何度でも使える生理用品ディーバカップ
女性誌をにぎわせている大人気の生理用品がある。
働く女性たちやエクササイズフリークの女性たちも利用しているのだ。
(c)Diva International Inc.
30歳までと出産経験のない人用(ピンク)と30歳以上と出産経験者用(ブルー)の2種類あるディーバカップ。
生理用ナプキンやタンポンの代替用品として話題のカナダ製の生理用品「DivaCup(ディーバカップ・39・50ドル)」。ナプキンやタンポンのように吸収するのではなく、膣内にカップを入れてそこに経血を“ためる”のだ。
現在、コスモポリタン、グラマーなど20~40代に人気の女性ファッション誌や、シェイプなどの女性ヘルス誌など各メディアで取り上げられ、アメリカ女性の間で話題を呼んでいる。
特に、人気は20~40代の働く女性たち。
「装着したら12時間使用できるので、仕事中に漏れが気になって席を立たなくてもいいし、匂いも気にならない。仕事帰りにジムで水泳もできるから、まさに『ワオ!』って感じです」とサンディさん。
「仕事帰りに水泳に行くのが日課です。しかし、水着からタンポンのひもが出ていないかいつも気になっていました。また、出血がひどくてタンポンを使っても下着が汚れたり、『タンポンがない!』と慌てたりしていたのですが、これら一切を気にしなくてもよくなりました。これで30年の煩わしさから解放なんて、まさに奇跡です」とジェニファーさん。
実は、ディーバカップのルーツとなる月経カップのコンセプト自体は、1930年代に開発されたものだ。50年代の女性たちの間で爆発的な人気を呼んだ月経カップだが、当時の月経カップ販売会社の経営が悪化して破綻、月経カップは消滅した。
「しかし、当時の女性たちがそのコンセプトに賛同していたことは事実です。そこで開発を重ね、当時のゴム製からシリコン製に変えたのがディーバカップです」と、共同オーナーのキャリーン・チャンバーズさん
人気の秘密は、洗えば何度も使用でき、生理用ナプキンやタンポンの購入が必要なくなるため、生理用品代が節約できること。また、一度使用すると12時間という長時間の使用が可能だ。そして、ディーバカップは常に膣内のうるおいを保てるため、タンポン使用中の不快なドライ感からさよならできるのも、人気の秘密。
なにより、ゴミ投棄を無くすことに貢献でき、エコにつながることが大きな人気の理由だ。アメリカでは、年間約135億の生理用ナプキンと約65億のタンポンがゴミ収集所に投棄されている。このため、同製品に変えることで、最終的に捨てられる生理用ナプキンやタンポン、生理用品を巻くトイレットペーパー、生理用品の袋などを大幅に減少することができる。これが、エコに対する意識が高い女性たちの間で、大きな話題になっているわけだ。
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(c)Diva International Inc.
親子で開発に携わったディーバカップ創設者のフランシーンさんとキャリーン・チェンバーズさん。
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(c)Diva International Inc.
1人当たりの女性が年間に使用するタンポンと生理用ナプキンの平均数は300~420。これは、年間100ドル(約9300円)~225ドル(約20925円)の出費に。
「私たちの使命はまだまだこれからです。無駄をなくし地球環境を守るため、世の女性たちが1日も早くディーバカップに切り替える日のために、日々奮闘しています」とキャリーンさん。
世界中の女性たちに、エコで快適な暮らしをもたらしてくれそうだ。
取材・文/大山真理(アメリカ・ロサンゼルス)