天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

人口製造

2010年03月31日 | Weblog
 クリントン米国務長官は30日、カナダでのG8外相会合後の共同記者会見で、母子の健康へのG8の取り組みに関する質問に答え、中絶などをするかどうかは、良心や宗教観に基づく個人の判断、人工妊娠中絶などによる個人の家族計画に政府がかかわるべきではないと述べ、1夫婦の子を1人に制限する中国の「一人っ子政策」を「強制的な中絶により実施されており、忌まわしい」と訴えた。
 また、ルーマニア、当時のチャウシェスク大統領が人口増加策を推し進め、政令で女性1人につき5人の子どもを出産するよう命じた事例も挙げ、いかなる政府も女性の家族計画の権利を奪うべきではないと強調した。

 ひとりひとり違うのが自然です。こうしなさい、こうすると法に書けば、それは人権、自由の侵害です。育てることも同じです。どう育てるかは、ひとりひとりが良心と信条に従って、ひとりひとりが決めます。法は、ひとりひとりの良心にあるのです。

神経回路

2010年03月31日 | 科学
 神経細胞の増殖は、ヒトでは小児期に、神経幹細胞が盛んに分裂して分化することで起こります。神経細胞は分化が進むとともに、軸索誘導によって特定の位置にある神経細胞が特定の細胞に軸索を伸ばし、シナプスを形成して神経回路を形成していきます。神経細胞間の接続関係の調節には、神経栄養因子(ニューロトロフィン)とその特異的受容体が関与しているといわれています。BDNFは中枢神経に特に豊富で、神経活動依存的に合成・分泌されます。これらの物質を受け取った細胞の活動やシナプスの接続関係を強化するため、神経系の学習・記憶を制御する中心的な物質と考えられています。また、神経細胞群は初期に過剰な接続を形成した後、必要なものだけを残してシナプスを減らすと考えられています。これは「刈り込み」と呼ばれています。
 シナプスでは盛んに神経伝達物質が放出されていますが、放出された神経伝達物質の一部は能動的に回収され、シナプス小胞に再充填されます。神経細胞では、静止膜電位の維持と活動電位からの回復のために莫大なATPを消費しています。ヒトの脳の質量は体重の2%程度なのに対し、グルコース消費量は全身の25%と非常に多い。

 神経回路は無秩序に張り巡らされているのではなく、神経細胞の層構造が高度な情報処理を実現しています。神経細胞は、形も働きも違うものが種類ごとに集まり、6層の層構造をつくっています。例えば小脳皮質では、プルキンエ細胞など5種類の神経細胞が3層の層構造をつくっています。その結果、認知、運動、感情、記憶、学習といった高度な情報処理を実現できるのです。その数は大脳で数百億個、小脳で1000億個、脳全体では千数百億個にもなります。

 神経回路ができるには、正しく分化した神経細胞が正しい場所に配置され(神経細胞移動)、そこから正しい経路を伸びた神経突起(軸索、樹状突起)が特定の標的と正しく結合する必要があります。また神経回路発達の最終段階においては、正しくできあがった神経回路を残して、間違った神経回路を除くという軸索側枝の除去、軸策剪定、シナプス廃止、細胞死のステップがあります。このステップは、学習や記憶などに関わる脳の可塑性と密接に関係しています。神経細胞移動が、遺伝子に支配されたプログラムで行われるのに対し、神経回路形成の最終段階では神経活動といった直接的に遺伝子の影響を受けない因子の影響が大きくなります。

私の中のあなた

2010年03月29日 | Weblog
 2歳の愛娘が白血病に。命を救うには、遺伝子の型の合う骨髄を移植するほかありません。両親が選んだのは、同じ型の遺伝子をもつ子どもをつくること。

 昨年10月公開された映画「私の中のあなた」は、もう現実のものとなっているそうです。訴訟こそ起きていないようですが。

 昨晩放送されたNHKスペシャル「人体“製造”~再生医療の衝撃~」によると、アメリカ・デトロイトのマーク・ヒューズ医師は、こうした子どもをすでに100人以上つくっているといいます。病気の子を持つ親から懇願されたのがきっかけ。最初は断りましたが、自問自答した末に、親の願いを叶える方法を選んだのです。

 「医療とはもともと母なる自然に逆らうもの。必要とあらば母なる神にも逆らう。なぜなら、時に自然は残酷だから」と。