天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

ボランティアのプロ

2009年04月17日 | Weblog
 「自分を活かすことが、新しい自分、新しい世界へとつながっていく」歌手/NPO法人 国境なき楽団 代表 庄野 真代の言葉。

 「あなたはどう思いますか?」私はこの問いに何にも答えられない恥ずかしさと、何も知らなかったショックで呆然としてしまった。こういう現実を知らないで旅はできない。そう思った私は「これからは、地球の素顔を見て歩こう」と決意。行く先々で痛感したのは、経済活動によって破壊されていく環境と、幸せや豊かさの基準を揺るがせるグローバル化の波。私の中で世界を見る観点がガラリと変わっていった。帰国後は、環境イベントなどで自分が世界で感じてきたことを伝えて回った。でも、そうした活動にやりがいを感じる一方で「自分の体験だけではなく、確かな知識や情報があればもっと説得力を持って話せるのに・・・」とも。
 そして、人間を取り巻く環境について世界のいろいろな人がいる場でもっと学びたいと、留学を決意。ロンドン滞在中には、ボランティア活動を行うと同時に、その仲間たちの協力を得てチャリティーコンサートを開催することもできた。仲間たちを見ていると、決して設備等が整っているとは言えないボランティアの場で工夫に工夫を重ねて能力を使うことによって、さらに能力を伸ばしている。完全に手弁当ではなく、交通費も昼食費も出るシステムも現実的で素晴らしいと感心した。
 彼らみたいに私も自分の能力を活かしたい。そう思ったところから、チャリティーコンサートのアイデアが生まれた。会場をあたる人、チケットを作る人、宣伝に詳しい人、楽器を借りる人、・・・。皆が協力してくれた結果、コンサートを成功させることができた。こうした体験によって、いつしか私もNPO法人を作りたいと思うようになり、3年前、ついにNPO法人「国境なき楽団」を設立した。音楽には人の心をつなげる力がある、そしてそんな音楽を支援のツールにすればみんなが行動に移しやすいと考えた結果だ。きっかけさえ上手くつかめば可能性は広がっていく。

 また、JICAで活動された原田勝征さんは「ボランティア活動を振り返ってみて思うことは、柔軟な発想を持つことの大切さ。現地に行けば、必ずギャップはある。そこで自分の専門性にこだわってしまうと何もできなくなってしまう。困難に直面しても、こちらが学ばせてもらうという気持ちで自分のできることを自由な発想で行っていけば、必ずや成果につながっていく。ボランティア活動の最大の魅力は、金銭的なものには変えることのできない「無形の報酬」が得られること。それは、多くの素晴らしい出会い、貴重な経験、達成感など、人によって様々でしょう。」

 ここにも、営利、非営利のこだわりのない、自分が人間としてできることに徹する、人間のプロがいる。