団塊太郎の徒然草

つれづれなるままに日ぐらし

ハゲタカ、アレバ社が狙う「さらなる旨み」「531億円の汚染水処理」に落とし穴!

2011-06-19 22:00:52 | 日記

 この仏企業が手がける六ヶ所再処理工場は、当初予算の3倍ものカネを注ぎ込みながらいまだ完成せず!同じ事態がフクシマでも起きるのではないか?

 東電は、福島第一原発の事故収束に向けた工程表で、汚染水を処理して原子炉への注水に再利用する「循環注水冷却」による冷温停止を来年1月中旬までに達成するとしている。そのための費用を、汚染水の総量25万tで531億円と見込んでいるが、それだけで済まないのは確実だ。

 というのも、『アレバ』社の技術による処理の過程で発生する〝大量の放射性物質を含んだ沈殿物〟を処理する費用は、ここに含まれていないからだ。そして『アレバ』は、「さらなる旨み」であるこの沈殿物処理を狙っている―。

放射性廃棄物は「別契約」

 東電によれば、現在、約10万5000tの高濃度汚染水が原発施設内に溜まっており、さらに、損傷した格納容器から注水作業によって漏れ出る分として、1日530tの汚染水が発生している。この汚染水を集中廃棄物処理施設に移し、油の分離、放射性物質の処理、淡水化処理をした後、再び冷却水として原子炉に注水するのが「循環注水冷却」だ。

 本格稼働すれば、1日1200tを処理することが可能だとされる。『アレバ』は同施設の中核となる除染装置と蒸化器の技術を提供している(3ページの図参照)。放射性物質を薬品と結合、沈殿させ、上澄みを取ることで、セシウムやヨウ素の濃度を最終的に1万分の1に低下させるという。

 しかし、彼らの真の狙いは、いまだ処理方法が決まっていない「沈殿物の処理」、さらに、燃料貯蔵プールに1万本以上が放置されていると言われる「使用済み核燃料の処理」なのだ。

 こうした意図は、彼ら自身の言葉からも明らかだ。BSフジの『PRIME NEWS』(5月20日放送)に出演した際、『アレバ』日本法人のレミー・オトベール社長は「私たちの契約はこの設備を提供することです」と説明した上で、次のように言っている。

「第1の契約は(汚染水から放射性物質を)分離して、もう一度(冷却水として)問題なく使えるようにすることです。沈殿物を処理し、固化し、ストック可能にするというのは、第2段階です」

 つまり、東電とは汚染水処理の契約をしているだけで、放射性廃棄物の処理の契約は結んでいない。

淡水化システム。このうち蒸化器には『東芝』だけでなく『アレバ』の技術が一部で使用されている

 『アレバ』が廃棄物の処理も行うことになれば、さらに別の契約、つまりはカネを請求されることになる。531億円で汚染水はきれいに片付くと思いきや、落とし穴があったのだ。国際ジャーナリストの世良光弘氏が言う。

「『アレバ』は株式の9割をフランス政府が所有している〝国策企業〟で、世界最高水準の処理技術を持っているのは事実です。だからこそ、値段交渉も含めて強気の交渉ができます。結局、(放射性廃棄物の処理についても)東電は頼らざるを得ないでしょう」

 そして同社長は、『電気新聞』(5月19日付)でさらなる提案も行っている。

「燃料貯蔵プールの水や燃料棒の状態を把握するため、小型の機械で調査する必要がある。(中略)燃料棒を保管し、それから再処理するために輸送することになる。要請があれば、これらの作業を当社が請け負える」

「頼む相手を間違えた」

『アレバ』は事故発生直後から、日本に対して積極的な支援を表明するなど、救世主のように振る舞ってきた。3月30日には、『アレバ』のアンヌ・ロベルジョンCEO(51)が約100人の技術者を引き連れて来日し、「防護服1万着」や「放射線濃度の高い区域で作業できるロボット」の提供を次々と提案した。しかし、そうした善意の裏で、強(したた)かに事故処理マネーを狙っていたのである。

 実は、『アレバ』は六ヶ所再処理工場の建設でも、当初は少額の予算を提示しながら、徐々に積み足している。同工場は『アレバ』の技術で建設された。そのすべてが『アレバ』に入るわけではないが、当初の建設予算は7600億円で、 '97 年には稼働するはずだった。しかし、20回近くも工期は延期され、現在までに計2兆1930億円の巨費が投入された。それでも、いまだ本格稼働には至っていない。

元財務官僚で嘉悦大学教授の橋洋一氏は「頼む相手を間違えた」と話す。

「今回の事故処理の費用はフランスの言い値です。東電単体では払いきれないような金額になるでしょう。だから、菅直人首相とサルコジ大統領が面談したわけだし、ロベルジョンが海江田万里経済産業大臣と会っているんです。支払いに対して政府支援があるってことですよ。六ヶ所再処理工場の件も、最初の予算をつける段階で1兆円なんて通りません。大蔵省(当時)も兆を超えるのは分かっていたけど、それでは予算が通らないから、合意できる数字で当初予算を出したんです。それにしても増え過ぎですよ」

 日本政府と密約でもあるかのように、4月19日の会見で、ロベルジョンCEOは「今回は、日本の政府もサポートしてくれますので、支払いの問題については信頼しています」と発言。さらに、現状では契約書を取り交わすことよりも、具体策を実行することが先だ、

 という主旨の発言もしており、なし崩し的に費用がかさむことが懸念される。六ヶ所で行われたように、福島第一でも再び大量の税金が『アレバ』に注ぎ込まれるのだろうか。アレバ日本法人は、本誌の取材に対してこう答えた。

「現在、六ヶ所再処理工場が本格稼働に至っていないのはガラス固化技術の問題で『アレバ』の領域ではありません。(「実行が先」というロベルジョンCEOの発言は)福島原発において東京電力が直面している緊急性に対して技術面での支援を行うという誓約です。アレバが受け取る汚染水処理費用は数十億円です」

 また、さらなる契約を結んだ際の費用についてはノーコメントとしながらも、その可能性については、こう回答した。

「『アレバ』は使用済み核燃料や放射性物質の管理、放射能汚染の浄化などに特に優れています。東京電力の必要性に応じてお応えできるだろう」

 前出の世良氏は、「原発メーカーが福島第一原発の事故処理に群がる背景には、事故処理でカネを得るだけではなく、原発輸出競争がある」と指摘する。実際、今回の汚染水処理に関わっているのは、『アレバ』だけではない。汚染水処理システムの基本設計は『東芝』と『日立GEニュークリア・エナジー』が行っており、ライバル関係にある原発メーカー各社が持てる技術を注ぎ込んでいるのだ。

「『アレバ』はフランスの国家プロジェクトとして、国外に原発を売り込んできたわけです。だから、福島を助けたい気持ちもあるでしょうが、原発のマイナスイメージ払拭こそが目的なのでしょう」(前出・世良氏)

 悲劇をカネに変え、さらに次のセールスまでを睨んだ狡猾さは、まさにハゲタカと言うしかないだろう。毟(むし)り取られたカネのツケは最後は国民に回ってくる。こうした事態を招いた国と東電の大罪が改めて浮かび上がるのだ。


「善玉ハッカー」が集結 被災地支援に600人

2011-06-19 21:26:25 | 日記

「Hack For Japan(ハック・フォー・ジャパン)」。「日本のためにハッキングをしよう」と呼び掛ける人々がいる。東日本大震災の被災地を支援するプログラマーの集団だ。彼らは一体、何者なのか。

「被災地のために何かできないか」。3月11日の震災の発生直後、グーグル日本法人でブラウザー(ネ
ット閲覧ソフト)関連製品を担当する及川卓也氏(45)は知り合いの技術者たちに電子メールやミニブ
ログのツイッターで呼びかけた。すると「俺もそれを考えていた」という反応が続々と集まってきた。ハッ
ク・フォー・ジャパンの始まりだ。

グーグル、ヤフー、マイクロソフト、楽天……。普段は商売上のライバルとして競い合う会社の技術者た
ちが企業の枠を超えて集結。被災地の復旧・復興や被災者の生活支援に役立つアプリ(ソフト)の開発を始めた。

ソニーのオンラインサービスに不正侵入するなどサイバー攻撃に手を染める「悪者ハッカー」が世間を騒がすが、及川さんたちは自らのITスキルをボランティアに生かす「善玉ハッカー」といえる。
ハック・フォー・ジャパンの動きは素早い。「どんなアプリなら有効か」「それにはどんな技術が必要か」。技術者たちが集まって話し合い、開発作業を進めるイベントを開いたのは地震からおよそ10日後。京都、福岡、岡山、徳島に会場を設け、オンラインを含めて500人以上が参加した。炊き出しに関する情報が得られるアプリや、ネット上に流れるデマ情報を見分けられるアプリなどが生み出された。

5月には2回目のイベントを開催。会場は被災地である東北(仙台、会津若松)や、海外(ロンドン)にも広がり、新たに20以上のアプリ開発が始まった。活動への賛同者も増えて600人を突破。全体では540以上の開発アイデアが提案され、うち40以上が具体化した。
ハック・フォー・ジャパンは、アプリを一方的に提供する片側通行の活動ではない。技術者と被災地とのコミュニケーションが開発の土台になっている。

日本マイクロソフトにつとめる西脇資哲氏(41)は仕事をやりくりしながら頻繁に被災地を訪れる。現地の要望を聞きながら技術開発をするためだ。岩手県大槌町のボランティアセ
ンターでは、ボランティア作業を管理するシステムをつくった。「震災復興の主人公は地元の人々。こまめに顔を出すことが大切」と、2週間に1回のペースで被災地に足を運ぶ。

現地で西脇氏と連携し、システム構築への助言もした三重県伊賀市社会福祉協議会の一見俊介氏(34)は「被災地のニーズは状況に応じて変化する。それを把握しボランティアの適材適所を実現することが重要」と、ITの活用に期待を寄せる。

放射線量や風向きが分かるスマートフォン(高機能携帯電話)用アプリ「風@福島原発」のユーザー、福島県田村市の戸沢和人氏(41)は、「(開発者である)石野正剛さんにこちらの希望を伝えると快くアプリに反映してくれた。アプリはシンプルで、福島のイメージを悪くしないようにという気遣いを感じる」と語る。知人や携帯電話ショップの店員にも「風@」を薦めている。

ハック・フォー・ジャパンの活動は無報酬。企業によっては社員である技術者が現地入りするための交通費を負担したり、職務時間中の活動を認めたりするケースもあるが、原則は手弁当での参加だ。技術への探求心を持ち、よりよい世界を追求する「ハッカー文化」が被災地支援のエンジンになっている。アプリ開発に必要な先端技術が誰でも自由に使えるオープンソースとして公開されていることも追い風だ。

日本では「悪者」ととらえられがちなハッカーだが、米国でハッカーといえば「腕の立つプログラマー」を指し、善悪の区別はあまりない。ハック・フォー・ジャパンのような活動が広がれば、日本でもハッカーのイメージが変わるはずだ。
(nikkei
電子報道部 村山恵一)


東京電力の月額40万円といわれる年金削減なしの賠償案が受け入れられるとはとても思えない。

2011-06-19 10:17:55 | 日記

「大企業vs.国民」の残滓

政府は5月13日に福島第一原子力発電所事故をめぐる賠償(補償)スキームを決定した。その骨子は「国民負担の最小化」にあるとされる。一見、耳ざわりがよい言い回しではあるが、少し考えるとこれほど摩訶不思議な方針(?)はない。

賠償額を一定とするなら、そのために必要な負担の大きさが変わることはない。無から有を生み出すことはできない。当たり前である。そして賠償金を外国が負担してくれるわけはないのだから、日本国内の経済主体が負担するしかない。結局は賠償の問題は誰が負担するかという分配の問題なのである。

国内の誰が負担するのか。第一義的には東京電力関係者ということになるのだろう。同スキームにおいても、東京電力のできるかぎりのリストラ、資産売却を前提とするとしている。これを受けて、東京電力は役員・幹部報酬の一部抑制や顧問制度の廃止、資産売却などの方針を打ち出している。

しかし、その一方で株式上場は継続され、社債は表面上保護されるなど東電存続を前提とした方針になっており、会社更生法や国有化等の大幅な改変を伴わないため、その効果には疑問が残る。象徴的なのは13日の予算委員会での、清水正孝東京電力社長の退職金・企業年金削減への抵抗だ。既存の組織が、外部からの圧力なしに、自発的にリストラを継続すると考えるのには無理がある。

現在はまだ東京電力の処理に耳目が集まっており、月額40万円といわれる同社の年金削減なしの賠償案が受け入れられるとはとても思えない。しかし今後、世論の注目が去るにつれて、賠償のための経営改革は容易に骨抜きにされかねない。

現在の方針では、東京電力への負担はきわめて緩やかなものになりかねない。もともと東電とその関係者への負担だけではとても足りない必要賠償額であり、電力各社の協力を得たとしても、この事情は変わらない。そのなかで次なる「国民以外への負担」として政権が注目したのが、金融機関の対東電債権の放棄・減免である。

17日の閣議後記者会見で枝野官房長官が言及した債権放棄・減免要請は、主要閣僚にも、一部を除き基本的な支持を得ているようだ。ここにみてとれるのが民主党の一部に残る「大企業vs.国民」という、あまりにも古い経済認識の残滓である。

金融機関等の「大企業の負担」は「国民負担」ではない、というわけだ。現代においてなお、このような単純な詭弁に騙される国民など、いるのだろうか? たしかに法人は国民ではない。しかし、大企業の従業員はもちろん、その取引先、さらには従業員の日々の消費活動にまで思いを巡らせるならば、「大企業の負担」は非常に裾野の広い国民負担を生じさせざるをえない。繰り返しになるが、国民負担の総額を圧縮することはできないのである。

本丸は「財政問題」

通常の企業破綻のプロセスでは、債権者は「潰れるような企業に貸した」という意味での貸し手責任を問われる。しかし金融機関は、東電を公企業ととらえて政府の暗黙の保証を前提に貸し付けを行なっている。これは東電への貸し付けの金利をみればわかる。その意味で、東電への貸し付けは国債保有に近い性格をもつといってよい。

19日会見での枝野長官は、債権放棄・減免方針に反対する金融機関、同関連団体に対する再反論という文脈で、「(東電は)普通の民間企業と違うのは当然だ」と発言した。これは反論になっていないどころか、要請に根拠がないことを自ら宣言しているようなものだ。東電は普通の民間企業ではない。したがって、貸し手責任ルールは適用できない。

世論調査の支持率、政党内での発言力の低下において東日本大震災前に死に体であった菅内閣は、皮肉なことに震災の発生によって延命している。そのなかで広く国民に負担を求める提案が困難であることはわかる。大問題ではあるが、その構造は単純だ。賠償は、東電に十分な責任を負わせたうえで、広く国民の負担によって行なう以外の方法はない。

残された問題は二択だ。電力料金の値上げか、財政負担かである。このいずれを選択するかはマネジメント上の問題となろう。電力料金の値上げによる調達には二つの問題が残る。一つが産業への負担が生産拠点のさらなる海外流出を促進するという問題であり、もう一つは現行のスキームでは電気料金値上げによって生まれる電力各社の営業余剰が本当に賠償に振り分けられるのかという問題だ。企業が利益を圧縮するのは困難なことではない。

すると賠償問題の本丸もまた財政だということがわかる。問題は、国債調達の際に何年で償還するのかの一点に絞られている。財政問題を「みたくない」のかもしれないが、問題の根幹が「ここにある」以上避けて通ることはできないのだ。