今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

低加水率の麺を打ち、初の塩ラーメンを野菜ポタージュに(加水率のまとめ)

2021年05月30日 | グルメ
 先に断っておくと、ラーメン(←近年オレンジ色はリンクにしている)はあまり食べてこなかった、麺を上手にすすれないんだ、
(子供の頃、すすれなくて知り合いのラーメン屋さんに超怒られ練習をさせられてからトラウマで好きではなくなってしまった・・・好きに喰わせてくれ涙、先ず味だろって・・・結局キライな事は上達しない法則のとおり未だに上手にすすれない・・)
 それでも塩ラーメンはサッポロ1番ばかり食べてきたのだが(あとはごく偶に中華三昧)。
焼酎の師匠とラーメンの師匠が同じ人だったのでラーメンブームの頃に牛骨ラーメンとかも行ったな・・・。

「野菜ポタージュ塩ラーメン」

「スープ①」
豚バラ肉と野菜を蒸した汁が余っていたので

冷蔵庫で冷ましてラードみたいな脂を固まらせ取り除き

2回ぐらい濾す。

鍋に入れ

温める。

「塩ダレ」
汚れを落とした小さな椎茸1本を切り分け(軸の先は捨てる)

微塵切りにし

人参等の余っている先や玉ねぎ・キャベツの端っこばも微塵切りし

灰汁を取ったら

とことん茹でて

適度な所で濾すとコンソメスープみたいな香りがする。

別鍋にスープを「半分」取り分け、その汁でカジキもサッと茹でて

やや多目の酒(大2)・薄めの砂糖(大1)・薄めの醤油(大1)と少し茹でていく。

カジキを取り出し、灰汁やカスを取って

塩を豪快に入れ溶かし

これを塩ダレという事にする

本当は魚貝類や鰹節等の乾物で塩ダレの出汁を取る事が多いが、今回スープが豚バラ肉の蒸し汁ベースなので、相殺する魚系の出汁を加える為に、カジキチャーシューを下茹でする事で塩ダレの出汁とした。
魚の臭みはラーメンスープの豚の茹で汁と、先程茹でた微塵切り野菜のコンソメ的なモノで3者互いに完全マスキング相殺
寧ろ私が知っているレシピでは、塩ラーメンの塩ダレに塩だけではなく酒や醤油・砂糖(味醂が苦手なので甘みをスッキリとさせる砂糖にした)等を入れる事が驚きだ・・・調味料が塩だけじゃないんだ?
(なんとなく感じてはいたがこうして自分で作ってみると、より明確になるというか)

『トッピング』
取り出したカジキは酒と砂糖・醤油で煮て魚のチャーシューに
(ただの照り煮だけど・・・)

茹で卵を半熟に茹で

剥いて冷やしたらカジキチャーシューの汁で漬ける

翌日カジキのチャーシューを炙ってみた。
(やはりあまり意味が無かったかも)

あくまで作る時のハナシね。

「スープ②」
塩ダレの冒頭で作ったこの煮きりきって濾した野菜の微塵切り群をどうするか・・・

(捨てたら勿体ないので)蒸し汁とミキサーにかけて

ポタージュっぽくややトロッとさせる事でトンコツとかの乳化の代用に。

そのまま食べる時まで冷蔵庫で保存。

もたないので早めに使う

「調理」
温めた丼に塩ダレ
これじゃ足りなかったけれど、辛いと嫌なので後で調整をした。

低加水の自家製麺や具材と合わせ、桂花みたいにキャベツもトッピングし、
和風『塩』ベジタブルポタージュラーメンの完成。
あ、海苔を忘れた・・・

ドロッとはしているのに野菜の効果で少しコクが足りなかったのでネギ油を足したら完成形にやや近付いた
う~ん、サイコーではないけれど、それなりに出来たし(あくまでもそれなり)、
醤油味噌は結構作ってきたけれど、初めての塩なのにベジタブルポタージュ戦法でドロッとさせる事をしつつ、塩ラーメンの構造がとりあえず体験出来た事は興味深かったなと。
カジキチャーシューは塩ダレの出汁を取る為と寂しいので乗せただけだが、その煮汁で漬けた半熟卵が尋常ではない美味しさだった!!
(これは成果として記憶をしておこう・・・こういう漬けるモノも出汁だよ、やっぱ出汁・・・使った漬け汁は鶏肉とか練り物系の煮物にでもするか・・・)

そりゃ塩ラーメンだからスープに結構塩気があったので(自身でラーメンを作ると解かるが『こんなに塩を入れんの???』と正直ビビるぐらい入れる)、全部飲まず、冒頭の豚バラ肉を野菜と共に蒸した汁に他の野菜炒めの余った汁も足し(←自分で食べるのだし)、翌日だが自家製麺の替え玉は1回「家系」っぽく、ほうれん草(←茹でてタッパに入れ常備菜にしていたものがそろそろ限界だったので)を乗せたラーメンを繰り返した上で

濾し

再沸騰させ

1度冷やした時に採取出来たラード部分を再利用し
中華風のやり方で、

野菜とシーフードミックスと合わせ、僅かにパラっと塩少々と胡椒を足し、海鮮塩焼きそばに
(あ、オイスターソースを入れればよかったなー、普段使わないから忘れていたわ・・・確かあったと思う・・・まぁ、出汁は効いているか・・・)

よく解からないけれど、かなり美味しかった。
食べ終わった後(生姜・ニンニクすら入れていないのに)身体ポカポカ・・・
結局、あの塩分を全部摂取した事になるがまぁ3日に分けてだし野菜を摂ると野菜のカリウムが体内の無駄な塩気を輩出し易くするからロジカルな原理でまぁ良しとした。
ビャンビャン麺(だっけ?)みたいに自家製やきそば麺を幅広にしたからか、やや焼きうどんパスタっぽくなったので、汁が少し多かったのかもう少し汁を煮詰め濃縮をしてから味を付ければより良かったかも。
塩気が強過ぎても嫌だなとビビってしまった・・・)


「低加水率の製麺について」

加水率粉100gに対する水分量の割合のこと
:加水率35%だったら粉100g:水35gというような感じ。

いつもはうどんも作るので多加水の製麺をしているが(失敗をしづらい気がするし)、今回はヌイユ伊府麺のように低加水の製麺に挑戦をした。

「潅水(かんすい)」は中々手に入らないので重曹で
(重曹はあまり入れ過ぎると重曹臭くなるのでホンの少し、潅水や重曹の臭いが嫌で入れないプロの人も過去に居たぐらいだし)
本当は水等で溶いて入れるのが正式だが、今回は量も少ないし、加水率の変化を見たいので粉を入れてよく混ぜた。

塩も塩っ辛いと嫌なので適度に

水は加水率35%又は30%以下から低加水と出てきたので、間を取って33%

いつもの加水率の多い麺なら換気扇を回して乾燥させた状態で乾燥させながら適度に調整をしていくのだが、今回はただでさえ水分が少ないので換気扇は回さなかった

確かにまとめヅライ・・・
まるでショートクラストパフペイストリーの初期みたいだ・・・
本当はこのボロボロの時点で休ませるとやり易いのだが

なんとかまとまった。

とりあえず生地と生地のグルテンを繋げる為に濡れ布巾でボウルを覆ってパフペイストリーやピッツアみたいに生地を休ませてみよう・・・

ヌイユみたいに硬いね・・・
伊府麺みたいに手で伸ばしても面白かったかな・・・

何度か3つに折っては向きを変えローラーを繰り返し、よりグルテンを出す。

ちょっとづつ通していくと。。。

なんとかこんな感じで・・・

余り伸ばし過ぎると加水率の低い麺は壊れ易くモロそうだから切れてしまうので
適度な所で切って、少し干して更に加水率を下げる。
あまり干し過ぎると、今度はローラーで回せず、包丁で切るハメになるので注意)

セットして

どうかな・・・

おお~中々良い感じ

うん、なんとなく博多天神のラーメンの遠くに観える茹でる前の段階にやや近く付くような・・・

乾かないようにタオルを敷いた上に乗せ

寝かしてプツンとした歯応えを演出しよう・・・

オリジナルの塩ラーメンに。

リフトアップ、なんかサッポロ一番みたいな麺だな
(やはりあれは乾燥をさせてあるから超低加水麺だろうか?)

確かに加水率が低いとスープを吸い易く、のびていく時間が早いわ・・・
もの凄い速度で伸びていく、これは茹で加減を「カタ」か「バリカタ」、又は麺の細さによっては「粉落し」も有り得るのかもしれない・・・

という事で今度は更に加水率を下げ29%前後を切るぐらいに。

うわっ、これ難しい・・・

中々ひとまとまりにならなくて、かなり寝かせたわ
(水を入れた段階でよく均す時に、ジックリ時間をかけないとならなかったのかもな、確かに低加水麺はコストがかかるというが時間のロスもあるのかも)
気温が気温だったので乾燥をしないようにし冷蔵庫へ入れて熟成(←それでも乾いてしまい、僅かに水分を1回目に足りないぐらいの硬さまでだけれど足した)。

少し足しただけでこんなに・・・(それでもいつもより低加水)

低加水の麺は幅広なら伸びにくいのではないか?と麺と細麺を作ったんだ。
(共にうちの玩具のパスタマシーンで線番5←いつも4までにしていたから未知の領域)

幅広はビャンビャン麺(だっけ?)みたいだな・・・

う~ん、良い感じ

細麺は、うわっ、もっと良い感じ!!
これ博〇天神の茹でる前の店員さんが手に持っている麺の雰囲気に何処となく似ている部分もある・・・

う~ん、本当は幅広の太麺をラーメンにし、細麺を「やきそば」にしようかと考えていたのだが、急遽逆にする事に決めた。
この細麺をカタ、又はバリカタで食べてみたい!!

という事で、いつもの焼きそば麺制作のように太麺を油を塗った蒸し器で

中心を開けて蒸す。

専門書は蒸篭に入れ強火で15分らしいが、8分とかの情報も出てきたので、幅広だし12分ぐらいで。
(本当は良くないのだが途中1回湯を足した、まぁ良くないって言っても死ぬ訳ではないので焦げ付くよりはマシかなと
※それでも鍋を動かした時、少し溶けて鍋の側面に付いたので、鍋の側面にも油を塗った方が良いのかも

直ぐに沸騰をした熱湯で10秒~20秒ぐらい茹でて

まな板の上に拡げ、冷ます。

伊府麺みたいに蒸した後や茹でた後に油をまぶすレシピが多いし(茹で汁にも油を入れるレシピもある)、やはり油をまとわせないと麺同士がくっつくので私もまぶした。

ビニールに袋詰めもいいが、勿体ないのでタッパに入れておいた。

細麺でカタ
以前45秒だったのを30秒に。
(麺の細さも1段階細いし)
手が遅いのと写真を撮るので25秒で上げて仕上げる。

結構違う、より博多ラーメンに近くなった印象

塩焼きそば麺は

無茶苦茶美味しかったけれど、中華風にしたのでかけた汁が多かったのか、やや焼きうどんっぽくなってしまったかな。
多分、低加水だから水分の吸収が多く
(あ、まさか、吸収と九州をかけていないよね???)
蒸した時の蒸気
その後に茹でた時の水分吸収量
当日に食べなかったのでやや麺表面の劣化
油の吸い方
野菜や汁の水分量を吸収をした。
これらの水分量で麺がややのびた焼きうどんっぽい印象になったかな・・・苦労したワリには・・・
(※絶対低加水の食感が、焼きそばのゴワっとした食感とリンクすると思ったのだが、その製麺した時点でその水分量が抜けたピークの状態になっているのかなー)

今まで加水率の高い麺の方がラクで、加水率の低い麺の方がどんなものでも美味しくなるのかと思っていたが、合わせるスープや茹で加減でモノによるんだなーって。
組み合わせは無限大というか・・・

(確かにコスト的にも、使われている同じ粉の量の場合、加水率が高い麺の方が当然多く出来るという・・・)

「絶対とは言えないが」、
多加水の麺が福島の喜多方とか北海道の札幌(←因みに旭川は他と差別化を図る為?、低加水の事が多いらしい)等、東は多加水の率が比較的高い感じで、
関西はうどん文化だとして(←うどんも加水率が高い気がする・・・)
温かい九州が低加水の麺を使う事が多いというのは、
気温が北よりも高く、製麺時の空気の乾燥度合いに湿気が元からある為、自然と加水率が低めの製麺方法になっていったのではないだろうか?と、ちょっと推測をしてみた。
(多分、北国よりも乾燥はしていないハズ)
雨が多い長崎の「ちゃんぽん」の麺や、モンスーン的な(←1度この言葉を使ってみたかっただけ、合っているかどうかは解からん)湿度のある沖縄の沖縄そばの麺の加水率も調べてみたい。
(太目だから、もしかしたら加水率が高くても裁断とか大丈夫なのかもな・・・)
あと、寒い国ではアツアツにするから、急いで食べると火傷をする為、のびにくい多加水になったのではないだろうか?という事も推測出来る気がする。
いずれにしても自然と地域性がそうさせたのではないだろうか?

「まとめ」

低加水の麺(35%以下~又は30%以下と出てきた)の特徴

長所
スープを吸収し易いので当然スープと絡み易い
小麦粉自体の味をストレートに感じ易い
水分が少ない為、保存に向いている。
固めが多い。

短所
水分含有量が少ない為に直ぐ伸びてしまう(←だから博多ラーメンの様に短時間で食べ切ってしまう事に向く)。
多加水よりも製麺的にコストがかかる。
(短所ではないかもしれないが)食感がややゴワゴワ・ザワザワ等ゴソっとしていると表現をされる事もある。

多加水麺の特徴(加水率35%以上~又は40%以上)

長所
元から水分含有量が豊富なので新たにスープが入ってくる事を妨害する為、時間が経ってものびにくい
水分で増えるので製麺的にコストが低加水よりも多く採取出来る。
麺がツルツルとしている
麺がモチモチとしている

短所
スープを吸収しにくくスープと絡みにくい為、味の濃淡が濃かったり、コッテリドロドロしたスープやつけ麺等によく合うらしい(スープと具材を一緒に食べるイメージの全体像)。
水分含有量が多い為に保存には不向き

一長一短なんだな・・・今回のベジタブルポタージュ塩ラーメンはこれに照らし合わせると絶対ではないけれど合わない組み合わせだったんだな。。。
基本的な方向性なので覚えておこう。
パスタとかピッツァ?にも応用出来るかも)。

一般的に加水率35%前後が世間に流通をしているようだ・・・



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