑は、石や大理石から作られたものではありません。彼自身が残した最大の遺産はトルコの力強い、世俗的な民主主義です。そして、今日、この議会こそが、民主主義の継続を保証しているのです。

 私たちの国の創設者であるワシントンに、私たちも大きな記念碑を作りました。この記念碑の創設には10年を費やしました。その建造を援助してくれた、世界中の友人たちがいました。援助のひとつは、イスタンブルから届きました。オスマン帝国のスルタンであるアブドゥルメジドは私たちに大理石のプレートを送ってくれました。そこには私たちの国の間の友情を強める一編の詩が刻まれていました。この詩が刻まれてから150年の時が経ちました。私たちの国は本当に色々な点で変化しました。しかし、私たちの友情はさらに強まり、そして同盟関係は今も続いています。

 アメリカとトルコは、朝鮮戦争からコソボ、コソボからカブールへと共に争いました。そして、冷戦時代には、ひとつの陣営で(敵と)対峙しました。両国民の間の絆は深まりました。そしてさらに多くのトルコ系アメリカ人がアメリカで生活し、成功を収めています。一人のバスケットボールファンとして私もヒダイェット・トゥルクオウルとメフメト・オクルの活躍を楽しく観戦しています。

 私たちは21世紀の困難に立ち向かうため、完全に統合された、自由と独立を保ったヨーロッパを目標にしています。アメリカはトルコのEU加盟について強く支持します。私たちは、ここでただEUメンバーとして話をしているのではありません。トルコの、そしてヨーロッパの友人として話しているのです。トルコは私たちの重要な同盟国であり、重要な仲間です。トルコはヨーロッパに対して、単にボスポラス海峡の上の橋によってつながっているのではありません。そのつながり以上の結びつきがあるのです。

 また、少数民族の権利が認められたならば、人々はあらゆるチャンスに、個人として浴するチャンスを得るでしょう。私の国(アメリカ)のように、かつて、(黒人の)投票権さえなかった国について言っているのです。そこから大統領になるなど、だれが予想したことでしょう。このような可能性を何よりも強調したい。誰でも変わることができます。私たち全員が変わっていかなくてなりません。しかし、変わることは、ときに容易ではありません。

アンカラ演説要旨

2009年04月06日 | オバマ
 私たちは、過去とどう向かい合わねばならないのでしょうか。これを知ることが必要です。アメリカは現在、過去の暗い時代と向かい合っています。私たちの国においては、奴隷制度の過去、人種差別の過去があります。また、アメリカ原住民がどのように侵略されてきたかも知っています。このトルコ大国民議会において演説するにあたり、1915年に起きた不幸な出来事にも触れざるを得ません。これらは私の問題ではありません。アルメニアの人々とトルコの人々がともに解決すべき問題です。トルコ人とアルメニア人のリーダーが踏み出した勇敢な歩み寄りを私たちは知っています。アメリカは、この文脈で、両者の関係が正常化することを支持しています。

 現在、イラク、トルコ、アメリカは、共通するテロの脅威に直面しています。アルカイダもこの中のひとつです。さらに、クルド労働者党(PKK)も挙げられます。アメリカ大統領として、また、北大西洋条約機構(NATO)同盟国として、PKKもいかなるテロ組織も支持しません。そのために協力に向けた絆が築かれ、イラク政府、イラクにおけるクルド自治区政府のリーダー、そしてトルコの間でその絆が保たれることが、最も大切です。

 アルカイダ打倒は米国とトルコ共通の目標です。米国はイスラム諸国との幅広い関係を求めており、その声に注意深く耳を傾け、誤解を解き、共通の土壌を探ります。イスラム世界と米国の関係がアルカイダとの戦いによって規定されることを望みません。可能な限り明確に言いますが、アメリカは、イスラムと戦っているのではありません。これまでもそうだったし、この先もそうです。同時に、次の点についてはっきりさせておきたいと切に思います。アメリカのムスリム社会との関係は、テロとの対峙に留められてはなりません。私たちは、私たちはイスラムの信仰への敬意を示す必要があります。アメリカは、ムスリムのアメリカ人たちによって豊かになり、多くのアメリカ人の家族にはムスリムがいます。私はこれについてよく知っています。なぜなら、私もその中の一人だからです。

耳を傾けるために

2009年04月05日 | オバマ

欧州は「金融危機の原因は(米国流の)緩い規制」(メルケル独首相)、「誤った妥協による声明は支持しない。退席も持さない。」(サルコジ仏大統領)と規制強化を叫び、強硬姿勢で臨んだG20だったが、オバマ米大統領は「私は考えを示すため、そして講演するのではなく耳を傾けるためにロンドンにやってきた。」結果、数値目標も明示された見事な共同宣言。

オバマ米大統領は閉幕後の記者会見で「米国は聞き役になった時に最良の指導力を発揮できる」と語り、国際舞台へのデビューとなった金融サミットで国際協調の成果をあげたと強調した。 中国やロシア、韓国との首脳会談での協調の例として挙げたのが「北朝鮮が計画しているミサイル発射への対応」や核削減、アフガニスタン安定化など。オバマ氏は2日もインドのシン首相、サウジアラビアのアブドラ国王と会談。サミット期間中は6つの首脳会談をこなした。

G20後はすぐフランスへ。学生とのミーティングでも「私は学ぶため、聞くためにやってきた」と繰り返し、学ぶ姿勢、聞く姿勢が最良の結果をもたらすことをうったえた。オバマ氏は3,4両日にNATO首脳会議に出席した後、5日はチェコでEUとの首脳会議に臨み、6、7両日にトルコを訪問する。


チェコ訪問

2009年04月05日 | オバマ
 オバマ米大統領は5日、チェコの首都プラハ、フラチャニ広場で演説し、

 「人類の運命は我々自身が作る。ここプラハで、よりよい未来を求めることで、我々の過去を称賛しよう。我々の分断に橋をかけ、我々の希望に基づいて建設し、世界を、我々が見いだした時よりも繁栄して平和なものにして去る責任を引き受けよう。共にならば、我々にはできるはずだ。」と呼びかけた。