覇王の馬券密議

中央競馬の壮大な演出劇の真実・・・ターフ裏の怪人が饒舌に説き聴かせる回顧と予想

2004年12月11日 私が別ブログに書いた記事<再録>

2005年11月05日 18時02分16秒 | Weblog
  クリスマスのトナカイ


 クリスマスまであと14日。今から20年前のクリスマス前の23日、暮れの中山競馬場のメイン有馬記念はシンボリルドルフとかいう当時の最強馬が勝った。馬が抜けて強かったからじゃそうじゃが、馬体や血統がどうのという御仁はさて置き、わしはこの馬は最初から暮れの中山有馬で勝たせるためその年の演出を謀ってきたと見る。クリスマスソングに「赤鼻のトナカイ」いうのがあっての。~真っ赤なお鼻の トナカイさーんは~ で始まる定番ソング。が、この歌の原題を知る日本人 いや競馬ファンは多くないな。このうたはもともと、Rudolph The Red Nosed Reindeer と言う。赤い鼻のトナカイ、ルドルフ。そう、紛れも無く、ルドルフとは、サンタはんが乗ってはるトナカイの名前なのじゃ。これ知ったときわしも驚いたの。ルドルフとはクリスマスゆかりのトナカイ、いや馬なのじゃ。これクリスマスシーズンたけなわのレース 年末の有馬記念で勝つも当然。シンボリの勝負服もおあつらえ向きに、赤輪が袖に入った緑地のクリスマスカラーに白の襷たるはクリスエスでファンは御存知じゃろ。このルドルフ、翌年85年も有馬記念を勝つ。ほんに競馬は仕掛けじゃで。



 何時だったか、中山競馬場の改修で、ゼラニューム広場とか何とかを待ち合わせ交流場所とか言って贅を尽くし造ってきた。中山でその完成お披露目時の晩秋の京都マイルチャンピオンシップGⅠ、全く人気薄のパッシングショットちゅうのが勝ったが、勝利騎手 楠はんは地味で関東では無名に近いジョッキー。この楠=クスノキ が英語でゼラニューム ということを知らねばならん。つまり京都の大レースで千葉の競馬場の新名所の名前の騎手を発射させたわけじゃ。



 ま、戻って、このルドルフ=世界一有名なトナカイ説 を唱えるわしは、俄然その子供のある一頭に注目した。言うまでも無く、トナカイテイオー あいやトウカイテイオーである。3冠馬の仔、テイオーは皐月 ダービーとクラシックを勝ち、骨折休養に入ると、翌年の有馬記念にJCを単勝10倍でわしを儲けさせてくれた上、勇躍出走してきた。赤鼻のトナカイで赤の3枠に入ったテイオーをわしは買い、わしの単勝は師走の雪と消えた。勝ったのはメジロパーマー、2着にテイオーと同枠のレガシーワールド。枠連で押さえたはいいが、なぜじゃ!と納得できぬルドルフの仔、トナカイの親分の敗戦じゃった。テイオーテイオーと連呼する世間を尻目、ゴルフ界では帝王ニクラウスと劣らぬ世界ビッグ3の一人アーノルド・パーマーが逃げ切る。にも増してこの年の 夢 を考えると、オリンピックにNBAのオールスターがドリームチームとして勢揃い、圧勝の金メダルで世界を驚嘆させた年だったのじゃ。パーマー レガシーの枠連は2-3じゃが、ドリームチームの中心、アーヴィン・マジック・ジョンソン マイケル・ジョーダン 二人とも、背番号は32と23。また二人ともイニシャルは MJ で、これMEJIROのMJと一致す。パーマー(palmとは掌)とは、手のひらで魔術めいたものを見せる業師のこと。この二人の神様クラスのバスケのプレーヤーさながらの呼び名ではないか。かく、見事肩透かしじゃが美しく憎い演出を施したJRA。



 翌年、一年ぶりのレースで、トナカイテイオーは再び有馬をぶっつけの復帰戦で使ってきた。常識的には、ま、常識とは馬がレースを使いながら、好不調の波に見舞われ、あたかも全力疾走して、レースはやってみないと誰にも結果は分からないと言う立場にたってのことじゃが、人都合でレースを演出しておると考えるわし、常識的に疑問符以上の首を傾げる出走にも、わしは今年こその思いでわくわくの日々じゃった。果たして、テイオーは再び3枠に入り、レースインフォメーション(JRAのレースコピー)は、「いつかまた、あなたと話したい。」 じゃった。格好のお膳立て。歴史的な名場面を見せるとの向こう側からの合図である。このテイオーと当時1番人気、さつき ダービーとも2着に敗れ、しかし秋の菊花賞で堂々完成したサラブレッドであるかの姿を披露したビワハヤヒデとの、馬連が30倍以上とは、美味しいの一言。やはり、演出、トウカイテイオーはトナカイの王。クリスマスのサンタの御手馬(トナカイ) ルドルフの仔じゃった。ま、人気投票レースの有馬とて、トナカイそのものの出走はミドリマキバオーのダービー制覇以上の難事の極みじゃからの。わしは三頭しか買ったことの無いこの馬のぬいぐるみ(あとはオグリ バブルガム)を買い、アンドロメダと某高層ホテルの最上階バーにて、余らのかわゆきテイオーを祝す杯を空けた。



 勝馬余話をもう一つ。皆みなも、お江戸に住まいしておる以上生涯一度はお伊勢さまにお参りしたいとの念願を心にかけておろうのう。わしのような隠居になるとな、墓参りが楽しみの一番じゃが、お伊勢さま(伊勢神宮)はの、かの天武帝の御世に20年に一度は遷宮即ちお宮を壊し建て替えるという典礼を定めこれを1300年からかたくなに守り通して今日に至っておると言うことを知っておるかの。近き遷宮は平成5年に執り行われておる。ということは今から11年前で1993年のことじゃがこの年の有馬記念を勝った馬こそ!件のトウカイテイオーなのじゃ。どうだ、おわかりか。トウカイ(東海)とは暗にお伊勢さまを示しておるのではないかの。20年に一度の伊勢神宮遷宮の年の有馬記念で、トウカイの馬名馬が勝つ。これは偶然かの。人の作為かの。はては八百万(やおよろず)の神意かの。



 今年ももう直ぐ、夢舞台有馬記念。近年の都市周辺のイルミネーションは息を呑む見事さで、夜間照明術自体に行政側が審美眼的理解を広めてくれている。ま、宗教儀式でなく、イベントじゃが、心の敬虔さを確認する場として、祝福の列に連なろうではないかえ。



 明日、朝日杯何とかちゅうレースじゃが、わしは次のことを考えた。来年のイメージメインキャラは中居正広はん。これを耳にして、すぐさま思うのは、マヤノトップガンはじめ、一流ホースを多数手がける名人 坂口正大(まさひろ)トレーナーはじめ、いつ マサヒロが発射してくるか、じゃった。明日の朝日杯、堀井雅広(まさひろ)調教師の馬が出走してくる。レコルト=収穫 と言う意味の馬名でじゃ。わしは、このような、まだ一般認知度の高まる前のマサヒロネタ、先手を打って買いと見る。グリーグの作品の主人公の名前の馬が人気じゃそうじゃが。いずれにせよ、このマサヒロの馬、来年の動向は注視。




 筆者注・05.11.5  ダービーでも菊花賞でも、加藤マサヒロ調教師の馬 シャドウゲイト が連対枠に同居していたこと、無論皆様には心得ておられようと存ずる。
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