ある記憶

遥か遠くにいってしまった記憶たち

C子との思い出を再び

2008-04-01 22:53:57 | 
退屈なので、初めてのHのことでも記そうか。
僕の初体験の相手は、実を言うと「1枚の写真」を手渡したC子その人であった。
だいぶ遅咲きであった。

そういうことはいけないことだと小さい頃から思っていた。
いや、厳しい祖父母の躾が、長らくそういう行為や関心から僕を遠ざけ、
心の壁を形作った。
男子校から大学の理科系に進み、また、大学では無垢なイデオロギーに熱中した、
そういう僕であるならば、なおさら時間がかかったのもむべなきこと。

もちろん男である限り、そうはいっても定期的に訪れる生理的な膨張感に苛まれ、
またいずれ、その処理の方法を知り、当然のごとく性に目覚めていくのであるが、
未だに女は「未知なる存在」に違いなかった。

いざ東京に出向くと言う、ぎりぎりの1週間、C子とのみ寄宿舎の一室で過ごした。
2人部屋を1人で使っていたので、誰に遠慮をするでもなくC子と共にそこで寝食を共にした。
初めはどうしたものかほとほと困った。時が過ぎ成り行きでいつの間にか布団に包まり、
互いに一糸まとわぬ姿で抱擁しあううちに、「すっ」とその瞬間が来た。
気持ちよさの手前に、とても驚いた。彼女は、静かに眉をひそめた。
C子もまた初めてであった。



「大丈夫だったか・・・」

「うん。気にしないで」

「痛くなかったか」

「少しだけ」

「そうか・・・悪かった」

「いいよ、別に気にしなくて」

こんなばつの悪い会話をしたような記憶がある。
僕らはそれから、数日の間、夜と無く昼と無く、布団の中で抱擁しあいながら過ごした。
これから訪れるであろう困難や目の前の漠然とした不安を、
繰り返し繰り返しの行為による悦楽と、ほどよくくる疲労感と倦怠により、
僕らは消し去ろうとした。

それから僕は東京へ赴き、C子は学生として当地に残った。
月に一度は会うように努めた。東京で会うよりも、僕がC子のところに出向くことが多かった。
今で言う「遠距離恋愛」だった。
その頃の僕は、確かにC子を愛していた。全て過ぎてしまった今となっては、
「愛していた」のか、単に「抱きたいだけ」だったのかはっきりしない。
しかし、その後も女はC子1人と決め、他は見向きもしなかったのは事実だ。
そんな一途な初めての恋であった。

その後のいろいろな出来事は、過去の日記にありますので、興味のある方は
さかのぼってご覧あれ。大してつまらぬ話ばかりではありますが。

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