天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

心の型

2009年04月12日 | Weblog
 G20で記念撮影の際、オバマ米大統領がサウジアラビアのアブドラ国王の前で見せた、深くお辞儀するようなしぐさをめぐり、米国内の保守勢力が「米国の権威を損なう」と猛反発しているという。米大統領は外交儀典上、外国元首に一切お辞儀してはならないと定められているからだという。

 オバマ大統領がアブドラ国王の右手を両手で握り、頭を90度近く下げてお辞儀しているように見えるシーン。米ワシントン・タイムズ紙(7日付)は社説で、「国王の支配下にある者が行うような振る舞いで、前代未聞だ」と痛烈に批判した。ギブス米大統領報道官は、「大統領は国王より背が高いので、握手をした際にお辞儀したように見えただけだ」と説明している。一方、ワシントン・ポスト紙は、問題の「お辞儀」の写真を掲載し、コラムで「お辞儀だったとしても、それがそんなに大した問題だろうか」と書いている。

 オバマ米大統領とともにロンドンを訪れたミシェル夫人も、型にとらわれない振る舞いでメディアに様々な話題を提供している。ファッションが新聞で特集されたほか、エリザベス女王と面会した際に女王の背中に手を回したことが「英王室の儀典に違反した」「先に手を回したのは女王だ」などと論議の的に。

 今年2月17日、訪日したクリントン国務長官は、元大統領夫人として皇后様に会ったという。ヒラリーは自身の著書で「今まで会った人の中で、最も魅惑的な女性の一人」と皇后様を称えている。皇后様が訪米の際、当時大統領夫人だったヒラリーは、天皇陛下に常に半歩下がって付き添われている皇后様のお姿を見て、最初は戸惑ったものの、その後は受け入れていた。

 皇后様は、10日の記者会見で「伝統と共に生きるということは、時に大変なことでもありますが、伝統があるために、国や社会や家が、どれだけ力強く、豊かになれているかということに気付かされることがあります。一方で型のみで残った伝統が、社会の進展を阻んだり、伝統という名の下で、古い慣習が人々を苦しめていることもあり、この言葉が安易に使われることは好ましく思いません。また、伝統には表に現れる型と、内に秘められた心の部分とがあり、その二つが共に継承されていることも、片方だけで伝わってきていることもあると思います。」と。