農林中金、JA全中から副理事長 グループ全体で再建 (日経5月24日)
農林中央金庫は23日、現在空席の副理事長に、全国農業協同組合中央会(JA全中)の向井地純一専務理事を迎える方針を固めた。農中は3月にJAグループから1兆9000億円に上る資本を調達し、金融危機で傷んだ経営の立て直しに着手している。全中から人材を迎えることで、JAグループ全体で再建を目指す姿勢を打ち出す。
27日に内定後、発表する。農中では4月、これまで一貫して農林水産省の事務次官OBが就いていた理事長ポストに生え抜きの河野良雄理事長が就任。向井地氏が副理事長に就任すれば、正副理事長がともに農水省OB以外という初めての経営体制になる。
向井地氏は農中出身で2002年に全中常務理事に就任後、06年から専務理事を務めている。農中とJAグループ双方の実務に精通していることなどから、副理事長への起用が固まった。(08:02)
農林中金の09年3月期、単独最終赤字5700億円 (日経4月28日)
農林中央金庫は28日、2009年3月期の単独最終損益が5700億円の赤字(前の期は2720億円の黒字)になると発表した。金融危機の深刻化で、保有する証券化商品や株価が大幅に下落。6000億円強の売却・減損処理を実施することが主な要因だ。
損失処理の内訳は証券化商品で3100億円。国内外の株式の値下がりに伴う処理損失が2300億円だった。貸出先の業績悪化に伴う貸倒引当金の積み増しなど不良債権処理のための費用も800億円強に達し、損失拡大につながった。
1000億円の黒字としていた単独経常損益予想も6100億円の赤字に下方修正した。
農中は損失処理に伴う自己資本の目減りを防ぐために、3月にJAグループ内から1兆9000億円の資本調達を実施した。このため今年3月末時点の自己資本比率は昨年9月末(11.32%)に比べ2.6ポイントほど高い14%程度になったという。(20:01)