ちょっと趣向をこらしたB級ホラーやSF映画が大好きです。「デビル・ハザード」(10月24日公開)は、それらを足して2で割ったような作品。中東・某国の砂漠地帯、地底900メートルで謎の遺跡が発見される。そこには、数千年前に神の手で封印された邪悪な存在が眠っているという設定。その発掘を極秘に行っていたCIAの調査隊が消息を絶ち、同道していた考古学者の娘が7人の傭兵を雇い救出作戦を開始。だが、地底で彼らを待っていたのは地獄の修羅場だった…。舞台が騒乱の地・中東、その地下神殿に堕天使と呼ばれる地球外生物らしきものが氷漬けにされているというアイデアが面白い。さらに、不思議な幻覚が隊員たちを襲い、一行の潜在意識が実体化するというくだりは、「惑星ソラリス」(72年)や「ソラリス」(02年)の原作であるスタニスワフ・レムの傑作小説を思わせます。
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監督は、名優ショーン・コネリーと、女優ダイアン・シレントとの間に生まれた息子、ジェイソン・コネリー。彼は、俳優としてキャリアをスタート。TVや映画に出演し、08年、SFパニック「合衆国感染」(劇場未公開・DVD発売)で監督デビュー。96年に女優ミア・サラと結婚し、02年に離婚。「デビル・ハザード」には、キューバ・グッディング・ジュニア、ロン・パールマン、レイ・ウィンストンらの個性派俳優が出演。封鎖された地底という極限状況の中で、隊員が不気味な生存者と出会い、奇怪な生物の魔力に翻弄される過程が、いかにもB級映画のタッチで展開される。初代ジェームズ・ボンド役で国際スターになったショーン・コネリーの息子が、オタク好みのSFやホラー作りに精を出すとは…。でも、ショーン主演、ジェイソン監督なんていう作品も、そのうち見てみたいものです。
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