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新薬創出・適応外薬解消等特別加算

2010-05-03 17:02:52 | 日記

生活習慣病から難病向けが主流になる新薬開発《特集・クスリ全解明+先端医療》

東洋経済オンライン4月28日(水) 11時 1分配信 / 経済 - 経済総合
 結核、高血圧、胃潰瘍、子宮頸がん……。かつて「難病」とされた病気の多くが、その後、新薬の登場で治療・予防が可能になった。

 この4月、医療用医薬品の薬価制度改定の一環として試行的に導入された「新薬創出・適応外薬解消等特別加算」(新薬特別加算)も今後、難病向け新薬開発を促すきっかけになりそうだ。新しい制度では、製薬メーカーは薬価の面で優遇される代わり、新薬開発に今までよりも力を入れなければならなくなるからだ。

 そもそも「医療用医薬品」とは、医療現場で使われ、医師の処方箋が必要なクスリを指す。医療用医薬品には国の公定価格である「薬価」がつけられ、通常、患者の自己負担は3割、残り7割は公的健康保険から医療機関や調剤薬局に支払われる。

 ただし、薬価はそのまま維持されるわけではない。薬価は2年に1度、全面改定される。2年の間には、効能の似た別の新薬が市場参入したり、特許切れ(発売から約8~10年後)でジェネリック(後発医薬品)と呼ばれる同一成分の安いクスリが出てきたりする。そうした市場動向を背景に、ほとんどの場合、薬価は改定ごとに引き下げられてきた。

 4月の薬価改定でも、医療用医薬品は全体で平均5.75%引き下げられた。ところが、今回試行的に導入された新薬創出加算により、がんや難病など既存の治療薬が乏しい分野を中心に、特許期間中の大半の製品で薬価がほぼ据え置かれた。

 この加算の恩恵を受けた製薬メーカーには、未承認薬(海外で標準的に使えるのに日本では行政当局に承認されておらず、使えないクスリ)や適応外薬(ある疾患向けには日本でも承認済みだが、海外で標準的に使える別の疾患向けは未承認)について、積極的に開発に取り組む義務が課せられたのだ。

■09年以降発売の新薬はすでに難病向けが主流

 もっとも、こうした行政当局の経済誘導がなくても、市場に出る新薬の顔ぶれは大きく変わりつつある。

 2009年から直近まで、「新有効成分」(他のいかなる疾患向けでも国内で未承認)として発売された新薬は合計29品目。内訳を見ると、いわゆる生活習慣病向けは、糖尿病向けを除けば高血圧症向けが1品目のみ。

 その一方で、がん関連は抗がん剤および抗がん剤副作用向けで7品目、うつ病・統合失調症・ADHD(注意欠如・多動性障害)の精神疾患向けは4品目、糖尿病向けもインスリン製剤を含め3品目と目立っている。

 既存の医療用医薬品市場では、生活習慣病である高血圧・脂質異常症を中心とした循環器官用薬が全体の4分の1弱と圧倒的。薬効別では依然首位を占めている。

 ただ、足元の新薬発売状況を見るかぎり、今後はがんや精神疾患をはじめとした「難しい病気」のウエートが生産金額でも増えていくのは確実だ。生活習慣病ながら、高血圧や脂質異常症に比べて治療薬によるコントロールが難しい糖尿病も、新薬開発の余地はまだ大きい。

 今は関係なくても、長い人生の中では、必ず自分や家族や周囲の誰かが大きな病気にかかるものだ。

 『週刊東洋経済』2010年5月1日・8日合併特大号(2010年4月26日発売)の特集『クスリ全解明+先端医療』では、気になる「病気」と「クスリ」の最新情報を徹底取材した。

(週刊東洋経済)

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