ある記憶

遥か遠くにいってしまった記憶たち

エプソン アクア スタジアム そして「アンフェア」

2008-04-12 22:55:15 | 
ついに念願の「EPSON AQUA STADIUM」に行って来た(「デート」?)。
品川プリンスホテルのすぐ脇を走る「いちょう坂」を登ったすぐのところにある。
手前には「品川プリンスシネマ」があり、映画、ショッピング、食事、ボーリング場、ゴルフ、、と、この一帯で遊ぶのには事欠かない。



水族館の入園料は大人1,800円、小中学生1,000円、こども600円。
やや高めだ。他に、アトラクションとして銀河鉄道999をテーマにした「ギャラクシープレス999(1,000円)」や不思議な無重力の世界を味わえる「ポート・オブ・パイレーツ(700円)」などもあった(どちらも体験しました)。

まずは、水族館の写真をどうぞ。
丁度、イルカプールにて「ドルフィンショー」が開始された。
十匹以上ものイルカが繰り広げるジャンピングアトラクション。
中々のものでした。



その後に、アシカプールに移動し、アシカショーを見ようとしたが、時間がだいぶあったので、水槽を見に行った(結局、アシカショーは見ず仕舞い)。
ここの「サメとエイの海中トンネル」は圧巻!
サメやエイの下腹を下から臨んだ写真は、何かエイリアンが漂っているよう。
とても不思議な空間でした。







それほど広い水族館ではないですが、パステルカラーの熱帯魚たちも一杯おり、飽きることがありません。
そうそう、ペンギンもおりました。皇帝ペンギンやイワトビペンギンなど種類も豊富で本当にかわいかった。
カニもいました。





ひと通り水族館を見物した後、銀河鉄道999とパイレーツを体験したわけですが、特に銀河鉄道999は、お勧めです。
心臓の弱い人は要注意。突然「それ」はきます。
けれども、あっと言う間に終了。前ふりはとても冗長なんですけどね。





ということで、十分楽しめました。
ノースタワーのレストランで遅い昼食を食べ、品川駅の東口の方でちょっぴり遊び、帰途に着きました。

帰ってきたら、テレビで映画「アンフェア」があることををすっかり忘れており、あわててテレビをつけました。もう後半に入っていてがっかり。

「アンフェア」という言葉に、すっかり「忘れていた」会社のことを思い出してしまい、多少気持ちが沈んでしまった。

アンフェア
いやな言葉だ・・・。

裏切り、正体不明、悪意、、、、アンフェア、か。
見えないことばかりだが、見る必要も無い。別に、犯罪を追っているわけでもあるまいし。

しかし

僕は、僕だ。

回りのことより自分をしっかりもとうと思った。

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命が消えかけた頃

2008-04-12 09:46:14 | 
国道の両端には、真っ赤に色づいたさくらんぼの果樹園が広がっている。
農園の前には、小さな手作りの直売店が軒を連ね、道行くドライバーが立ち寄りさくらんぼを購入する姿も見える。
山形は、盆地であるが故に、夏の暑さは厳しい。
けれど、蔵王の県境から続くこの『さくらんぼロード』は、まっすぐの道がどこまでも続くようで、回りの涼しげな風景とあいまって、ドライブする分にはとても快適なコースに思えた。

「風がとても気持ちいいね」

車の窓は全開である。僕はハンドルを握りながら、その時何を考えていたのだろうか。

「もっとスピードあげようか」

山寺にある立石寺にでも行こうかと、C子と話したのは前夜のこと。
そこに何があるとも思わなかったが、今いるところから僕らはしばし、離れる必要があると考えていた。

山形の夏は意外に心地よい。山並みもきれいだし、田園風景も牧歌的で、僕らのいる地方都市の喧騒からは、まるで別世界の様相に見えた。

「“ややこ”ができたみたい・・・」

困惑した顔をしながら告白したC子の言葉に、僕は動揺した。
そうか、それはよかった・・・などと歓ぶ心の余裕などなかった。
いつかは、、と考えないわけではなかったが、それが「今」であるなど、
考えもしなかったことだ。
その時、学生だったC子と無職の僕であるならば、この困難を打開する術を、
僕らは到底持ち合わせていなかった。
僕が全部引き受けて、C子を安心させていたならば、「最悪の選択」は避けられただろうか。
自分ひとりのことならば、当時の僕は失うものも無く、どんな辛酸も舐める覚悟はあった。
しかし、自分以外の人生を、全部背負う覚悟が、その時の僕にあったかと言えば、ほとんど言葉も無い状況であった。



九十九折の山寺の石段を僕らは黙々と登った。
頂上にある、こんな石山の天井に、よくぞ建立したなと思える、小さなお堂に登りつめたのは、山門から約1時間も経た後だろうか。
真っ青な空と、頬を過ぎるさわやかな夏の風が、汗ばんだ二人の体を癒やした。
そこから眺望する、山々や自然のパノラマに、しばらく僕らは心を奪われた。

「がんばって生きてみようか」

「そうだね」

お堂に二人で手を合わせ、生まれいずることを拒否された、
僕らの始めての生命に対し、深く深く祈りを捧げた。

その晩、名も無き温泉宿に僕らは身を置いた。
持参した薬を捨てた。
C子を心から慈しんだ。たおやかなその体を、これ以上に無いくらいに慈しんだ。

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