団塊太郎の徒然草

つれづれなるままに日ぐらし

元自民党のサラブレッドと呼ばれた加藤紘一のブログ

2011-06-04 07:25:38 | 日記

内閣不信任案否決を受けて~日本の民主主義が「小沢一郎」から卒業した日~

加藤紘一bulogos転記
 
予想外の大差でした。

民主党の内紛は、想像よりずっと小さかったようです。そして、これは予想通りですが、覚悟のない政局ごっこでした。つまり民主党のここ2ヵ月の動きは、菅批判に傾く世論を気にした、覚悟のない首相批判のパフォーマンスに過ぎなかったということです。

しかし、今日の本会議のもたらす影響は決して小さいものではありません。日本の政治が過去30年陥っていた「小沢式催眠術」から抜け出すことができたからです。日本の民主主義が小沢一郎氏を卒業したということです。

どの国のどの時代でも、政治が面倒くさくなると、シングルショット、つまりワンテーマに論点を絞って現状打開を求めるという現象が起こります。英雄待望論とでもいうのでしょうか。日本で一番人気のある総理大臣、田中角栄の跡継ぎと目されていた小沢一郎氏に、その役割を期待していた人も少なくありません。しかし「角さん」と小沢一郎氏は、徹底的に違っていたことが、これで分かったはずです。

シングルショット依存は、たとえば郵便局の民営化によって日本が大きく変わるという期待を抱かせた、小泉郵政改革が顕著です。冷静に考えれば、たかだか4千~1万程度の郵便局の運営方法を変えたからといって、日本の未来が変わるはずがありません。しかし、老若男女、日本国中がうっとりとして夢を抱き、結果として裏切られたのです。

あるいは、若手の首相の待望論。かつて安倍晋三という自民党のとっておきの若手エースを総理にしました。残念ながら、やたらと政治は混乱し、早々に辞任してしまいました。

今回も同じです。自民党から民主党に政権交代をしたら、素晴らしい日本が待っているかもしれないと期待をし、鳩菅政治はそれを見事に打ち砕いてくれました。

さて、ここで心して冷静にならなければなりません。菅政権は確かにやり口が下手で、特に政治主導といって役人を活用しないなど僭越にもほどがある、とんでもないことです。しかし、原発の事故対応については、今が仮に自民党政権だったとしても、東電も安全委員会も、事実隠し、責任逃れはしていたはずですから、福島の処理は手こずったでしょう。

もちろん民主党政権は、東北大震災の対応以外でもいろいろと失敗をしていますから、民主党にとっては今後も苦闘が続くでしょう。我々は、今の日本の何が問題なのか、よくよく考えて判断していかなければなりません。日本が抱える大問題は、実は3・11以前から変わらずそこにあって、それが震災で増幅されたのだと考えるべきです。

私はこれから、そのことを精一杯考えて、このHPに発表していきたいと思います。

短い言葉になるかもしれませんが、思いの集積です。スルメのようにかめばかむほど味が出る、そんな考察を重ねていけたらと思います。

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