天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

結婚50年会見2-1

2009年04月11日 | 不易
 天皇、皇后両陛下は、結婚50年を振り返られ、天皇陛下は「たくさんの悲しいことやつらいことがあったと思いますが、よく耐えてくれたと思います」「結婚50年を本当に感謝の気持ちで迎えます」「私ども二人を50年間にわたって支えてくれた人々に深く感謝の意を表します」とお話になる途中で、お声を詰まらせ、震わせられた。これに対し皇后様は、結婚当時の心境を「不安と心細さで心がいっぱいでした」、金婚式を「夢のよう」と述べられ「心を込めて感謝状をお贈り申し上げます」と語られると、両陛下は微笑み、お互いを見詰め合われた。

 天皇陛下 夫婦としてうれしく思ったことは、やはり二人が健康に結婚50年を迎えたことだと思います。二人のそれぞれの在り方についての話し合いも含め、何でも二人で話し合えたことは幸せなことだったと思います。皇后はまじめなのですが、面白く楽しい面を持っており、私どもの生活に、いつも笑いがあったことを思い出します。私は木は好きでしたが、皇后が木や花が好きなことから、結婚後、花にも関心を持つようになりました。

 語らひを 重ねゆきつつ 気がつきぬ われのこころに 開きたる窓

 婚約内定後に詠んだ歌ですが、結婚によって開かれた窓から私は多くのものを吸収し、今日の自分を作っていったことを感じます。結婚50年を本当に感謝の気持ちで迎えます。(ここで、お声が・・・)終わりに私ども二人を50年間にわたって支えてくれた人々に深く感謝の意を表します。

 皇后さま この50年間、陛下はいつも皇太子、また天皇としての、お立場を自覚なさりつつ、私ども家族にも深い愛情を注いでくださいました。陛下が誠実で謙虚な方でいらっしゃり、また常に寛容でいらしたことが、私がおそばで50年を過ごしてこられた何よりの支えであったと思います。

 天皇陛下 ちょうど私どもが結婚してからの50年は、様々な出来事の多いときだったと思います。結婚したころは必ずしも豊かでありませんでしたが、皆、希望に満ちて未来に向かって進んでいったのでないかと思います。そして、その前の時代に、戦争があり、その戦争の厳しい環境の中で、青少年時代を送ったことだと思います。このようにこの結婚50年の人々は様々な、そして共通した経験をして今日に至っていると思います。結婚50年を迎えられる人々をお招きして茶会を催し、それぞれの皆さんがたどってきた道を話し合うということは、私どもにとっても意義深いことだと思いますし、またお互いに話し合って楽しいひとときになるのではないかと期待しています。