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名古屋臨海高速鉄道あおなみ線で走行実験する蒸気機関車
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高層ビル群を縫うようにして、名古屋の街を蒸気機関車(SL)が駆け抜けた。あおなみ線で16日にあった実験走行。国鉄時代以来の雄姿を見ようと、名古屋駅周辺には3千人を超す鉄道ファンらが集まった。
午前9時50分。耳をつんざくような汽笛が青空に響いた。「シュッ、シュッ」と音を立て、漆黒の蒸気機関車「C56形」があおなみ線名古屋駅から、ゆっくりと動き始める。
青い客車内では愛知県犬山市の小学3年芝田和樹君(9つ)が「外に人がいっぱい」と手を振った。SLに乗るため北海道まで行ったこともある和樹君は「山や海じゃなくて、街の中を走るのが面白い」と窓にかじりついた。
その窓を開けると、煙突から出た煙のにおいがする。長野県飯田市の中学3年古田飛翔君(14)は「汽笛の音も煙のにおいも初めて」と興奮しながら、ビデオカメラを回した。
先頭車両に乗り込んだ河村たかし名古屋市長は「面白い名古屋に向けた第一歩。出発進行、という感じですわね」とご満悦だった。
名古屋駅であった式典では、河村市長が燃料の炭をかまにくべるための投炭(とうたん)シャベルを機関助士に贈呈。岐阜市から来た山口進さん(43)は「生で見ると迫力がすごくて感動した」と話した。
市が「ささしまライブ24」などに設けた観覧場所には計3600人のファンが詰め掛けた。三重県桑名市の森下由紀子さん(35)は「近代的なビルを背景にSLが走るのは神秘的」と感激。全国のSLを追いかけている名古屋市名東区の会社員中沢義人さん(38)は「都心を走る例は少ない。定期運行すれば名古屋の活性化の目玉になるのでは」と話した。
実験走行の総事業費は4千万円。17日まで名古屋―名古屋貨物ターミナル間の5キロを計6往復し、定期運行できるかどうかの検討に生かす。JR北陸線の「SL北びわこ号」に使っているSLに青い客車と、最後尾に赤いディーゼル機関車を連結した。
(中日新聞)
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