天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

南洲翁遺訓

2016年09月23日 | 不易
道は天地自然のものにして、人はこれを行うものなれば、天を敬する目的とす。
天は人も我も同一に愛し給うゆえ、我を愛する心を以て人を愛するなり。
人を相手にせず、天を相手にせよ。
天を相手にして、己を尽くして人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし。

ポツダム宣言

2016年07月26日 | 不易
「日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和と安全と正義の新秩序も現れ得ないからである」~ポツダム宣言第6項1945.07.26

 ポツダム宣言ではJapan(日本)、the people of Japan(日本国民)、 the government of Japan(日本政府)、 the Japanese armed forces(日本軍)、 militaristic advisers(軍国主義的助言者)という主語が注意深く使い分けられていますので、「世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力」には、米英も含まれると解されます。

 この宣言から、世界は一変したと想われます。

やなせたかしさんをしのぶ会

2014年02月06日 | 不易
「作品や思い、大切に伝えていく」=やなせたかしさんをしのぶ会-東京

 「アンパンマン」で知られ、昨年10月13日に94歳で亡くなった漫画家・絵本作家のやなせたかしさんをしのぶ会が6日、東京都内で開かれた。明るくという生前の希望から、名称は誕生日に合わせて「ありがとう! やなせたかし先生95歳おめでとう!」の会。祭壇には自身のシルエットをちりばめたジャケット姿の遺影が飾られ、絵と多くのぬいぐるみも。最後のあいさつに、近隣の園児や親子らが列を作った。
 弔辞を述べたのは着ぐるみのアンパンマン。「先生が残してくれた作品や思いを大切に伝えていきます」。フレーベル館アンパンマン室長の天野誠さんは夏公開の映画に触れて「原発事故の困難に屈せず村の再建を目指す村民の報道に感動し、望郷と故郷の再建をテーマにしました」というやなせさんのメッセージを披露。「先生原案の映画は最後だが、今後も継続していく」と話した。
 アンパン役の声優戸田恵子さんは「先生そのものがアンパンマン。人を喜ばせるのが大好きで、最後まで身を削って仕事をされた。これからもお空から見守ってほしい」と語った。(2014/02/06-12:49)時事

 やなせたかし語録

 困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。絶対的な正義なのです。

 正しいことをする場合、必ず報いられるかというと、そんなことはなくて、逆に傷ついてしまうこともあるんです。自分はまったく傷つかないままで、正義を行うことは非常に難しい。

 生きていることが大切なんです。今日まで生きてこられたなら、少しくらいつらくても明日もまた生きられる。そうやっているうちに次が開けてくるのです。

 ぼくらも非常に弱い。強い人間じゃない。でも、なにかのときには、やっぱりやってしまう。ヒーローというのは、そういうものだと思います。

 アンパンマンは“世界最弱”のヒーロー。ちょっと汚れたり、雨にぬれただけでも、ジャムおじさんに助けを求める。でも、いざというときには、自分の顔をちぎって食べてもらう。そして戦います。それは私たちも同じ。みんな弱いけれど、そうせずにはいられないときもあるのです。

 アンパンマンのテーマソングは「なんのために生まれて、なんのために生きるのか」というのですが、実はぼくはずいぶん長い間、自分がなんのために生まれたのかよくわからなくて、闇夜の迷路をさまよっていました。

 もっと若い時に世に出たかった。ただし遅く出てきた人というのは、いきなりはダメにならない。こんなことしてていいのかと思っていたことが、今みんな役に立ってる。無駄なことは一つもないですね。

 人生の楽しみの中で最高のものは、やはり人を喜ばせることでしょう。

はじめての道徳教科書

2014年01月24日 | 不易
2014.01.24 日刊SPAニュース

 政府の教育再生実行会議(座長=鎌田薫・早稲田大学総長)は昨年、「道徳の教科化」を提言し論議になっている。下村博文文部科学大臣も強い意向を示していると報道された。その背景には日本人の規範意識の低下があるという。最近では、若者がコンビニの冷蔵庫に入った写真などをTwitterに投稿したバカッター騒動や滋賀県大津市の中学校で起こったいじめ自殺問題などが記憶に新しい。

 道徳が教科ではないことが何故問題なのか。それは、正式な教科ではないが故に教育現場では他の教科や学校行事などに振り替えられるなどして形骸化しているのが実態だという。

 また、「子供の心を感動させる教材が少ない」ことも道徳を形骸化させている一因だと言われている。読者の方の中には、「学校で道徳の授業はやった記憶はあるけど、何をやったか覚えていない」という人は少なくないのではないか。現状の道徳教材の多くが出版社の作り話でリアリティがなく子供の心に届いていないと考える意見だ。

 では、道徳教育はどうあるべきなのか? 『はじめての道徳教科書』(育鵬社)を編集した道徳教育をすすめる有識者の会・代表世話人の渡部昇一氏はこう話す。

「子供はいい話、感動的な話が好きです。子供にいろんな話をすると『その人いい人? 悪い人?』とすぐに聞いてきます。子供は何が良いか、何が悪いかにとても敏感なのです。だからそのような時期に、『こういう事が、良いことなんだよ』と教えることが大事です。そのためには、優れた人の話を読ませる、これが一番です」

 本書では昨年亡くなられたアンパンマンの作者で知られる、やなせたかし氏のある実話も教材に選んでいる。

 採用されたエピソードは東日本大震災の直後にあるラジオ番組に読者の方からメールで「アンパンマンのマーチ」のリクエストがあり、この曲を流したところ1週間で125通もの感動の声が寄せられ、投稿サイトのツイッター上でも反響があったという話だ。

 やなせ氏は「『なんのために生まれて、何をして生きるのか』という歌詞があります。いま、そのことがわからない人が多い。でも、生きていることが理屈なしに大切なのです」と、東日本大震災の被災者にエールを送っている。

 渡部氏は本書に日本人の道徳心を復興させる1冊になって欲しいという。

「世界の常識では大災害がおきると、必ず混乱に乗じて暴行や略奪が起こります。しかし、日本では、東日本大震災のような非常時でも略奪などはほとんどありませんでした。そして被災地ではそれぞれが被災者にも拘らず、相手のことを思いやり、規律正しく行動しました。この日本国民の冷静さや規律正しさに世界中が感銘し、賞賛しました」

 その他にも元メジャーリーガーの松井秀喜氏やパラリンピック・走り幅跳びの佐藤真海選手の実際にあったエピソードなど33話を採用。新しい道徳のスタンダードを提案している。 <取材・文/吉留哲也>