東日本大震災で津波被害を受けた宮城県岩沼市の畑で4日、ボランティアら約80人がトマトの苗600株を植えた。熊本県八代市の農家が塩分濃度の高い干拓地で栽培している「塩トマト」が市場で高く評価されていることをヒントに、塩害被害を受けた畑で栽培・収穫を目指し、被災地の農業復興につなげようと実施した。関係者は「塩トマトを新たな特産品に育てたい」と期待している。
東京のNPO法人「農商工連携サポートセンター」(大塚洋一郎代表理事)が岩沼市の農家の畑(約2000平方メートル)を使い、苗を植え付けるボランティアを募集した。 熊本の「塩トマト」の実は小ぶりだが実が締まって糖度が高いのが特徴という。今回は熊本産のトマトの苗が入手できず、宮城県産を植えた。根を短く切り、畑の土に塩分を分解するバクテリアを入れるなどの工夫をした。栽培は地元の農家が引き継ぎ、8月ごろに収穫し「塩トマト」として販売する。 同市では、津波で作付面積の約7割が浸水。排水場のポンプが壊れ塩分除去が進まず、市は農業再開には2、3年かかるとみている。畑を提供した飯塚悦男さん(62)は「地元の人々と協力して塩トマトを育てていきたい」と話した。 塩トマトは熊本県の古川寿男さん(60)、秋代さん(60)夫婦がブランド化に成功。5月に全国代表が発表された第60回全国農業コンクール(毎日新聞社・和歌山県主催、農林水産省、和歌山市など後援)で「大震災の津波の被害を受けた東北の農業の参考になる」として特別賞受賞が決まった。
福井県は4日までに、稼働中の原発に装荷した燃料の価格に応じて電力事業者に課税する県税の「核燃料税」について、停止中の原発も対象とする条例改正案を6月定例議会に提出する方針を決めた。
福島第1原発事故の影響で各地の原発の停止が長期化する中、厳しい地方財政状況も背景に、51億円(2009年度)の税収の維持、確保を狙う。施行されれば停止中の原発に対する核燃料税の課税は全国初となる。