
正月に皆さんはどんな雑煮を召し上がったのだろう。醤油や味噌仕立ての汁、豆腐や鶏肉の具材、器を彩る小松菜やほうれん草の青味に蒲鉾や人参の赤味等、地方、家庭により異なるのが雑煮で、主役の餅も焼いて香ばしさを付けたり、生のまま汁に入れて煮る違いもある。形は四角や丸の違いはあれどほとんどは切り餅だが、なかには餡入りの餅を入れるのが習慣という地もあるという。
その餡入り餅が好きだったのは、昨年11月22日に亡くなったポール・モチアンだ。本当か?と、あることないことを書いている拙稿だけに99パーセントの方は疑りの眼差しで見るかもしれないが、「Motian」はモーシャンと表記するのが正しいのに餡入り餅の嗜好からモチアンとされたともいわれる。さて、モチアンを最初に聴いたのは?と問われると99パーセントの方はビル・エヴァンスと答えるだろう。そう、見合い写真のようなジャケットの「ポートレイト・イン・ジャズ」で・・・エヴァンス、スコット・ラファロ、そしてモチアンの三者一体となったトリオはリリシズムの極致でありピアノトリオの芸術といえる。
後にはキース・ジャレットやポール・ブレイとの共演でも知られるモチアンは、自己のグループでもECMに多くの作品を残していて、曲はほとんどが自身の作だ。なかでも「Conception Vessel」は、これがドラマーの自作曲か?と思わせるほど幻想的であり、なるほどドラマーのリーダー作だ!と納得するほど楽器編成を変えることで変幻自在なドラミングを繰り広げている。メンバーが誰であろうと曲が何であろうと、モチアンが入れるスネアやシンバルのタイミングは絶妙で、以前、チャーリー・パーシップでも触れたが、ドラマーの資質はタイミングなのである。その一音で名演になるといっていい。
追悼記事なのに餅を引き合いに出すとは不謹慎だと叱れそうだが、餅つきを思い出してみよう。杵がスティックなら臼はドラムである。餅つきの経験がある方ならご存知だろうが、粘りのある餅をつくには杵の強弱の加減が難しい。強くては味ばかりか臼も壊してしまうし、弱ければ粘りのない砕け餅になる。スティックの僅かな加減がそれを歴史に残る名演に変えてしまう。名人がついた餅はどんな雑煮に入れてもうまい。
その餡入り餅が好きだったのは、昨年11月22日に亡くなったポール・モチアンだ。本当か?と、あることないことを書いている拙稿だけに99パーセントの方は疑りの眼差しで見るかもしれないが、「Motian」はモーシャンと表記するのが正しいのに餡入り餅の嗜好からモチアンとされたともいわれる。さて、モチアンを最初に聴いたのは?と問われると99パーセントの方はビル・エヴァンスと答えるだろう。そう、見合い写真のようなジャケットの「ポートレイト・イン・ジャズ」で・・・エヴァンス、スコット・ラファロ、そしてモチアンの三者一体となったトリオはリリシズムの極致でありピアノトリオの芸術といえる。
後にはキース・ジャレットやポール・ブレイとの共演でも知られるモチアンは、自己のグループでもECMに多くの作品を残していて、曲はほとんどが自身の作だ。なかでも「Conception Vessel」は、これがドラマーの自作曲か?と思わせるほど幻想的であり、なるほどドラマーのリーダー作だ!と納得するほど楽器編成を変えることで変幻自在なドラミングを繰り広げている。メンバーが誰であろうと曲が何であろうと、モチアンが入れるスネアやシンバルのタイミングは絶妙で、以前、チャーリー・パーシップでも触れたが、ドラマーの資質はタイミングなのである。その一音で名演になるといっていい。
追悼記事なのに餅を引き合いに出すとは不謹慎だと叱れそうだが、餅つきを思い出してみよう。杵がスティックなら臼はドラムである。餅つきの経験がある方ならご存知だろうが、粘りのある餅をつくには杵の強弱の加減が難しい。強くては味ばかりか臼も壊してしまうし、弱ければ粘りのない砕け餅になる。スティックの僅かな加減がそれを歴史に残る名演に変えてしまう。名人がついた餅はどんな雑煮に入れてもうまい。
昨年、80歳で亡くなったポール・モチアンは、半世紀以上に亘って第一線のドラマーとして活躍した人です。今週は、リーダー作、サイド作問わずモチアンのお気に入りをお寄せください。
管理人 Paul Motian Best 3
Portrait in Jazz / Bill Evans (Riverside)
Conception Vessel / Paul Motian (ECM)
Somewhere Before / Keith Jarrett (Atlantic)
リーダー作、サイド作とも多くのアルバムがありますので何が挙げられるのか楽しみです。
我が家の雑煮は醤油仕立ての汁に四角い切り餅を入れます。具材は鶏肉や蒲鉾を入れますが、大晦日に食べたソバにもこの鶏肉や蒲鉾が入っていました。(笑)
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
お題ですが、Portrait in Jazzに一票です。
素晴らしい内容だと思います。
2枚目、3枚目は、店で考えます。
早速、Portrait in Jazzに一票いただきありがとうございます。ピアノトリオのバイブルですね。
リーダー作、サイド作合わせて100枚ほどありますので、じっくりお選びください。
僕的には、
「Guys & Dolls Like Vibes / Eddie Costa」(Coral)
を挙げたいですね。
このアルバムを初めて聴いた時、
「ピアノ、いい仕事してるな!誰?
・・・・お、エバンスじゃないか!
ドラムも、スイングしてるね!誰?
・・・・あ、モチアンか、へ~!」
と、いずれもエバンス3の時と、一味違う味わいが
とても新鮮に感じたものでした。
このアルバム、ジャケがいいですね。
復刻盤でもいいのでLPで所有したいところですが、
なかなかめぐり会いません。
餅は餅屋と申しますが・・・餅餡とは
ここまでくると素晴らしい!!(笑)
今日は Evans の『 Moon Beams』を聴きました。 冬の寒い朝から聴くには良い音楽です。
モチアンはエバンスが良いか、ジャレットが良いか? もう少し考えてみます、餅でも食いながら(笑)
エディ・コスタのヴァイブ盤にも参加しておりましたね。58年の録音ですので、おっしゃるようにエヴァンスは一味違う印象を受けます。この時点では俺の方がピアノで勝っているとコスタは思ったかもしれませんね。(笑)翌年のポートレイト・イン・ジャズでのモチアンとのインタープレイの礎ともいうべき作品です。
ジャケは「野郎どもと女たち」をイメージしたのでしょう。洒落ております。
モチアンの熱心なファンからお叱りを受ける餅餡ですが、変態ジャズマニアの短絡な発想と笑っていただければ幸いです。
「Moon Beams」はチャック・イスラエルが参加したアルバムですね。どうしてもラファロと比べたくなりますが、イスラエルもなかなかのものです。イスラエルはイズリールズが正しい発音のようですが、本人は喋らなかったため正確な発音が分からなかったとか。なるほど口にチャックだぁ。(笑)
エバンスをはじめジャレットやポール・ブレイとも共演しておりますので、この機会に聴き比べてください。
きのうモチアンのCD買ったばかりなんですが・・・、何か見透かされているようで怖いですね。僕のは87年のSOULNOTE盤で、ビル・フリーゼル&ジョー・ロヴァーノとのトリオでフリーに傾斜した内容。怪獣映画にはピッタリの演奏でしたが、救いは中に咲く一輪の花“If You Could See Me Now”、たぶんフレットレスギターのカゲロウのようにユラめくバッキングに乗せて吹かれる優しいテナーが、はかなげでよいなぁと自分を慰めております。餅餡さんはほとんど何もしないんですけど。
この“One Time Out”というアルバム、今あらめて聴きなおしてみたら意外にも、わるくないです。まるでヒーリング・ミュージックのよう・・笑。なんだか大福たべたくなりました。
ビル・フリーゼル、ジョー・ロヴァーノと組んだアルバムもありましたね。「One Time Out」はフリースタイルですが、どちらかというとヨーロッパフリーに近い演奏です。モチアンはビリー・ヒギンズほどではありませんが器用ですので、このスタイルでもうまくこなしております。
ロヴァーノといえば録音前からSJのゴールドディスクに決まっていた(笑)「テナー・タイム」がありました。この作品ではハードバップでしたが、フリースタイルで面白さを発揮する人です。その意味では「One Time Out」は悪くありません。但しお茶なしでは大福は喉を通りません。(笑)
長野県は南北に長いので、地域で年越しの魚が異なり、松本近くから南ではブリ、長野の方はサケです。僕は勿論ブリです。お雑煮はそんなに変わらないと思います。餅は大好物ですが、このところの朝食は餅ばかりで、さすがに胃もやや疲れ、体は太り気味です。
餅餡はさすがですが、残念なことにモチアンのリーダー作は持っていません。で、結局エヴァンスとジャレットです。
Portrait in Jazz / Bill Evans (Riverside)
Somewhere Before / Keith Jarrett (Atlantic)
この2つはdukeさんと同じですね。ちょっと驚くのは、アル&ズートの「A NIGHT AT THE HALF NOTE」のドラマーがモチアンでした。なにやらせても、上手いんですね。すいません、今週は寸足らずで。