天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

ストッパーを外すのは義務感

2017年09月10日 | スポーツ
 ◆陸上 日本学生対校選手権第2日▽男子100M決勝(9日、福井県営陸上競技場)

 日本初の9秒台を達成した桐生祥秀(21)=東洋大=は、左太ももに不安を抱えて今大会に臨んでいた。「出ない」はずの試合で9秒98の日本新記録。

 4時間前の200メートル予選で自己記録より1秒も遅い21秒41だった。前日の8日には出場自体も危ぶまれ「力が入らなくてスタブロが蹴れない。けがなく終われればいい」と話していたが、100メートルは「肉離れしても行かないと。けがしても良いくらいの気持ちだった」と。

 では、なぜリミッターは外れたのか。桐生は東洋大での4年間、100メートルと200メートルで1度も自己ベストを更新していないのが負い目だった。
 そしてもう一つ。第3レーンに、6月の日本選手権で敗れた多田がいた。当時日本歴代2位の記録を持ちながら、世陸の個人切符を逃した屈辱がよみがえった。「ここで負けたら、負け癖がつく」。我を忘れ、1本に込めるには十分すぎた。

 ここで9秒台を出そうとも思っていなかったのではないでしょうか。「このままではこれで終わってしまう。」の危機感。「ここでやらねば」の義務感がストッパーを外した。