昨年公開された「ザ・フィースト」(05年)は、ベン・アフレックとマット・デイモン主催の新人発掘脚本コンテストから誕生したスプラッター・ホラーでした。製作総指揮はアフレック、デイモン、クリス・ムーア、ウェス・クレイブン。テキサスの田舎のバーで客とモンスターが繰り広げる凄惨な戦い。ブラック・ジョーク満載のホラー・ディテールが型破りだった。その続編「フィースト2/怪物復活」(6月27日公開)と「フィースト3/最終決戦」(7月4日公開)が連続上映される。舞台は、怪物の襲撃でゴーストタウンと化した街に移り、オバカ・キャラと、モンスターの血まみれの戦いが続く。監督は、ともにPART1と同じジョン・ギャラガー。PART2と3を同時撮影、情け容赦なし、血肉飛び散り、手足が吹っ飛ぶ、色気もたっぷりの超ハード・バイオレンス・シーンの連続なのだ。
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でも、少しもドキドキしないし、ぜ~んぜん怖くもない。それは、映画が面白くないということではまったくない。あっとビックリのプロットの連続なのだけど、すべてがブラック・ジョークに彩られていて大笑い、ホラーとコメディの要素が巧みに融合されているからなのです。それに何よりも、作者たちはトンデモナイ映画マニアらしい。「イージー・ライダー」を思わせるカッコいいバイカー・クイーン一行、カッコつけてるけど冴えない登場人物たち、B級西部劇のようなドラマ展開、チーットも恐ろしくないモンスターたち。それに、監督の父親で、「バタリアン」「ヒドゥン」などのベテラン俳優クルー・ギャラガーが主要キャラのバーテンを演じて、映画の流れに重厚な(?)アクセントを与えている。
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おまけに、ラストでは胸おどる(?)主題歌「フィーストのバラード」が流れ、サイレント映画でよく用いられたアイリス・アウトの手法(カメラの絞りが閉じるような形で終了する)が用いられる。脚本も、PART1同様、パトリック・メルトンとマーカス・ダンスタン(「ソウ4」「ソウ5」)。映画好きたちが、よってたかってハチャメチャなドラマ展開を楽しんでいる感じ。そうしたお遊びの姿勢は、まるで、型どおりの凡作があふれているハリウッド製の大作群を笑いとばしているように思われて、愉快、痛快! この続と続々編には、アフレックとデイモンは関係ないみたい。映画少年たちには、たまらないモンスター・サーガなのです。
サボテンの花が咲きました
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