天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

耳を傾けるために

2009年04月05日 | オバマ

欧州は「金融危機の原因は(米国流の)緩い規制」(メルケル独首相)、「誤った妥協による声明は支持しない。退席も持さない。」(サルコジ仏大統領)と規制強化を叫び、強硬姿勢で臨んだG20だったが、オバマ米大統領は「私は考えを示すため、そして講演するのではなく耳を傾けるためにロンドンにやってきた。」結果、数値目標も明示された見事な共同宣言。

オバマ米大統領は閉幕後の記者会見で「米国は聞き役になった時に最良の指導力を発揮できる」と語り、国際舞台へのデビューとなった金融サミットで国際協調の成果をあげたと強調した。 中国やロシア、韓国との首脳会談での協調の例として挙げたのが「北朝鮮が計画しているミサイル発射への対応」や核削減、アフガニスタン安定化など。オバマ氏は2日もインドのシン首相、サウジアラビアのアブドラ国王と会談。サミット期間中は6つの首脳会談をこなした。

G20後はすぐフランスへ。学生とのミーティングでも「私は学ぶため、聞くためにやってきた」と繰り返し、学ぶ姿勢、聞く姿勢が最良の結果をもたらすことをうったえた。オバマ氏は3,4両日にNATO首脳会議に出席した後、5日はチェコでEUとの首脳会議に臨み、6、7両日にトルコを訪問する。


チェコ訪問

2009年04月05日 | オバマ
 オバマ米大統領は5日、チェコの首都プラハ、フラチャニ広場で演説し、

 「人類の運命は我々自身が作る。ここプラハで、よりよい未来を求めることで、我々の過去を称賛しよう。我々の分断に橋をかけ、我々の希望に基づいて建設し、世界を、我々が見いだした時よりも繁栄して平和なものにして去る責任を引き受けよう。共にならば、我々にはできるはずだ。」と呼びかけた。

ともになら、できる ~プラハ演説より

2009年04月05日 | オバマ
 私たちが今日ここにいるのは「世界は変わらない」という声を無視した人がたくさんいたためです。私たちが今日ここにいるのは、壁のどちら側にいようと、どのような外見であろうとも、すべての人々にとって自由は権利である、とリスクを取り立ち上がって言及した人々がいたからです。私たちが今日ここにいるのは、プラハの春、つまり純粋で理にかなった自由と機会の追求が、(こうした)人々の意志を倒すために戦車と兵器の力に頼る者を辱めたからです。私たちが今日ここにいるのは20年前、この都市の人々が、新しい日の約束と、あまりにも長い間否定されてきた基本的な人権を主張するために街に繰り出したからです。
 Sametova Revoluce(チェコ語でビロード革命)(拍手)、ビロード革命は私たちに多くのことを教えてくれました。平和的な抗議は帝国の基礎を揺るがすことができ、イデオロギーの空虚さをさらすことができると教えてくれました。小国でも世界情勢で極めて重要な役割を果たすことができ、若い者でも古い紛争を乗り越えるに当たって先導的な役割を果たせることを教えてくれました。(拍手)そして道徳的なリーダーシップはどんな兵器よりも強力であることを証明しました。だから私は平和で団結し、自由な欧州の真ん中で話しているのです。それは普通の人々が、リーダー達が信じなかったにも関わらず、分裂は橋渡しされ得ると信じていたからです。壁は倒せると、平和が打ち勝つと信じていました。私たちが今日ここにいるのは、米国人とチェコ人が、今日のような日が来ることは可能であると、(当時は)予想しがたかったことを信じたからです。(拍手)
 今、私たちはこの共通の歴史を共有しています。しかしこの世代、私たちの世代は立ち止まることはできません。私たちも、選択しなければいけません。世界の分断は薄れ、より結合されるようになってきました。世界的な経済危機、気候変動、古い紛争のいつまでも続く危険性、破滅的な兵器の広がりと新たな脅威、といった出来事が私たちの管理能力を超えるスピードで動くのを目の当たりにしました。これらの問題はいずれもすぐに、簡単に解決されることはありません。しかしこのすべての問題は、お互いに耳を貸して協力すること、時折の違いではなく共通の利益に照準を合わせること、私たちを分裂させ得るどんな力よりも強い共通の価値観を再確認すること、を要求しています。これが、私たちが続けていかなくてはいけない仕事です。

 今日、焦点をあてる問題は私たちの国の安全保障と世界の平和にとって基本的なものです。21世紀の核兵器の未来についてです。このような兵器の拡散は止められない、監視できない、より多くの国家や人々が究極の破壊兵器を持つ世界に住むことを運命付けられていると主張する人もいます。そのような運命論は極めて有害な敵です。なぜなら核兵器の拡散が避けられないと信じるなら、それはある意味核兵器の使用が避けられないと認めているようなものだからです。
 米国は、核兵器国として、そして核兵器を使ったことがある唯一の核兵器国として、行動する道義的責任があります。米国だけではうまくいきませんが、米国は指導的役割を果たすことができます。今日、私は核兵器のない世界の平和と安全保障を追求するという米国の約束を、明確に、かつ確信をもって表明します。(Applause)この目標は、すぐに到達できるものではありません。おそらく私が生きている間にはできないでしょう。忍耐と粘り強さが必要です。しかし私たちは今、世界は変わることができないと私たちに語りかける声を無視しなければなりません。「私たちはできる」と断言します。(Applause)

 今朝私たちは、核の脅威に対応するため、より厳しい新たな手法が必要なことを改めて思い起こしました。北朝鮮が長距離ミサイルに利用できるロケットの実験を行い、再び規則を破りました。この挑発は、午後の国連安全保障理事会の場のみならず、核拡散を防ぐという私たちの決意の中でも、行動が必要であることを際立たせました。
 規則は拘束力のあるものでなければなりません。違反は罰せられなければなりません。言葉は何かを意味しなければなりません。世界はこれらの兵器の拡散を防ぐために共に立ち上がらなければなりません。今こそ厳しい国際対応をとる時です。(applause)北朝鮮は脅しや違法な兵器によっては、安全と敬意への道は決して開かれないことを理解しなければなりません。すべての国々は共に、より強力で世界的な体制を築かなければなりません。だから私たちは肩を組んで、北朝鮮に進む道を変えさせるために圧力を加えなければいけないのです。

 こんなに広範囲な課題を実現できるのか疑問に思う人もいるでしょう。各国に違いがあることが避けられない中で、真に国際的な協力が可能か疑う人もいるでしょう。核兵器のない世界という話を聴いて、そんな実現できそうもない目標を設けることの意味を疑う人もいるでしょう。しかし誤ってはなりません。私たちは、そうした道がどこへ至るかを知っています。国々や人びとがそれぞれの違いによって定義されることを認めてしまうと、お互いの溝は広がっていきます。私たちが平和を追求しなければ、平和には永遠に手が届きません。協調への呼びかけを否定し、あきらめることは簡単で、そして臆病なことです。そうやって戦争が始まります。そうやって人類の進歩が終わります。
 私たちの世界には、立ち向かわなければならない暴力と不正義があります。それに対し、私たちは分裂によってではなく、自由な国々、自由な人々として共に立ち向かわなければなりません。(Applause)私は、武器に訴えようとする呼びかけが、それを置くよう呼びかけるよりも、人びとの気持ちを沸き立たせることができると知っています。しかしだからこそ、平和と進歩に向けた声は、共に上げられなければなりません。(Applause)
 人類の運命は私たち自身が作ります。ここプラハで、よりよい未来を求めることで、私たちの過去を称賛しましょう。私たちの分断に橋をかけ、私たちの希望に基づいて建設し、世界を、私たちが見いだした時よりも繁栄して平和なものにして去る責任を引き受けましょう。(Applause)共にならば、私たちにはできるはずです。

イデオロギーの空虚さ ~プラハ演説より(対訳)

2009年04月05日 | オバマ
 私たちが今日ここにいるのは「世界は変わらない」という声を無視した人がたくさんいたためです。We are here today because enough people ignored the voices who told them that the world could not change. 私たちが今日ここにいるのは、壁のどちら側にいようと、どのような外見であろうとも、すべての人々にとって自由は権利である、とリスクを取り立ち上がって言及した人々がいたからです。We're here today because of the courage of those who stood up and took risks to say that freedom is a right for all people, no matter what side of a wall they live on, and no matter what they look like. 私たちが今日ここにいるのは、プラハの春、つまり純粋で理にかなった自由と機会の追求が、(こうした)人々の意志を倒すために戦車と兵器の力に頼る者を辱めたからです。We are here today because of the Prague Spring -- because the simple and principled pursuit of liberty and opportunity shamed those who relied on the power of tanks and arms to put down the will of a people. 私たちが今日ここにいるのは20年前、この都市の人々が、新しい日の約束と、あまりにも長い間否定されてきた基本的な人権を主張するために街に繰り出したからです。We are here today because 20 years ago, the people of this city took to the streets to claim the promise of a new day, and the fundamental human rights that had been denied them for far too long.

 Sametova Revoluce(チェコ語でビロード革命)(拍手)、ビロード革命は私たちに多くのことを教えてくれました。Sametova Revoluce -- (applause) -- the Velvet Revolution taught us many things. 平和的な抗議は帝国の基礎を揺るがすことができ、イデオロギーの空虚さをさらすことができると教えてくれました。It showed us that peaceful protest could shake the foundations of an empire, and expose the emptiness of an ideology. 小国でも世界情勢で極めて重要な役割を果たすことができ、若い者でも古い紛争を乗り越えるに当たって先導的な役割を果たせることを教えてくれました。(拍手)It showed us that small countries can play a pivotal role in world events, and that young people can lead the way in overcoming old conflicts. (Applause) そして道徳的なリーダーシップはどんな兵器よりも強力であることを証明しました。And it proved that moral leadership is more powerful than any weapon.

 だから私は平和で団結し、自由な欧州の真ん中で話しているのです。それは普通の人々が、リーダー達が信じなかったにも関わらず、分裂は橋渡しされ得ると信じていたからです。That's why I'm speaking to you in the center of a Europe that is peaceful, united and free -- because ordinary people believed that divisions could be bridged, even when their leaders did not. 壁は倒せると、平和が打ち勝つと信じていました。They believed that walls could come down; that peace could prevail. 私たちが今日ここにいるのは、米国人とチェコ人が、今日のような日が来ることは可能であると、(当時は)予想しがたかったことを信じたからです。(拍手)We are here today because Americans and Czechs believed against all odds that today could be possible. (Applause)

お互いに耳を貸す ~プラハ演説より(対訳)

2009年04月05日 | オバマ
 今、私たちはこの共通の歴史を共有しています。Now, we share this common history. しかしこの世代、私たちの世代は立ち止まることはできません。But now this generation -- our generation -- cannot stand still. 私たちも、選択しなければいけません。We, too, have a choice to make. 世界の分断は薄れ、より結合されるようになってきました。As the world has become less divided, it has become more interconnected. 世界的な経済危機、気候変動、古い紛争のいつまでも続く危険性、破滅的な兵器の広がりと新たな脅威、といった出来事が私たちの管理能力を超えるスピードで動くのを目の当たりにしました。And we've seen events move faster than our ability to control them -- a global economy in crisis, a changing climate, the persistent dangers of old conflicts, new threats and the spread of catastrophic weapons.
 これらの問題はいずれもすぐに、簡単に解決されることはありません。None of these challenges can be solved quickly or easily. しかしこのすべての問題は、お互いに耳を貸して協力すること、時折の違いではなく共通の利益に照準を合わせること、私たちを分裂させ得るどんな力よりも強い共通の価値観を再確認すること、を要求しています。But all of them demand that we listen to one another and work together; that we focus on our common interests, not on occasional differences; and that we reaffirm our shared values, which are stronger than any force that could drive us apart. これが、私たちが続けていかなくてはいけない仕事です。That is the work that we must carry on.

 今日、焦点をあてる問題は私たちの国の安全保障と世界の平和にとって基本的なものです。21世紀の核兵器の未来についてです。Now, one of those issues that I'll focus on today is fundamental to the security of our nations and to the peace of the world -- that's the future of nuclear weapons in the 21st century.
 このような兵器の拡散は止められない、監視できない、より多くの国家や人々が究極の破壊兵器を持つ世界に住むことを運命付けられていると主張する人もいます。Some argue that the spread of these weapons cannot be stopped, cannot be checked -- that we are destined to live in a world where more nations and more people possess the ultimate tools of destruction. そのような運命論は極めて有害な敵です。なぜなら核兵器の拡散が避けられないと信じるなら、それはある意味核兵器の使用が避けられないと認めているようなものだからです。Such fatalism is a deadly adversary, for if we believe that the spread of nuclear weapons is inevitable, then in some way we are admitting to ourselves that the use of nuclear weapons is inevitable.