天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

人間の知性のピークは約2000年前

2012年11月21日 | 科学
 Trends in Geneticsで発表された最新の研究によると、人間はゆっくりですが、確実に知性と感情の能力を失っているのだそうです。これを発表したのはスタンフォード大学のジェラルド・クラブツリー教授。同氏の主張によると、人間の知性のピークは約2000年前で、それ以降は降下しているとのこと。主張は正しいようにも思えますが、論争の余地があるようにも感じられます。
 クラブツリー教授は、人間の知性とは、私たちの進化の過程の間に生じた幾千もの遺伝子の結果であるとが指摘しています。実際に遺伝の面から見ると、人間の知性は旧石器時代の間に今の形状に達しており、このレベルの知性はサバイバルに要求されるもので、必要な知性が得られなかった人達の遺伝子は淘汰されたと思われます。これに関してクラブツリー教授は、論文の中で「ハンターをまとめる人が食べ物やシェルターを供給する的確な方法を考えられない限り、その子供達や弟子と共に死んだでしょう。」と主張しています。
 しかし現代において、私たちの人生は旧石器時代と比較して大変容易になっており、生き延びたり子孫を繁栄させる為に賢くなる必要はありません。結果として、私たちは知的遺伝子を強化しなくなったとのこと。その為、私たちの脳は虫垂を始めとするその他突起のように萎んでいっているらしく、教授は、人間はますます知的障害を引き起こす変異を受けやすくなると懸念しています。
 具体的にクラブツリー教授は、人間の知性の特定のアミノ酸を指定する遺伝情報を持つ2000から5000の遺伝子が、約3000年の内(今から120世代向こう)にかなり退化すると計算しています。その時点で同教授は、我々は知性と感情の安定を妨げるに充分の、最低でもふたつ以上の厳しい変異を受けるだろうと予想しています。

 遺伝子変異レベルについて考えても仕方ありませんが、抑制遺伝子がうまく発現、発達しなかった人たちが淘汰されたということではないでしょうか。逆に言えば、遺伝子変異を成し遂げたのは、抑制遺伝子がよく発現し強化したもの。そして抑制が知性を生んできました。
 抑制遺伝子が強化されている人にとっても、この懸念される環境は更なる強化、変異を受けやすくなる環境にあると言えます。
 


「朝日新聞社報道と人権委員会の見解」抜粋

2012年11月12日 | 不易
「週刊朝日の橋下徹・大阪市長についての連載記事に関する、朝日新聞社報道と人権委員会の見解 2012年11月9日 朝日新聞社報道と人権委員会委員 長谷部恭男 委員 藤田 博司 委員 宮川 光治」より抜粋

 見出しを含め,記事及び記事作成過程を通して橋下氏の出自を根拠にその人格を否定するという誤った考えを基調としている。人間の主体的尊厳性を見失っているというべきである。

 報道を通じて差別や偏見などの不当な人権抑圧と闘うことを使命の一つとし,正確で偏りのない報道に努めなければならない報道機関として,あってはならない過ちである。本件記事の作成及び掲載に携わった者たちは差別に対する認識及び人権への配慮を欠いていたというべきで,編集部におけるチェック体制が的確に機能していないという問題も存在している。

 本企画については,その狙いの当否,各視点の相互関係,手法,表現のあり方等について,社内において慎重に議論すべきであった。しかし,これらを検討する資料となる企画書はなく,レジュメもコンテもない。佐野氏が示した連載展開の概要像も編集部で検討した事実はない。本件は,企画の段階において,慎重な検討作業を欠いていたというべきである。

 出自が人格と何らかの関連を有することがあり得るとしても,それは人格を形成する非常に多くの要因の一つにすぎないのであって,決定的要因とはなり得ないものである。出自と人格を強く関連づける考えは,人間の主体的な尊厳性を見失っており,人間理解として誤っているばかりか,危険な考えでもある。

 締め切り間際に表現の手直しに追われたため,今回はリーガルチェックを受けることもなく,最後は「時間切れ」の状況で,掲載に至っている。出自が人格を規定しているという誤った考え方を基調とし,主要部分を信憑性が乏しいインタビューで構成していることが問題なのであって,表現の手直しでは解消できる問題ではなかった。編集部としては,その点にいち早く気づき,本件記事の掲載を止めるべきであった。

 編集部は筆者のオリジナリティーを大切にしたいという思いがあったとしているが,そのような範疇の表現ではなく,事柄の重大性に対する認識が欠けていたといわなければならない。

 掲載後の対応にも問題があった。橋下氏が記者会見をした10月18日前日の17日夜に朝日新聞出版が発表した「今回の記事は,公人である橋下徹氏の人物像を描くのが目的です。」などとするコメントは,発行から2日経っていながら,本件記事の正当化とも受け取れるものである。また,18日夜に発表したおわびコメントや,週刊朝日11月2日号に掲載した編集長名での「おわびします」でも,タイトルや複数の不適切な記述に関するおわびにとどまっていた。この段階においても,問題の本質に気づいていなかった。
 連載中止については,佐野氏は「1回目だけを読んで判断すべきではない。中止は言論機関の自殺行為だ」としている。また,この問題に関する新聞等の報道では,中止は読者の期待を裏切り,知る権利を損なうことを意味すると指摘する識者もいた。しかし,連載を続けるためには,この問題についての検証,編集態勢の見直し,企画の狙いや記事執筆の基本的な考え方などの再検討,タイトルの変更などが必要だった。さらに,2回目以降も橋下氏の親族を取り上げることが予定されており,過ちを繰り返さないためには一層の慎重さが求められた。以上の点を考えると,継続は困難であり,連載中止はやむを得なかった。

 16日(火)の発売後、橋下徹・大阪市長が17日(水)朝、報道各社のぶら下がり取材で、この記事を批判し、「朝日新聞社やABC放送を含めて、朝日新聞社関連の質問には、答えることは控えさせてもらいたい」との考えを表明した。メディア各社からも取材が相次いだ結果、発行の責任は朝日新聞出版にあり、朝日新聞出版が対応すべき問題であることを明確にすることに注力することになった。
 そのため、同日午後7時に発表したコメントでは、「週刊朝日は、当社が発行する週刊誌であり、朝日新聞とは別媒体です。同誌を含め、当社の刊行物は当社が責任を持って独自に編集しています。今回の記事は、公人である橋下徹氏の人物像を描くのが目的です」と、「別媒体」であることを強調することに意識が集中してしまい、「おわび」の具体的な検討にまで至らなかった。
 雑誌統括は「原稿を止めきれずに、出してはいけないものが出た、おわびしなければならないと思った。ただ、朝日グループの取材拒否という事態に対し、市長や各メディアに『別媒体』であることをわかってもらうことを急いだ。それが結局、おわびの遅れにつながった」と話している。

オバマ勝利演説2012

2012年11月09日 | オバマ



 後半要所抜粋です。

 アメリカは、何をしてもらえるかという国ではありません。そういう国だったことは一度もない。協力し合って何ができるか、それがアメリカです。自治という大変な、なかなか報われない、けれども必要な努力を通じて。その理念こそ、この国の建国の精神です。

 私たちが豊かなのは、どの国よりも財力があるからではない。史上最強の軍隊を持つけれども、だから強いわけではない。この国の大学や文化は世界中からうらやましがられているけれども、世界中の人がこの国にやってくるのは、それが理由ではない。アメリカが特別なのは、地球上でもっとも多様なこの国をひとつに束ねる絆のおかげです。自分たちはひとつの運命を共有しているのだという、信念のおかげです。お互いや将来の世代に対する一定の義務を受け入れなければ、この国はうまくいかないという、そういう確信です。アメリカではあまりに多くの人が自由のために戦い、自由のために死んでいった。そうやって勝ち取った自由には権利もあれば責任もあるのだと。責任とはたとえば愛すること、思いやること、義務を果たし国を愛することだと。その信念があるからこそ、アメリカは偉大な国なのです。

 一生懸命働く気持ちがあるならば、何者だろうと構わない。どこから来たのでも、外見がどうだろう、どこを愛していようと構わない。黒人だろうが白人だろうが、ヒスパニックだろうがアジア系だろうがアメリカ先住民だろうが構わない。若くても年寄りでも金持ちでも貧乏でも、五体満足でも障害があっても、ゲイでもストレートでも。やる気さえあれば、ここアメリカではなんとかなる。

 こういう未来を、みんな一緒につかめると私は信じています。この国の政治が言うほど、私たち国民は分断していないからです。評論家たちが言うほど、私たちはシニカルではないからです。私たちは、個々人の野心の総和よりもはるかに大きい。そして赤い州や青い州の寄せ集めよりも大きい。私たちはこれまでも、そして永遠に、諸州が団結したアメリカという国(the United States of America)なのです。

オバマ勝利演説2012全文対訳3-1

2012年11月08日 | オバマ
 元植民地が自分たちの宿命を自ら決める権利を勝ち取ってから200年以上たったこの夜、この国の団結をより完成させるための仕事が、さらに前に進みます。Tonight, more than 200 years after a former colony won the right to determine its own destiny, the task of perfecting our union moves forward. 前進するのは、皆さんのおかげです。It moves forward because of you. 戦争や恐慌に打ち勝った精神を、皆さんが再確認してくれたからです。この国を深い絶望の淵から素晴らしい希望の高みへと引き上げてくれた精神のことです。私たちがそれぞれに個人の夢を追求する一方で、私たちはみな同じアメリカの家族なのだと。私たちはひとつの国、ひとつの国民として一緒に浮きも沈みもするのだという、信念のことです。 It moves forward because you reaffirmed the spirit that has triumphed over war and depression, the spirit that has lifted this country from the depths of despair to the great heights of hope, the belief that while each of us will pursue our own individual dreams, we are an American family, and we rise or fall together as one nation and as one people.
 この夜、この選挙では皆さんが、アメリカの人たちが、念押ししてくれました。私たちの旅路は辛く長いけれども、それでも私たちは立ち上がり、巻き返すために戦ってきたのだと。そしてアメリカ合衆国にとって最高の日々はこれからなんだと、私たちは胸の奥底で承知しているのだと。Tonight, in this election, you, the American people, reminded us that while our road has been hard, while our journey has been long, we have picked ourselves up, we have fought our way back, and we know in our hearts that for the United States of America, the best is yet to come. この選挙に参加した全てのアメリカ人に感謝したい思いです。初めて投票した人にも、投票するため延々並んだ人にも。ちなみにあれは直さなきゃならない。I want to thank every American who participated in this election; whether you voted for the very first time or waited in line for a very long time, by the way, we have to fix that. あちこちの歩道を歩き回った人も。電話をしてくれた人も。オバマ支持の看板を持った人も、ロムニーの看板を持った人も。皆さんは声を上げてくれた。そして変化をもたらしたのです。Whether you pounded the pavement or picked up the phone, whether you held an Obama sign or a Romney sign, you made your voice heard and you made a difference.

 つい先ほど、ロムニー知事と話をして、懸命に戦った選挙戦について知事とポール・ライアンに祝意を伝えました。I just spoke with Governor Romney and I congratulated him and Paul Ryan on a hard-fought campaign. 私たちは激しく戦った。けれどもそれは、この国を深く愛しているからこそ。この国の未来をとても大事に思っているからこそです。 We may have battled fiercely, but it’s only because we love this country deeply and we care so strongly about its future. ロムニー一家は、ジョージからレノア、そしてお二人の息子ミットに至るまで、公共への奉仕を通じてアメリカに恩返しをしてきました。From George to Lenore to their son Mitt, the Romney family has chosen to give back to America through public service. 私たちはこの夜、その伝統を尊重し称えます。And that is a legacy that we honor and applaud tonight. これから数週間の間にロムニー知事と一緒になって、この国を前進させるためにどう協力できるかをじっくり話し合いたいと思い、楽しみにしています。In the weeks ahead, I also look forward to sitting down with Governor Romney to talk about where we can work together to move this country forward.
 過去4年にわたり友人とパートナーでいてくれた人にも感謝したいです。アメリカの幸福な戦士、これ以上はないという最高の副大統領、ジョー・バイデンです。I want to thank my friend and partner of the last four years, America’s happy warrior, the best vice president anybody could ever hope for, Joe Biden. そして20年前に結婚を承諾してくれた女性がいなければ、今の私はありません。And I wouldn’t be the man I am today without the woman who agreed to marry me 20 years ago. 公の場ではっきり言わせてもらいたい。Let me say this publicly. ミシェル、今までで一番、君を愛してる。Michelle, I have never loved you more.僕が君を愛するように、アメリカ中が君をファーストレディとして愛するようになるのを、僕はずっと眺めてきた。こんな誇らしいことはない。I have never been prouder to watch the rest of America fall in love with you, too, as our nation’s first lady.
 サーシャとマリーア。みんなの目の前で君たちはどんどん大きくなって、お母さんにそっくりの、強くて賢くて美しい若い女性になっていく。Sasha and Malia; before our very eyes, you’re growing up to become two strong, smart, beautiful young women, just like your mom. 本当にすごく誇りに思ってるよ。And I am so proud of you guys. ただし当分の間は、犬は一匹で十分だと思う。 But I will say that for now, one dog’s probably enough.
 政治史上最高の選挙チームとボランティアのみんなにも。最高の、本当に最高の。To the best campaign team and volunteers in the history of politics, the best..., the best ever. 今回初めての人たちもいたし、一番最初から側にいてくれた人たちもいる。Some of you were new this time around, and some of you have been at my side since the very beginning. みんな、家族です。But all of you are family. 皆さんが今後何をするにしても、どこへ行くにしても、みんなで一緒に作ったこの歴史の記憶はあなたの中に残る。No matter what you do or where you go from here, you will carry the memory of the history we made together. そしてこの大統領は皆さんに終生、感謝し続けます。And you will have the lifelong appreciation of a grateful president.ずっと信じてくれて、ありがとう。あらゆる丘の上へ、あらゆる谷間へ、一緒に来てくれてありがとう。Thank you for believing all the way, to every hill, to every valley. 皆さんはずっと僕を盛り立ててくれた。皆さんの努力と素晴らしい働きに、僕はいつまでも感謝し続けます。 You lifted me up the whole way, and I will always be grateful for everything that you’ve done and all the incredible work that you’ve put in.

オバマ勝利演説2012全文対訳3-2

2012年11月08日 | オバマ
 選挙戦というのはくだらないものに見えることがある。ばかばかしく見えることだってある。それは承知しています。I know that political campaigns can sometimes seem small, even silly. そのせいで、政治なんてしょせんエゴのぶつかり合いでしかないとか、特定利益が支配する領域に過ぎないとか、そうやって斜に構える連中に冷笑されてしまう。And that provides plenty of fodder for the cynics who tell us that politics is nothing more than a contest of egos or the domain of special interests. けれども実際に私たちの集会に来てくれた人たち、高校の体育館でロープに沿って並んだ人たちの話を聞いてもらったら、あるいは自宅を遠く離れた小さな地区の選挙事務所で遅くまで働く人たちを見てくれたら、たぶん違うものを目にすると思います。 But if you ever get the chance to talk to folks who turned out at our rallies and crowded along a rope line in a high school gym, or saw folks working late at a campaign office in some tiny county far away from home, you’ll discover something else.
 そうすれば、働きながら大学に通う若い活動員の決意のほどを聞くでしょう。どの子供も自分と同じように大学に行けるようにしたいという、彼の強い思いを知るでしょう。You’ll hear the determination in the voice of a young field organizer who’s working his way through college and wants to make sure every child has that same opportunity. 地元の自動車工場がシフトを増やしたからやっときょうだいが働けるようになったという、若いボランティアに会えば、彼女がどれだけ誇りに思っているかを知るでしょう。彼女はそうやって誇りをもって、一軒一軒を訪ねて歩いたのです。You’ll hear the pride in the voice of a volunteer who’s going door to door because her brother was finally hired when the local auto plant added another shift. 深夜遅くまで電話をかけ続けた軍人の伴侶からは、国を愛する思いの深さを知るでしょう。国のために戦う兵士が決して、帰国してから仕事や住居で苦労しなくて済むように、その人は電話をかけ続けたのです。You’ll hear the deep patriotism in the voice of a military spouse who’s working the phones late at night to make sure that no one who fights for this country ever has to fight for a job or a roof over their head when they come home.
 だからこそ、私たちはこうしている。That’s why we do this. 政治にはそういう可能性がある。That’s what politics can be. だから選挙は大事なんです。That’s why elections matter. つまらなくなんかない。大きい。It’s not small, it’s big. 大事なんです。It’s important. 人口3億人の国の民主主義というのは、うるさくてごちゃごちゃしていて複雑なものになりがちです。Democracy in a nation of 300 million can be noisy and messy and complicated. みんな自分の意見を持っている。We have our own opinions. 誰もが信じる何かを深いところに抱いている。Each of us has deeply held beliefs. そして大変な時代の最中に、国として大きな決断をする時、感情がかき立てられ、対立がかき立てられるのは当然のことです。And when we go through tough times, when we make big decisions as a country, it necessarily stirs passions, stirs up controversy. この夜が明けても、それは変わらない。That won’t change after tonight. 変わるべきじゃない。And it shouldn’t. 私たちが議論するのは、私たちの自由の印です。自分たちが何かを主張しているまさにその時、遠い国々の人たちは、大事な問題について言い争うチャンスのために戦い、命を賭けている。私たちが今日そうしたように、投票する権利のために命を賭けている。それは決して忘れられない。 These arguments we have are a mark of our liberty, and we can never forget that as we speak, people in distant nations are risking their lives right now just for a chance to argue about the issues that matter, the chance to cast their ballots like we did today.

 私たちの間には色々な違いや対立がある。けれどもほとんどの人は、アメリカの未来はこうなって欲しいという一定の思いを共有しています。But despite all our differences, most of us share certain hopes for America’s future. 子供たちは、最高の学校と最高の教師がいる国で育って欲しい。技術や発明やイノベーションにおいて、世界のリーダーとしての役割を果たす国であってほしい。それがもたらす良い仕事や新しい事業の恩恵を受けられる、そういう国であって欲しい。 We want our kids to grow up in a country where they have access to the best schools and the best teachers, a country that lives up to its legacy as the global leader in technology and discovery and innovation, with all of the good jobs and new businesses that follow. 子供たちには、借金の重みに苦しんでいないアメリカで生きて欲しい。不平等のせいで衰退したり、温暖化の進む惑星の破壊にさらされたりしない、そういうアメリカで暮らして欲しい。We want our children to live in an America that isn’t burdened by debt, that isn’t weakened up by inequality, that isn’t threatened by the destructive power of a warming planet. 安全な国、世界中で尊敬され憧れられる国を子供たちに残したい。世界最強で最高の軍隊に守られる国を。と同時に、今の戦争の時代を自信をもって乗り越えて、全人類の自由と尊厳が保証される平和を築く側に立つ、そういう国を、子供たちに残したい。We want to pass on a country that’s safe and respected and admired around the world, a nation that is defended by the strongest military on earth and the best troops this world has ever known, but also a country that moves with confidence beyond this time of war to shape a peace that is built on the promise of freedom and dignity for every human being.
 私たちは寛大なアメリカ、思いやり深いアメリカ、寛容なアメリカを信じています。この国の学校で学びこの国の旗に忠誠を誓う移民の娘に対して、彼女の夢に対して寛大で思いやり深く寛容なアメリカを。シカゴのサウスサイドに住みながらもより広い世界を夢見る少年の夢に対しても。医者や科学者やエンジニアや起業家や外交官や、あるいは大統領にもなりたいと夢見る、ノースカロライナの家具大工の子供に対しても。We believe in a generous America, in a compassionate America, in a tolerant America open to the dreams of an immigrant’s daughter who studies in our schools and pledges to our flag, to the young boy on the south side of Chicago who sees a life beyond the nearest street corner, to the furniture worker’s child in North Carolina who wants to become a doctor or a scientist, an engineer or an entrepreneur, a diplomat or even a president. それが、それが、私たちが望む未来です。That’s the future we hope for. それが、私たちが共有するビジョンです。That’s the vision we share. それが、私たちの目指すべきところです。前へ(forward)。That’s where we need to go: forward. 私たちはそういう未来を目指さなくてはならないのです。That’s where we need to go.
 ただし、どうやってそこに行くべきかについては、意見がぶつかることもあるでしょう。時に、激しく。Now, we will disagree, sometimes fiercely, about how to get there. 200年前からそうだったように、進歩のペースはまばらなものです。As it has for more than two centuries, progress will come in fits and starts. まっすぐ直線に進むばかりではない。 It’s not always a straight line. いつもスムースに進むとも限らない。It’s not always a smooth path. 同じ希望や夢を共有していると認識するだけでは、膠着はなくならないし、問題も解消しない。合意形成のために苦労する代わりにはならない。この国の前進に必要な妥協点を見いだすためには、大変な苦労が必要です。希望は一緒だと認識するだけでは、その代わりにならない。 By itself, the recognition that we have common hopes and dreams won’t end all the gridlock, resolve all our problems or substitute for the painstaking work of building consensus and making the difficult compromises needed to move this country forward.
 けれども共有する絆を、出発点にしなくてはなりません。But that common bond is where we must begin.この国の経済は回復しつつあります。Our economy is recovering. 10年以上続いた戦争も終わりつつあります。A decade of war is ending. 長い戦いは終わりました。A long campaign is now over. そして皆さんに投票してもらう資格が私にあるかどうかはともかくとして、私は皆さんの声に耳を傾けてきました。And whether I earned your vote or not, I have listened to you. 皆さんから学んできました。I have learned from you. 皆さんのおかげで、より良い大統領になれました。And you’ve made me a better president. 皆さんの物語や戦いを抱えて、私はホワイトハウスに戻ります。やるべき仕事、待ち受ける未来について、今まで以上に決意を固め、意欲をもって。 And with your stories and your struggles, I return to the White House more determined and more inspired than ever about the work there is to do and the future that lies ahead.