漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 513

2024-09-10 05:10:44 | 貫之集

おなじ年四月の、尚侍の屏風の歌、十二首

ちとせといふ まつをひきつつ はるののの とほさもしらず われはきにけり

千歳をいふ 松を引きつつ 春の野の 遠さも知らず われは来にけり

 

同じ年四月の、尚侍の屏風の歌、十二首

千歳を寿ぐという小松を引きながら、春の野の遠さも忘れて私はやって来た。

 

 「おなじ年」は普通に考えれば 508 の詞書と同じ年、つまり天慶五年(942年)となりますが、508 には「九月」とあり、こちらは「四月」なので、歌が詠まれた年代順に並んでいるとするなら天慶六年(943年)ということになります。しかしそうすると今度は「おなじ年」ではなくなってしまいます。よくわからないですね。^^;
 「尚侍」は藤原忠平(ふじわら の ただひら)の娘、貴子(きし/たかこ)のこと。この二人は、「左大臣殿の御親子」として、332 にも登場しました。
 「十二首」とありますが、実際の収録は十一首です。

 



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