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バイエルン・ミュンヘンとマルク・ファン・ボメルを応援しています

ファン・ボメル、「アグレッシブ・リーダー」について語る

2015-01-27 01:01:02 | Mark van Bommel

ファンボメルの新春初ショットはテバナフォトでした(^∀^)

さて

 

なんと4ヶ月近く前の話になりますが(汗)、14年10月、チャンピオンズリーグのトロフィーツアーで、オーストリアはウィーンを訪れたファンボメルであります。
その際にオーストリアメディアで行われたらしいインタビュー記事(こちら)を、毎度のざっくり意訳想像作文してみました。
超今さらなのですが、なかなか興味深い内容で、引退した今となっては、これだけの話がテキストに載るのはかなり貴重なものです。
オランダメディアなどではネットにインタビュー全文が出ることは滅多にないですからね(たいがい有料とか現物の紙面のみとか)。

かなりのボリュームがありますんで2回に分けます。
では、いってみよー

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― マルク、あなたはかつて、キャリアエンドの際は、サインカードにどれだけ多くのタイトルを獲得したかが書いてあることが重要だ、と言ったことがあります。今はサインする時に満足していますか?

ファンボメル:(ニヤリ)タイトルを獲得することは最も大事だよ。そこ(=サインカード)で、(選手が)何をしてきたかを知ることにもなる。もちろんお金の問題もあるけれども、だけど僕が思うのは、たとえお金をよく稼いだとしても、勝利できなかったとしたら、気分は良くない、ということだ。僕は4つの国でのこんなに沢山のタイトル(注:20)を誇りに思っている。

― あなたの最大の成功は2006年バルセロナでのチャンピオンズリーグ優勝です。このカップとこのコンペティションを唯一無二のものにしているものは何でしょうか?

ファンボメル:チャンピオンズリーグはクラブサッカーで最大のものだと思う。ヨーロッパではもしかしたらワールドカップより上かも知れないね。世界のベストプレーヤーたちがプレーしているのだから。トップスターたちはみんなトップのクラブと契約している。この大会に勝つということは、アメリカでのNBA決勝や、MLBワールドシリーズと同じようなものだ。優勝した者たちは、自分のことを世界で最高だと言えるようになる。

― スポーツにはつらい敗北が沢山あります。例えば、2010年バイエルンでCL決勝のインテル・ミラノ戦。乗り越えるのにどれくらいの時間がかかりましたか?

ファンボメル:ワールドカップのためにすぐにオランダに行ったので、ほんとに早かったよ。あのフィナーレを振り返ってみると、僕たちには殆どチャンスがなかったことがわかる。ミュラーに1対1になり得たシュートがあったかも知れないが、しかし、インテルの方がずっと良かった。感覚で素早く切り替えることができるものなんだ。不当な敗戦をした場合は克服するのはかなり難しい。

― 2010年W杯のスペイン戦で負けたことはどのように対処しましたか?

ファンボメル:これは難しかった。僕たちはロッベンによる、この試合最初の本当に良いチャンスがあった。1センチメートル外れてしまったが、僕たちは試合に勝利するはずだった。W杯の決勝が4年ごとに行われるということが(乗り越えるのを)さらに難しくしている。大抵の場合、このようなチャンスは一生にたった一回だからね。

― あなたには「アグレッシブ・リーダー」という呼び名が何年も付いて回りましたが、今日ではあなたのようなタイプを探し出すのはほぼ無駄です。彼らは失われてしまったのか、それとも単に必要とされなくなったのでしょうか?

ファンボメル:それはオットマー・ヒッツフェルトからの素晴らしい褒め言葉だった。他にもたくさんあるけど、彼はポジティブな意味で言っていた。試合を見てると、そういうタイプがますます少なくなっているのは事実だ。今ではみんなはまったく違った訓練を受けている。僕の世代では全てが違っていたけれど、それは普通のことだ。かつては誰も携帯なんか持ってなかったけど、今はみんなプレイステーションで遊ぶ。進歩は続く、フットボールでもね。だが僕のこういう考えは変わらない - チームには、アーチストにより良いプレーをさせるために、優れたタイプが必要とされているんだ。

― そういうタイプの選手は養成できるものなのでしょうか?

ファンボメル:それ(アグレッシブ・リーダー気質)が備わっているかどうかだ(←超意訳)。たしかに人は進歩することはできるが、完全に変身することはできない。「娘婿タイプ」が「アグレッシブ・リーダー」にならないのは、身体の中にすでにそれ(タイプ)があるからに違いない。(?)

― ドイツはいわゆる「フラット・ヒエラルキー(flachen Hierarchie)」でもって世界王者になりました。もしかしたら、成功するためには、もはやあなたのような「アグレッシブ・リーダー」は必要とされてないのでは?

ファンボメル:ドイツ代表はとてもとても素晴らしい選手たちを持った、物凄い一団だ。それでももちろんリーダーは必要だよ。たとえば、もしかするとかつての僕のような、唯一違うやり方をするバスティアン・シュヴァインシュタイガーのような選手がいる。確かに同じようなタイプの選手は沢山いるが、全員がいいプレーを出来るわけじゃない。ミランでは6、7人の僕に似た仲間たちがいて、機能できていたよ。

― あなたはPSVアイントホーフェンで、ÖFB*戦士であるマルセル・リッツマイヤーとプレーしていました。彼にはどんな印象を持っていますか?

ファンボメル:僕は彼といっしょに沢山の事をした。そして言えることは、彼は良い選手であるだけでなく、いいヤツだということだ。僕が試みたように、成長したいという欲求を持っている。僕たちがアイントホーフェンで一緒にいた時は彼はあまりプレー出来なかったので、その後カンブールにレンタルされた。そこでも僕は彼のことをフォローしていたんだけど、非常にいいプレーをしていたよ。今は戻ってきて、僕もPSVアイントホーフェンと非常に密接している。彼はとても良くやっているが、もっとひんぱんにプレーして、チームの中で仕事をする必要がある。そのための能力は持っている。

― 直近では彼はいろいろなポジションで、例えば左SBとして投入されたりしました。どこがベストだと思いますか?

ファンボメル:彼は左SBでもプレーできるが、中盤にこそ強みがあると僕は思う。だが監督が決めるべきことで、僕ではない。彼は走りが強く、良いテクニックと良いパスと良いシュート、成長し続けるために必要なものほぼ全てを持っている。

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*ÖFB…注がないので定かではありませんが、Österreichische Fußball-Bund(オーストリアサッカー協会)の略だと思われます。但しリッツマイヤーは確かアンダー代表のみで、A代表には招集されてなかったはず。

ファンボメルがカンブール時代もリッツマイヤーを応援していたのは社交辞令ではなく本当みたいですが、あいにく現在でもJongチームが主な仕事場になってますね…。

「娘婿はアグレッシブ・リーダーにはならない」というくだりは、自分はなるべくしてリーダーになったのであって、ファンマルヴァイクの娘婿だから、というわけじゃないんだぜ、と言いたいがための逆説的表現ではないかと思います。
自分に絶対的な自信を持っているファンボメルの、プライドが垣間見えます。(深読みしすぎ?)

ミランでの「ファンボメルと似たタイプ」は誰と誰のことかしら、とニヤニヤしながら考えます。
キャプテンのアンブロジーニ、ガットゥーゾ、キャプテン候補だったはずの(涙)チアゴ・シウバ、イブラヒモヴィッチとかかなぁ、と思いますが、表には知られていない、リーダー気質を持っていた意外な選手もいたりして?


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