東海大学理学部の冨田恒之講師らのグループは、高濃度のホウ素を含んだナノサイズの粒子を開発した。同粒子をがん組織に集積させ、中性子線を照射してがん細胞を攻撃する「ホウ素中性子捕捉療法」に応用する。マウスでの実験でがん細胞の増殖抑制効果を確認。体内の深部に発生して切除手術が困難ながんに対する新たな治療法として期待される。
開発したのは「ホウ酸イットリウム」(YBO3)と呼ぶ無機化合物で、ホウ素元素が成分の約20%を占めている。今回は化学反応を溶液中で均一に起こす「均一沈殿化法」を活用することで合成に成功。50ナノ―150ナノメートルの微粒子に設計することができた。
さらに、光の照射で発光する蛍光性の金属元素や、MRIの造影剤として利用される金属元素を添加することにも成功した。これにより、生体内に投与した同粒子ががん組織に集積しているかを体外から確認でき、BNCTによる治療効果を高めることができる。
開発したのは「ホウ酸イットリウム」(YBO3)と呼ぶ無機化合物で、ホウ素元素が成分の約20%を占めている。今回は化学反応を溶液中で均一に起こす「均一沈殿化法」を活用することで合成に成功。50ナノ―150ナノメートルの微粒子に設計することができた。
さらに、光の照射で発光する蛍光性の金属元素や、MRIの造影剤として利用される金属元素を添加することにも成功した。これにより、生体内に投与した同粒子ががん組織に集積しているかを体外から確認でき、BNCTによる治療効果を高めることができる。