天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

アンカラ演説要旨

2009年04月06日 | オバマ
 今日この大国民議会で演説をさせていただき、名誉に思います。そして、私は、私たちの国の間の友情と同盟関係を続かせることを目的にしています。今回(の旅)は私がアメリカ大統領として行う初めての外国訪問です。この訪問を(EUから)アンカラとイスタンブールへ続けることは、何かのメッセージかと私に質問する人たちがいました。これに対する私の答えはいたって明確です。(トルコ語で)「エべット」(「はい」)です。今朝、アタテュルク、つまりこの国の創設者の墓を訪れました。アタテュルクの名の下に設立されたこの記念碑に大きな感銘を受けました。なぜなら、彼は歴史の形を変えたリーダーだからです。しかし、アタテュルクの生涯にとっての最大の記念碑は、石や大理石から作られたものではありません。彼自身が残した最大の遺産はトルコの力強い、世俗的な民主主義です。そして、今日、この議会こそが、民主主義の継続を保証しているのです。

 私たちの国の創設者であるワシントンに、私たちも大きな記念碑を作りました。この記念碑の創設には10年を費やしました。その建造を援助してくれた、世界中の友人たちがいました。援助のひとつは、イスタンブルから届きました。オスマン帝国のスルタンであるアブドゥルメジドは私たちに大理石のプレートを送ってくれました。そこには私たちの国の間の友情を強める一編の詩が刻まれていました。この詩が刻まれてから150年の時が経ちました。私たちの国は本当に色々な点で変化しました。しかし、私たちの友情はさらに強まり、そして同盟関係は今も続いています。

 アメリカとトルコは、朝鮮戦争からコソボ、コソボからカブールへと共に争いました。そして、冷戦時代には、ひとつの陣営で(敵と)対峙しました。両国民の間の絆は深まりました。そしてさらに多くのトルコ系アメリカ人がアメリカで生活し、成功を収めています。一人のバスケットボールファンとして私もヒダイェット・トゥルクオウルとメフメト・オクルの活躍を楽しく観戦しています。

 私たちは21世紀の困難に立ち向かうため、完全に統合された、自由と独立を保ったヨーロッパを目標にしています。アメリカはトルコのEU加盟について強く支持します。私たちは、ここでただEUメンバーとして話をしているのではありません。トルコの、そしてヨーロッパの友人として話しているのです。トルコは私たちの重要な同盟国であり、重要な仲間です。トルコはヨーロッパに対して、単にボスポラス海峡の上の橋によってつながっているのではありません。そのつながり以上の結びつきがあるのです。

 また、少数民族の権利が認められたならば、人々はあらゆるチャンスに、個人として浴するチャンスを得るでしょう。私の国(アメリカ)のように、かつて、(黒人の)投票権さえなかった国について言っているのです。そこから大統領になるなど、だれが予想したことでしょう。このような可能性を何よりも強調したい。誰でも変わることができます。私たち全員が変わっていかなくてなりません。しかし、変わることは、ときに容易ではありません。

アンカラ演説要旨

2009年04月06日 | オバマ
 私たちは、過去とどう向かい合わねばならないのでしょうか。これを知ることが必要です。アメリカは現在、過去の暗い時代と向かい合っています。私たちの国においては、奴隷制度の過去、人種差別の過去があります。また、アメリカ原住民がどのように侵略されてきたかも知っています。このトルコ大国民議会において演説するにあたり、1915年に起きた不幸な出来事にも触れざるを得ません。これらは私の問題ではありません。アルメニアの人々とトルコの人々がともに解決すべき問題です。トルコ人とアルメニア人のリーダーが踏み出した勇敢な歩み寄りを私たちは知っています。アメリカは、この文脈で、両者の関係が正常化することを支持しています。

 現在、イラク、トルコ、アメリカは、共通するテロの脅威に直面しています。アルカイダもこの中のひとつです。さらに、クルド労働者党(PKK)も挙げられます。アメリカ大統領として、また、北大西洋条約機構(NATO)同盟国として、PKKもいかなるテロ組織も支持しません。そのために協力に向けた絆が築かれ、イラク政府、イラクにおけるクルド自治区政府のリーダー、そしてトルコの間でその絆が保たれることが、最も大切です。

 アルカイダ打倒は米国とトルコ共通の目標です。米国はイスラム諸国との幅広い関係を求めており、その声に注意深く耳を傾け、誤解を解き、共通の土壌を探ります。イスラム世界と米国の関係がアルカイダとの戦いによって規定されることを望みません。可能な限り明確に言いますが、アメリカは、イスラムと戦っているのではありません。これまでもそうだったし、この先もそうです。同時に、次の点についてはっきりさせておきたいと切に思います。アメリカのムスリム社会との関係は、テロとの対峙に留められてはなりません。私たちは、私たちはイスラムの信仰への敬意を示す必要があります。アメリカは、ムスリムのアメリカ人たちによって豊かになり、多くのアメリカ人の家族にはムスリムがいます。私はこれについてよく知っています。なぜなら、私もその中の一人だからです。