天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

復活祭

2009年04月13日 | 春はあけぼの
 日本では春分の日を「自然をたたえ、生物をいつくしむ」とし、彼岸の中日としているが、キリスト教国の多くは、イエスキリストが十字架上で死んでから三日目(日曜日)に、復活したことから「春分後の最初の満月から数えて最初の日曜日」にイースターを祝う。太陽が真東から昇り、真西に沈む日に「死」を連想したのは、仏教もキリスト教も同じのようだ。

 イースターに卵が使われるのも、ちょうどひよこが卵の殻を破って出てくるように、キリストも死という殻を破ってよみがえったことを象徴している。

 現在日本でも使われているグレゴリオ暦は、イースターなどの日取りを決める上で正しく春分の日を設定するようにと定められたもの。それまでのユリウス暦は、一年を365日とし、4年に一度366日の閏年を置くもで、約130年につき1日の誤差が生じる。16世紀後半になると、実際の春分が暦より10日も早くなり、イースターなどの日取りを決めるのに適切でなくなった。これを正すために、1582年にローマ教皇グレゴリウス13世が制定したのが、グレゴリオ暦。4年に一度の閏年は同じだが、100で割り切れる西暦年は閏年とならず、さらに400で割り切れる西暦年は閏年とした。この方法だと、一日の誤差が生じるのに3000年もかかる。

心の型

2009年04月12日 | Weblog
 G20で記念撮影の際、オバマ米大統領がサウジアラビアのアブドラ国王の前で見せた、深くお辞儀するようなしぐさをめぐり、米国内の保守勢力が「米国の権威を損なう」と猛反発しているという。米大統領は外交儀典上、外国元首に一切お辞儀してはならないと定められているからだという。

 オバマ大統領がアブドラ国王の右手を両手で握り、頭を90度近く下げてお辞儀しているように見えるシーン。米ワシントン・タイムズ紙(7日付)は社説で、「国王の支配下にある者が行うような振る舞いで、前代未聞だ」と痛烈に批判した。ギブス米大統領報道官は、「大統領は国王より背が高いので、握手をした際にお辞儀したように見えただけだ」と説明している。一方、ワシントン・ポスト紙は、問題の「お辞儀」の写真を掲載し、コラムで「お辞儀だったとしても、それがそんなに大した問題だろうか」と書いている。

 オバマ米大統領とともにロンドンを訪れたミシェル夫人も、型にとらわれない振る舞いでメディアに様々な話題を提供している。ファッションが新聞で特集されたほか、エリザベス女王と面会した際に女王の背中に手を回したことが「英王室の儀典に違反した」「先に手を回したのは女王だ」などと論議の的に。

 今年2月17日、訪日したクリントン国務長官は、元大統領夫人として皇后様に会ったという。ヒラリーは自身の著書で「今まで会った人の中で、最も魅惑的な女性の一人」と皇后様を称えている。皇后様が訪米の際、当時大統領夫人だったヒラリーは、天皇陛下に常に半歩下がって付き添われている皇后様のお姿を見て、最初は戸惑ったものの、その後は受け入れていた。

 皇后様は、10日の記者会見で「伝統と共に生きるということは、時に大変なことでもありますが、伝統があるために、国や社会や家が、どれだけ力強く、豊かになれているかということに気付かされることがあります。一方で型のみで残った伝統が、社会の進展を阻んだり、伝統という名の下で、古い慣習が人々を苦しめていることもあり、この言葉が安易に使われることは好ましく思いません。また、伝統には表に現れる型と、内に秘められた心の部分とがあり、その二つが共に継承されていることも、片方だけで伝わってきていることもあると思います。」と。

結婚50年会見2-1

2009年04月11日 | 不易
 天皇、皇后両陛下は、結婚50年を振り返られ、天皇陛下は「たくさんの悲しいことやつらいことがあったと思いますが、よく耐えてくれたと思います」「結婚50年を本当に感謝の気持ちで迎えます」「私ども二人を50年間にわたって支えてくれた人々に深く感謝の意を表します」とお話になる途中で、お声を詰まらせ、震わせられた。これに対し皇后様は、結婚当時の心境を「不安と心細さで心がいっぱいでした」、金婚式を「夢のよう」と述べられ「心を込めて感謝状をお贈り申し上げます」と語られると、両陛下は微笑み、お互いを見詰め合われた。

 天皇陛下 夫婦としてうれしく思ったことは、やはり二人が健康に結婚50年を迎えたことだと思います。二人のそれぞれの在り方についての話し合いも含め、何でも二人で話し合えたことは幸せなことだったと思います。皇后はまじめなのですが、面白く楽しい面を持っており、私どもの生活に、いつも笑いがあったことを思い出します。私は木は好きでしたが、皇后が木や花が好きなことから、結婚後、花にも関心を持つようになりました。

 語らひを 重ねゆきつつ 気がつきぬ われのこころに 開きたる窓

 婚約内定後に詠んだ歌ですが、結婚によって開かれた窓から私は多くのものを吸収し、今日の自分を作っていったことを感じます。結婚50年を本当に感謝の気持ちで迎えます。(ここで、お声が・・・)終わりに私ども二人を50年間にわたって支えてくれた人々に深く感謝の意を表します。

 皇后さま この50年間、陛下はいつも皇太子、また天皇としての、お立場を自覚なさりつつ、私ども家族にも深い愛情を注いでくださいました。陛下が誠実で謙虚な方でいらっしゃり、また常に寛容でいらしたことが、私がおそばで50年を過ごしてこられた何よりの支えであったと思います。

 天皇陛下 ちょうど私どもが結婚してからの50年は、様々な出来事の多いときだったと思います。結婚したころは必ずしも豊かでありませんでしたが、皆、希望に満ちて未来に向かって進んでいったのでないかと思います。そして、その前の時代に、戦争があり、その戦争の厳しい環境の中で、青少年時代を送ったことだと思います。このようにこの結婚50年の人々は様々な、そして共通した経験をして今日に至っていると思います。結婚50年を迎えられる人々をお招きして茶会を催し、それぞれの皆さんがたどってきた道を話し合うということは、私どもにとっても意義深いことだと思いますし、またお互いに話し合って楽しいひとときになるのではないかと期待しています。

結婚50年会見2-2

2009年04月10日 | 不易
 天皇陛下 私は、過去の天皇の歩んできた道に度々に思いを致し、また、日本国憲法にある「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」であるという規定に心を致しつつ、国民の期待にこたえられるよう願ってきました。象徴とはどうあるべきかということはいつも私の念頭を離れず、その望ましい在り方を求めて今日に至っています。なお大日本帝国憲法下の天皇の在り方と日本国憲法下の天皇の在り方を比べれば、日本国憲法下の天皇の在り方の方が天皇の長い歴史で見た場合、伝統的な天皇の在り方に沿うものと思います。新嘗祭のように古い伝統のあるものはそのままの形を残していくことが大切と考えますが、田植えのように新しく始められた行事は、形よりはそれを行う意義を重視していくことが望ましいと考えます。したがって現在私は田植え、稲刈りに加え、前年に収穫した種もみをまくことから始めています。

 皇后さま 陛下はいつもご自分の立場を深く自覚なさり、日本国、そして国民統合の象徴として、ご自分のあるべき姿を求めて歩んでこられました。こうしたご努力の中で、陛下は国や人々に寄せる気持ちを時と共に深められ、国の出来事や人々の喜び悲しみにお心を添わせていらしたように思います。50年の道のりは、長く、時に険しくございましたが、陛下が日々真摯にとるべき道を求め、指し示してくださいましたので、今日までご一緒に歩いてくることができました。陛下のお時代を、共に生きることができたことを、心からうれしく思うとともに、これまで私の成長を助け、見守り、励ましてくださった大勢の方たちに感謝を申し上げます。陛下はご即位に当たり、これまでの皇室の伝統的行事及び祭祀とも、昭和天皇の御代(みよ)のものをほぼ全部お引き継ぎになりました。また、皇室が過去の伝統と共に、「現代」を生きることの大切さを深く思われ、日本各地に住む人々の生活に心を寄せ、人々と共に「今」という時代に丁寧にかかわりつつ、一つの時代を築いてこられたように思います。
 伝統と共に生きるということは、時に大変なことでもありますが、伝統があるために、国や社会や家が、どれだけ力強く、豊かになれているかということに気付かされることがあります。一方で型のみで残った伝統が、社会の進展を阻んだり、伝統という名の下で、古い慣習が人々を苦しめていることもあり、この言葉が安易に使われることは好ましく思いません。また、伝統には表に現れる型と、内に秘められた心の部分とがあり、その二つが共に継承されていることも、片方だけで伝わってきていることもあると思います。WBCで活躍した日本の選手たちは、鎧も着ず、切腹したり、ゴザルとか言ってはおられなかったけれど、どの選手も、やはりどこか「さむらい」的で、美しい強さをもって戦っておりました。陛下のおっしゃるように、伝統の問題は引き継ぐとともに、次世代にゆだねていくものでしょう。私どもの時代の次、またその次の人たちが、それぞれの立場から皇室の伝統にとどまらず、伝統と社会との問題に対し、思いを深めていってくれるよう願っています。

ヨーロッパでのオバマ

2009年04月08日 | オバマ
 オバマ米大統領は8日間の欧州、トルコ歴訪を終え7日、イラクの首都バグダッドに向かった。多国間主義を強調し、「米国が核軍縮や地球温暖化対策を主導する」と訴える同大統領を欧州は歓迎した。

 オバマ大統領は2日、主要20カ国・地域(G20)金融サミット後の記者会見で「私たちは共通の課題を協力して解決する責任を有する」と強調し、報道陣の拍手喝采を浴びた。英紙フィナンシャル・タイムズは「記者が政治家に喝采を送る光景など見たことがない」と記した。
 インドのシン首相は娘のためにオバマ大統領からサインをもらった。イタリアのベルルスコーニ首相はオバマ大統領、ロシアのメドべージェフ大統領と肩を組み、笑顔を振りまいた。
 フランスのストラスブールで行われたサルコジ大統領との会談前には、若い女性から歓迎のキスを受けるハプニングもあった。学生との対話集会には約4000人が詰めかけ、会場との軽妙なやり取りに聴衆は総立ちとなり拍手が鳴りやまなかった。
 英紙によると、金融サミットで、タックスヘイブン(租税回避地)のリスト公表を求めるサルコジ大統領と、マカオ・香港への影響を警戒する中国の胡錦濤国家主席が対立。オバマ大統領が2人に声をかけ、「G20はリストを“支持”する」という首脳宣言の表現を“留意”に書き換える案を示して合意に導いた。
 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議はデンマークのラスムセン首相を次期事務総長に選出したが、オバマ大統領は、同首相、デンマークで起きたイスラム教預言者ムハンマド風刺画問題を理由に反対していたトルコのギュル大統領と3者会談を開き、トルコに反対を撤回させたという。
 メドベージェフ露大統領との初会談で核軍縮交渉の即時開始で合意すると、5日のプラハ演説で「米国は核兵器を使用した唯一の核保有国として核廃絶に向けて行動する道義的責任がある」と宣言。温暖化対策でも指導力を発揮すると表明し聴衆を魅了した。