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オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「HAPPY FEET」

2007-04-05 01:47:25 | 映画・DVD【は】
愛しいヒューがペンギンのお父さんの声の役で、美声で歌まで聴かせてくれるとくりゃ、こりゃ観に行くしかないでしょう。

本人が出てきてこんな姿で歌って踊ってくれりゃなおいいんだけど・・・



まあ贅沢は言うまい。
ということで行ってまいりました。





2006年、オーストラリア/アメリカ作品。

イケメン皇帝ペンギンのメンフィス(声:ヒュー・ジャックマン)は「心の歌」でノーマー・ジーン(声:ニコール・キッドマン)に熱い思いを伝えることに成功。
二人ははれて夫婦となり、愛の結晶の卵も生まれた。
ところがノーマ・ジーンが餌をとりに出かけている間に、メンフィスは大事な卵をうっかり落としてしまう。

そのせいか孵化したメンフィスの子供マンブルは他と違っていた。
くちばしからでなく足から生まれてきたことも、メンフィスをびっくりさせたが、なにより激しい音痴であったことが周りを落胆させた。
メンフィスは「オレのせいだ!」と心の中で自分を責めながらも、なんとか普通のペンギンのようにマンブルを歌わせようとする。
だが心を伝えようとするとマンブルの足は勝手に動いて踊り出してしまうのだ。
そう、マンブルにとって踊ること=気持ちを伝える手段だったのである。

卒業式の夜、みんなにばかにされ、激しく傷ついたマンブル(声:イライジャ・ウッド)は、流氷にのってアデリー・ペンギンの地にたどりつく。
そこでアデリーペンギンの五人組「アミーゴス」に出会い、自分の踊りを誉められ、初めて自信というものを感じるマンブル。

自分が間違っていなかったと悟ったマンブルはアミーゴスを引きつれ国へ帰るが、「餌である魚が激減したのはおまえの変な踊りのせいだ」と長老からなじられ、国外追放されてしまう。

かくして、マンブルは魚が激減した原因を追究するため、アミーゴスと共に旅にでるのだが・・・。


この映画の何に感動したかって、なんたってマンブルにくっついてまわる「アミーゴス」でしょう。
彼らはマンブルが皇帝ペンギンであろうが、イワトビペンギンであろうが、なんであろうが「とにかく踊りがうまい」というだけでマンブルを慕い、おまけに過酷な旅にまでくっついていくのだ。



まったく偏見や差別をもたず、とにかく明るくて何事にもめげない、「マンボ」の好きなラテン系五人組なのだ(そう、カルロスが五人みたいな・・・)。


(こんな感じ?)

これはね、私たち人間も見習うべきだと思ったね。
監督であるジョージ・ミラーは、差別や偏見で争いごとの耐えないワタシたち人間をちくりと刺しているんじゃないかな~なんて思ったりして。


それからこいつもすごい・・・というか、どすこい。



なんだかチョーシのいい、あやしい教祖サマなのだが、この肉感的な感じがとっても可愛い。
声はロビン・ウィリアムズ。嬉々としてやってんのがよ~くわかります。

監督は「フォト・リアリティーを実現したかった」らしいけれど、ペンギンたちのホワホワした毛並み、くねくねした動きや質感、南極大陸の自然美などの精巧なCGを駆使した映像を見る限り、それは成功していると言えるだろうね。
歌もすごかったですよ~~~。
なんか半端なミュージカルよりすごい!うまい!迫力満点!
なつかしいQueenの「Somebody To Love」やプリンスの「Kiss」、EW&Fの「Boogie Wonderland」なんか聴けて嬉しかったなあ。
勿論ヒューもよかったですよ~~。んふふ。

最後はそうきたか~~~と意外な方向にいってしまったけど、人間は動物や自然と調和していくべきだという監督のメッセージが十分伝わってきたので、これもありかなと。

人間誰しも、他の人間と違っている自分を感じることはあるはず。
そして「こんなんでいいんだろうか?」とちょっくら不安になることもあるはず。
にもかかわらず、実はあまりマンブルには魅力を感じなかったワタシ。
何故でしょう?そこんとこがよくわからんけど・・・。
イライジャの声で猛吹雪の中・・・でしょ?
なんとなく「旅の仲間」を見ているような気分になっちゃったのは、ワタシだけではないと思うけれど。
コメント (17)
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「パフューム ある人殺しの物語」

2007-03-31 21:49:34 | 映画・DVD【は】


監督・共同脚本・音楽:トム・ティクヴァ

出演:ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン他

ドイツ、フランス、スペイン合作(2006年)


18世紀、パリのセーヌ河沿いの悪臭に満ちた魚市場で、赤ん坊が生まれた。
彼の名はジャン=バティスト・グルヌイユ。
母親は彼を死産と決め付け、無造作に捨てられた魚のはらわたの上に彼を産み落とした。

だが彼は死んではいなかった。
捨て置かれた彼が大声で泣き出したことから、周囲の人間が赤ん坊に気づき、母親は「子殺し」の罪で絞首台へ送られる。

生まれたばかりの彼はマダム・ガイヤールの育児所にひきとられ、その後、皮なめしの職人グリマルに売り飛ばされる。
彼は誰にも愛されず、また愛し方も知らず、愛され方も知らなかった。
何かを待つようにただひたすらグリマルの元で、一日中働き続けた。

そんな彼には類稀な才能があった。
何キロも先の匂いを嗅ぎわけることができる驚異的な嗅覚を持っていたのである。
ある日、パリの街中への配達を命じられた彼は、パリの街で赤毛の少女が発する芳しい香りに出会い、初めて幸福感を味わう。
だが誤って彼女を死なせてしまった彼は、死と共に香りも消えてしまうことを知り、永久に香りをとどめておく方法を見つけたいと切に思うのだった。
自分はそのために今まで生きてきたのだと悟った彼は、調香師の目の前で流行の香水を作って見せて、自分を弟子にしてくれるよう哀願する・・・。
  

その、グルヌイユだけど、彼はほとんど言葉を発しない。
一途というか真摯な瞳でほとんどすべてを語っている。
それをベン・ウィショーが演じているんだけどね、これがまた・・・うまいのね。
本当に頭の中は「香り」のことしかなのではないか?と思わせる演技なのだ。
そしてワタシはそんな健気(?)な彼にちょっとくらくらしてしまいました・・・。←バカ?



それからグルヌイユを弟子にするバルディーニ役のダスティン・ホフマンもよかった。
あの白塗りの顔(爆)と、大きな鼻をくんくんさせ香水をかぐ姿に大笑いしてしまった。いや、笑える映画じゃなんだけどね・・・。
少ししか出番はないのに、映画を見終わった後でも鮮明に感じられる彼の存在感はすごい。


グルヌイユは自分が求める「天国の香水」を作るため、殺人を重ねるわけだけど、自分は見ていて嫌悪感はあまり抱かなかった。
やっぱりワタシも同じ「変態」だからでしょうか~~~(涙)?
いやいや、音楽でも絵画でもアートといわれるものをかじったことがある人なら、彼の気持ちが少しはわかるはず。
彼の欲求や衝動が理解できるはず。

ただ彼は「度」を越してしまったのね。
己の欲求に忠実すぎたし、急ぎすぎた。
というか彼にはそれしかなかったのよね。

誰からも愛されたことがなく愛を知らない彼は、人を殺しても罪悪感さえ感じることができず、人の気持ちというものを理解することができなかった。
その彼が、最後は人々にかりそめの愛を与え、自分も一瞬でも愛を感じることが出来たのだから、よかったんじゃないだろうか?
求めていた究極の香水も作ることができたわけだし。
でも、実は彼が求めていたのは究極の香水ではなく、単純に「愛」だったのかもしれないなあ。

人を13人も殺したのだし、彼の罪をかぶって死んだ人もいるのだから、いずれにせよ死は免れなかっただろうし、当然の報いだろうけど、やっぱりちょっと哀れだよね・・・。


どす黒い血の匂い、魚のはらわたの腐った匂い、薄汚れた街のレンガの湿った匂い、美しく着飾った貴婦人の甘くゴージャスな香り・・・それらの匂い・・・そして時代の息遣いを、映像で見るものに見事に伝えているところもこの映画のすごいところ。
だけどね~誰にも見つからず、13人も殺すことが出来るもんかな~とか思ってしまったワタシ。
あんなに大勢人間がいるなら、誰か気づけよ!!

でもいい映画よ♪




さて・・・パフュームですが・・・。


(またまた画像はOfficial Il Divo forumからお借りしました)

IL DIVOの香りのイメージは?・・・自分なりに考えてみますた~~~。

デイヴィッド・・・なんとなく甘いお菓子のような香りがするような気がしてならない・・・。ヴァニラの匂いっていうのかしらん?
だって「ボク」って感じで可愛いんだもん(爆)。う~~ん!!食べちゃいたいくらい可愛い~~~!!
でも意外に爽やかなシトラスとかの香りがしたりしてね。

カルロス・・・なんとなく甘くセクシーで、それでいてエキゾチックなイメージかな。ちょっくらスパイシーな感じもあるかも知れん。
まあいうなれば大人の香り。
本人の見た目と一緒で結構濃厚だったりする。

セバスチャン・・・カルロスとはまた違った意味での甘くセクシーな香り?甘さの中に苦味がほのかに感じられる・・・とでも言ったらいいのかしらん?
で、本人の声と一緒で「女性を酔わせる」ような香りなのよ~~。そしてちょっと甘めの柑橘系の残り香・・・。
って香りのイメージはわくんだけど、ボキャブラリーが少ないため、それを正確に伝えることができまへん・・・。

ウルス・・・この人の香りは全く想像できまへん。
温かみのあるウッド系の香りかなとか、清涼感のあるシトラスかなとか、グラスのナチュラルな感じかなとか、クールでスパイシーな感じかなとか・・・。
ああ、彼が出て行った後のベッドの匂いをくんくんしてみたい~~~~!!!


そして全く関係ないこの人。



以前どこかで「ボクは何もつけなくてもいい香りがするんだ。香水なんて必要ないんだよ」と言ってたマコちゃん。
どんな香りがするのかしらん?ちょっと服を脱がして嗅いでみたい気がする・・・ってワタシはグルヌイユか(爆)!!
ふふふ、マコちゃん、グルヌイユみたいな男(またはワタシのような女)にお気をつけあそばせね~~~。
コメント (12)
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「ホワイト・ライズ」

2007-02-17 22:12:57 | 映画・DVD【は】


2004年、アメリカ作品
監督:ポール・マクギガン


レストランで商談中のマシュー(ジョシュ・ハートネット)は、店で偶然とある女性の姿を目撃する。
その女性はマシューがかつて心から愛した女性リサ(ダイアン・クルーガー)だった。
二年前、何も告げずに突然姿を消したリサへの思いがよみがえり、押さえ切れなくなったマシューは、仕事もキャリアも婚約者も捨てて、狂ったようにリサを捜し続ける。
レストランにわずかに残されていた手かがりを追っていくうちに、リサのアパートメントのものと思われる鍵を手に入れるマシュー。
はやる気持ちをおさえつつリサの部屋を訪れたマシューだったが、そこに現れたのはリサと名乗る別の女性(ローズ・バーン)だった。


「ラッキーナンバー7」の時も思ったのだが、ポール・マクギガン監督は複雑によった縄のようなストーリーを、少しずつ解いていく描き方がさりげなくうまい。
大どんでん返しも面白いが、こういう風に小出しにネタバレしていくのも面白い。
また過去と現在がぶつ切りにならず、キチンと繋がるようにフラッシュバックさせる手法も見事。

初めはサスペンス???と思って見ていたのだけど、サスペンスであるけれど、愛の物語でもある。
一人の人間の「想い」という小石が池に投げ込まれた時、いつの間にか大きな波紋となって、さまざまな人を巻き込んでいくというストーリーだ。
最後は「よかったな」と思える結末だったけれど、登場人物がみないい人(というか悪くない人?)なだけに、それぞれの切ない胸のうちを思うとちょっと胸が痛くなる。



ネタばれになっちゃうので多くは語らないが、見終わってからもう一度頭から見て確認したくなる映画。
これがまた伏線があっちこっちにはってあるのだ。
途中で気づいた人もいるのだろうけれど、相変わらず鈍くて観察力が全くないワタシにはわからなかったのだが。

ジョシュ・ハートネットが誠実(でもないか)な、青年の役を好演。
黒いコートがなかなか似合っていてよろしい。
今回は髪型もそんなに可笑しくないので○。
でもなんと言ってもこの映画で一番存在感があるのは、もう一人のサラの役のローズ・バーン。
心痛がひしひし伝わってくるような表情が、見る者の心を捕らえる。
ヒロインのダイアン・クルーガーは確かに美しいのだが、ジョシュが相手だとちょっと落ち着き過ぎているような気がした(というかさめているように見えた)。
別の女優でもよかったのではないか・・・とか思ったりして。
でも映画としては面白かった。
たまには切ない愛の物語なんていかが~~~???
コメント (8)
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「ハロウィンH20」

2007-01-28 02:00:55 | 映画・DVD【は】
このブログを見にきてくださってる方は、多分こんな映画見ないでしょうね~。
普段の私も絶対に絶対にレンタルしないのですが、若かりしジョシュ・ハートネットが出ているということとジェイミー・リー・カーティスが出ている(結構好き)・・・ということで、思い切って借りてみたのでした。



1998年、アメリカ作品


ハロウィンの夜に起こった大量殺人事件から20年。
殺人鬼マイケル・マイヤーズの妹で、被害者の中で唯一の生き残りであるローリー(ジェイミー・リー・カーティス)は名前を変え、カリフォルニアの私立高校の校長として生活していた。
今ではジョン(ジョシュ・ハートネット)という息子もおり、幸せな生活を送っているかのように見えたが、あの恐ろしい日のことを一度たりとも忘れたことがなかった。
死んだはずの兄が再び自分のもとにやってくるような気がしてならなかったのである。夢にまで見てうなされ、恐怖で眼が覚めることもしばしばだ。

息子のジョンはいつまでも過去にこだわり、自分を縛り付けている母を、愛していながらもうとましく思っていた。
ハロウィンの日のキャンプにも行かせてももらえない。
ジョンは恋人や親友としめしあわせ、キャンプのため生徒のいなくなった校内でハロウィンパーティーを行うことにした。

そしてローリーが20年間おそれていたその懸念が、ハロウィンの夜、再び現実となる・・・。


これはシリーズもので、この作品の前に何作かあるようなのですが、勿論私はどれも見たことがありません。でも前作を見ていなくても十分に楽しめます。
ジェイミー・リー・カーティスはシリーズ第1作目の『ハロウィン』でも主人公を演じていたのですね。
20年前の回想シーンで若かりし頃のジェイミー・リーが見れるのですが、今回は以前のような若さ溢れる魅力はなくなったものの、母親としてのタフな美しさをみることが出来ます。


シリーズの他の作品ではどうだかわかりませんが、本作では殺しの濫用はしていません。それに残忍なシーンも極力見せないようにしています。
なのに怖いんですよね。
シリーズで使われていたものなのかも知れませんが、レトロで恐怖心を煽るような音楽。それからゆっくり引いていくカメラワークが、暗闇で誰がこちらを見ているような不安な気持ちにさせます。
そして白いマスクをかぶったローリーの兄、マイケル・マイヤーズ。
マスクでその表情や性格が読み取れないだけに、かえって薄気味悪いのです。

ローリーは20年間、死んだはずの兄の影に怯え暮らしてきたのですが、息子のジョンが兄、マイケルに刺されたことによって、恐怖が怒りに変わります。そして兄と妹の決着をつけねばならないと悟り、「エイリアン」のシガニー・ウィーバーのように猛然と立ち上がるのでした。
そして追われる立場だったローリーが兄を追う立場となるのです。
ジェイミー・リーの鬼気迫る演技は迫力満点、まさに体当たりの演技と言えます。
ラストのシーンははっきり言って、マイケルよりローリーの方が怖かった・・・。


ローリーの母親としての強さや恐怖に立ち向かっていく勇気・・・この映画はある意味、深く人間を描いていて単なるホラーとはちょっと違っているような気がします(ホラーなんてあんまり見ないからよく知らんけど)。
「サイコ」で絶叫していたジェイミー・リーの母ジャネット・リーも、ローリーの秘書として出演しています。「サイコ」を意識したセリフや車が登場したりして「サイコ」に対するオマージュも見られなかなか面白い映画でした。


あ、ジョシュ!やっぱりまったりしていてなかなか可愛かったです(笑)。



でもこの髪型はやっぱり・・・やめて欲しい(涙)。
元がいいだけに。
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ノリエガ祭りその②「非常戦闘区域(GUERREROS)」

2007-01-16 23:40:07 | 映画・DVD【は】
コソボ紛争は、旧ユーゴスラビア、セルビア共和国コソボ自治州でおこった内戦・紛争を指す。コソボ戦争ともいう。

紛争は自治州内で90%を占めるアルバニア系住民が独立運動を行なったことにセルビア系住民及び連邦・セルビア政府が反発したことに端を発する。

(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)



気持ちが「どよ~~ん」と暗くなるので(結構ひきずるタイプ)、戦争映画はあんまり見ないクチなのですが、これも結構ずっしりと重みを感じる映画でした。



2002年 スペイン映画


1999年の終わり。
セルビア兵はコソボから撤退。代わりにやってきた多国籍軍の目的は平和維持と再建とゲリラの武装解除だった。
スペイン軍はセルビアとの境界に派兵。
そこは危険地帯として知られる地域だった。
この中立地帯ではセルビア兵による住民への襲撃が後を絶たないため「シャドー・ゾーン」とも呼ばれた。

コソボに送られた多国籍軍は武器を携えていながらも、あくまでも「中立」の立場でいなくてはならなかったため、ゲリラへの攻撃は許されなかった。
一般市民がゲリラに連行され殺されても、いっさい手を出すことはできず、見て見ぬふりをするしかなかったのである。
人一倍正義感の強いスペイン兵ヴィダル(エロイ・アソリン)は「市民を救い、平和を維持する」という自分の理念と、部隊の規律の間でジレンマに陥っていく。

ほどなくしてスペイン部隊は「シャドー・ゾーン」の町ルイカでの電力復旧の任務を命じられるが、道中、ちょっとした行き違いでゲリラと銃撃戦になる。
戦車も奪われ、銃撃戦や地雷によってほとんどの仲間を失った彼らは、自分たちにも死が迫りくることを感じ、恐怖と狂気に支配されていく。

初めは、市民を救い平和を維持することを理想としてコソボにやってきたヴィダルが、死の恐怖によって変貌をとげていく姿が実にリアルに描かれている。
最後に罪もない住民をナイフでめった刺しにする彼の目には、もはや狂気しか感じられない。


女、子供も容赦なく殺す。
ゲリラが去った後には命など存在しない。残るのは死体の山だけ。
こういう映画を見る度に胸が苦しくなる。
戦争がいかに愚かな行為であるか私たち人間は知らないはずがないのに、今日も何処かで戦争は確実におこなわれているのだから。


映画としては登場人物ひとりひとりが意外としっかり描かれていて、好感がもてた。


して我等がノリエガ。
部下たちの信頼が薄い(笑)アロンゾ中尉の役。



ゲリラとの銃撃戦で多くの上官や部下を失った彼は、パニックにおちいり判断能力がなくなってしまう。
部下も彼の言うことなんて聞かなくなっちゃうんですね。
でもゲリラに捕らえられた時、ゲリラの上層部に交渉して部下を守ろうとするのですよ。部下の不安をぬぐおうとするのですよ。
強面だけど、実にいいヤツなのでした(こういう役珍しいかもなあ)。



りりしすぎて、とてもヘタレには見えませんわね♪
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「プルートで朝食を」

2007-01-11 01:15:25 | 映画・DVD【は】
ノリエガ祭りした。
「NOVO」(←一度見ているので再見)と「非常戦闘区域」を見た。

でもどうにもレビューを書く気にならんのであった(もっといい映画に出てくれ~~!!たのんます・・・)。
感想は気が向いたらぼちぼち書くことにして。


で、本日はこちら。
「プルートで朝食を」



2005年、イギリス作品

キトゥン(キリアン・マーフィー)は、中性的でちょっと変わった男のコ。
赤ん坊の頃、教会の前に捨てられていた・・・という過去を持っている。
リーアム神父(リーアム・ニーソン)に助けられ、ブレイデン家の養子になったのはいいが、家族の誰も彼を理解しようとはせず、ただ奇異なもののように彼を見るだけだった。
ある日、ついに育ての親との溝を埋められないと悟ったキトゥンは、住み慣れたアイルランドの町を出ることを決意する。


彼の人生は波乱万丈。

学校でも問題児として扱われ、誰も彼の本質を見ようとはしない。
そんな中、彼を愛してくれた数少ない大切な友を、事故で失うという悲劇にみまわれる。
産みの母が住むというロンドンに行けば、惚れたオトコに騙される。
変なおっさんに首を絞められ殺されそうになるわ、マジシャンの助手(?)はやらされるわ、IRAのテロに巻き込まれ大怪我をしただけでなく、警察に「犯人」扱いされるわ、個室ヌードの店で働いていたら父だと名乗るやつがやってくるわ・・・とにかく彼の人生は一筋縄ではいかないのだ。

そんな人生でも彼は人を恨むことなく、人をうらやむことなく、泣き言もいわず、まっすぐ自分らしく生きていこうとする。
自分の居場所を探そうとする、自らの手で幸せを掴もうとするその姿勢。
それは気負った人の心をも動かしてしまう(というか拍子抜けさせてしまうというべきか)力を持っている。
心に沢山の傷を抱え、愛に飢えている彼は、その辛さを知っているが故に、かたくなな人の心を溶かし癒し愛を与えていくことが出来るのだろう。
だが彼のすごいところはその辛さを微塵も感じさせないところ。

オトコとかオンナなんて関係なく、一人の「人間」として実に魅力的。
愛さずにはいられないキャラクターなのだ。
内容的には決して軽いワケでないのだが「シュガー・ベイビー・ラブ」なんか流れているこの映画を見ていると(というよりキトゥンを見ていると)、人生ってそんなに難しく考えることないんじゃないかな~~という錯覚に陥ってしまう。


しかしびっくりしたわ~~、キリアンったら!!!
ワタシはもともとぺヤングのような四角張った顔があまり好きではないのだけど、このキリアンは・・・


惚れ惚れするほど美しいじゃ~ありませんか!!!
オンナのワタシよりはるかに色っぽくオンナらしく、母性的な包容力さえ感じさせる・・・。
オンナとして負けた・・・負けたわ・・・。
よし!
ワタシもキリアンを見習って、明日からオンナらしくする~~~(おや?どこからか無理って声が?)。

キリアンも良かったけど、リーアム・ニーソンの存在感&大人の魅力にすっかりやられてしまって、ワタシの中での好感度アップ♪
「悪霊喰」のヒースとはまた違った趣の司祭姿がグー♪
キトゥンの作文の中の、俗っぽいリーアム神父には大笑いしたなあ。
なんだかリーアムのラブコメが見てみたくなりました。

ニール・ジョーダンの作品で御馴染みのスティーヴン・レイとイアン・ハートのツボをおさえた演技はさすがと言うべきか?
でもウスラボケなワタシは、あれがイアン・ハートだとしばらく気づかなかったのだった・・・。
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ノリエガ祭りその①「PUZZLE(パズル)」

2007-01-05 02:09:42 | 映画・DVD【は】
ノリエガを好きになってから、わりとすぐに見た作品。

一度見た時、なんとなく自分的に納得がいかなかったので、正月のすっきりした頭(?)で見てみたら感じ方も違うかなーと思っての再見。



1999年/スペイン作品
実は原題が「NADIE CONOCE A NADIE」だと知らずに、こちらも買ってしまったのね~。ちゃんと調べればわかることなのに、ワタシったらバカバカバカ!
でもちょっとだけでもノリエガに貢献できたからいいか、くすん。


聖週間に沸くスペイン・セビリア。
小説家志望だが筆が思うように進まず、新聞のクロスワード・パズル制作で生計を立てている青年シモン(エドゥアルド・ノリエガ)のもとに『パズルに“敵対者”という言葉を入れろ』という脅迫めいた電話がかかってくる。
不吉な予感にとりつかれたシモンは、英語教師である同居人カエル(ジョルディ・モリャ)に相談するが「いたずらだろう」と一笑にふされる。
シモンは結局、脅迫電話で言われたように、パズルに“敵対者”という言葉を入れてしまうのだが、その言葉が合致するような殺人事件が彼のまわりで次々とおこっていく・・・。


うううう~~~ん・・・前半はサスペンスって感じがして、まあまあよかったんだけどねえ。
でも犯人がわかったとたんがーーーっくりきたわ。
大掛かりなことをする動機としては、すごく弱いのよね~~~。
犯人がシモンを「選ばれしもの」として選んだ理由もなんだか曖昧だし。
ちょっとの量で大量虐殺できちゃうサリンを、あんな面倒な思いをして大量に仕込むってのもおかしいしねえ。それにあれしか人が死なないわけないだろーが。
おまえらあんな街の模型を作ってるヒマがあるなら、他の事に心血そそげ~!!
なんか全てが安直で薄っぺらで尻切れトンボ。
ありえないことの連続。
ちょっと捻って手を加えれば相当面白くなりそうなのに、すごくもったいないんだよなあ~。

内容はともかくとして、セビリアの美しい風景や、宗教色豊かな(当たり前か)お祭りなんかは、ちょっとした旅行気分に浸れてなかなかよろしい。
でもこれ・・・ノリエガが出ていなかったら見なかったかもな。

2度目の感想も1度目の時とさしてかわりなし。やっぱりあまり人様にはオススメできない・・・。
ノリエガ好きな人なら別だけど。
それだけです。




↑ワタシはこーゆー姿にクラクラしていましたが。本はイイ男の必需品(笑)
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「フレッシュ・デリ」

2006-12-23 06:03:57 | 映画・DVD【は】
きたるべきレイフ・ファインズのかっぱ頭(涙)に備えて、マッツ・ミケルセンのこの御髪で鍛えておこうと思って観てみましたさあ。
「フレッシュ・デリ」。
2003年、デンマークの作品です。



働いていた肉屋を辞め、自分たちの店をもつことにした「汗っかき」で「ネチネチと細かい性格」のスヴェン(マッツ・ミケルセン)と、「ヤク中」のビャン(ニコライ・リー・カース)。
念願の店を開いたものの、閑古鳥がないている状態で打ちひしがれる二人だったが、そんな二人においうちをかけるような大事件が。
スヴェンが誤って人を冷凍庫に閉じ込めてしまったのだ。

冷凍庫には他の肉に混じって人間の肉の塊が一つ・・・。
スヴェンはパニックに陥りながらも、証拠隠滅のため、その人肉を使ってマリネを作って売ってしまう。
そのマリネが、店の前に長蛇の列が出来るほどの人気商品になってしまったからさあ大変!

スヴェンはマリネを作るために、次々と人を冷凍庫に閉じ込めるのだが、ビャンに「店の前に転がっていた死体を冷凍しただけ」とか言い訳をするところが笑える。
こんな事件が自分のまわりで本当にあったら背筋が凍るだろうし、犯人を「気が狂っている」としか思えないだろうねえ。
でも映画では人に認められるよう一生懸命働くスヴェンの姿が、何故か段々可愛く思えてくるからあら不思議。
このまま捕まらなければいいのになんて思ってしまった。

初めはスヴェンの行為に嫌悪感を抱いていたビャンも、渋々協力するようになる。
ビャンには交通事故のせいで七年もの間、脳死状態でいる弟のアイギルがいる。
ビャンは、とある理由でアイギルを許すことが出来ないでいた。
その弟が生命維持装置をはずしたとたん意識を取り戻し、ビャンにつきまとうようになったのだから、うとましくてしょうがない。

そのうとましい弟の手を握るシーンでは不覚にも涙がでた・・・。
ビャンが迷いながら、複雑な面持ちで、弟に対する愛情をにじませて、ぎゅっと手を握るのよね・・・。
ああ、これは「世間からちょっとつまはじきにされた」人達のヒューマンドラマだったのね。
「極上の残酷ホラーにブラック・ユーモアをふりかけて・・・」なんて紹介されているけど、結構感動する不思議な魅力の映画なのだ。


最後は・・・そうきたかーーーー!!!
という感じ。
なんだか爽やかで、ほのぼのしていて「こんな終わり方でいいの?」という、ある意味衝撃的な展開だった。

まあ、あの二人、同じレベルで結構あってるんじゃないですか(笑)?


でもね・・・・・・・ノリエガがこんな頭になったら・・・ワタシはしばらく立ち直れないでしょうよ。
よかった、マッツで(涙)。
コメント (26)
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「ふるえて眠れ」

2006-11-26 01:57:12 | 映画・DVD【は】
本日は一人で母の看護。
ずっとそばにいなくてはならないので、自室のパソコンを持ってきて、母の側でDVDを見ることにしました。
ホントは気分的にノリエガの「NOVO」を再見したかったんですけどね~、母のそばで「あっは~~~ん♪」だの「うっふ~~ん♪」だのいうエロエロ映画を見るわけにはいかんので…ましてやノリエガのすっぽんぽんの姿などは…(汗)。
(ちなみにこの無邪気な寝顔に萌えたワタシ…)↓



ほれぼれ。。。。






はっ、思いっきり横道にそれてしまった…。
えっと本日はノリエガとは全く関係ない「ふるえて眠れ」を見ますた~~。



1965年作品。

原作、脚本共「何がジェーンに起こったか?」のヘンリー・ファレル。
製作・監督は同じく「何がジェーンに起こったか?」のロバート・アルドリッチ。
出演は同じく「何がジェーンに起こったか?」のワタシの大大大好きなベティ・デイヴィス、そいからオリヴィア・デ・ハヴィランド、ジョセフ・コットン他


シャーロットは妻帯者のメイヒューと恋におちる。
それを知ったシャーロットの父親は激怒し、メイヒューを呼びつける。そして翌日のパーティに夫人同伴で出席し、シャーロットとはきちんと別れるようにと言い放つ。
ところが翌日のパーティの会場に、ドレスを血まみれにしたシャーロットがあらわれ、会場は騒然となる。そして首と手首を切断されたメイヒューの死体が発見された。
別れ話を持ち出されたシャーロットがメイヒューを殺害したのか?

シャーロットの父親によってもみ消された形になり、事件の真相がわからぬまま37年の時が過ぎた。
シャーロット(ベティ・デイヴィス)は父親が残した屋敷で一人で暮らしていたが、その屋敷は州の政策により取り壊されることに。
途方にくれたシャーロットは遠縁にあたるミリアム(オリヴィア・デ・ハヴィランド)に助けを求めるが、その頃から見えない影に脅かされるようになる…。


これ白黒映画です。
白黒映画って、本当の色がわからないだけに、想像力をかきたてられて、いいですね~。
真っ赤であろう血も、鋭利であろう刃物も、切り落とされた腕や首の切り口も、カラー以上の不気味さを感じさせます。
「何がジェーンに起こったか?」の原作者ヘンリー・ファレルの作品とあってか、ちょっとかぶる部分がありました。
主人公シャーロットは、完全にジェーンとかぶってましたね。
ちょっと精神に支障をきたしていて、思い通りにいかなかったり切れたりすると何をするかわからないけれど、常に自分自身に正直。
ベティ・デイヴィスはジェーンの時と同じく、このシャーロットを実に魅力的に演じていました。
ベティ・デイヴィスは何を演じても「ベティ・デイヴィス」なんですよね~、そこがまた好きなんですけど。
あのちょっとしわがれた声と独特のイントネーションがいいんだよなあ~~~。

サスペンスにありがちな、話が一転二転するというひねった作りではなく、大どんでん返しもなく、あくまでもストレートな作りに好感が持てました。
ストレートなのにアホなワタシは最後までメイヒュー殺しの犯人が誰だかわかりませんでした…。
サスペンスではあるけれど、家政婦のベルマとシャーロットのかけあいのような会話はウェットに富んでいて、結構笑えました。ベルマは皮肉屋でいつもだらしのないかっこをしているのですが、実は一番人を見る目があったということが最後にわかります。まるで市原悦子(笑)。
ベルマ役のアグネス・ムーアヘッドもいいですね~。この映画を締めたりゆるめたり、幅のあるいい演技を見せてくれます。

「イヴの総て」の時も「何がジェーンに起こったか?」の時も思ったのですが…善人面している人当たりのいいオンナ…これほど怖いものはありませんね~。
今回も善人面が形相変わって大魔神(知ってる人おらんかったりして…)になっちゃったりして。おーこわ。
あ、でも気にくわなければ、頭上から植木鉢落としたり、鉄砲ぶっぱなすシャーロットみたいなオンナもある意味怖いですけど…。

まあ総じて、オンナはみんな怖いってことでしょうかね。

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「パニック・フライト」

2006-07-31 06:22:44 | 映画・DVD【は】


自分の愛する人の命にかかわるため、主人公は犯人の言う通りに行動しないと、いけない状況に追い込まれる…。
「セルラー」や「ニック・オブ・タイム」もそんな話だったけど、この映画もそんなお話。

主人公である一流ホテルのマネージャー、リサ(レイチェル・マクアダムス)は、祖母の葬儀を終えマイアミに帰るために空港に向かっていた。ふとしたことがきっかけで、空港でジャクソンと名乗る男性(キリアン・マーフィ)と知り合いになるが、いざ飛行機に乗り込むと、なんと彼はリサの隣の席だった。ジャクソンに好意を抱きかけていたリサは内心喜んだが、実は彼は国家要人の暗殺を企てる凶悪なテロリストだったのである。彼は本性をあらわし「きみの父を人質にとっている。言うことを聞かないと父親の命はない」と言う。果たして彼の陰謀に加担せずに、父親を救うことができるのか?……というサスペンスでございます。


うああ~~面白かったですよ!!DDさん!!
すすめてくださってありがとうございます!!
こんなに面白いのに、何故劇場公開されないのでしょう。もったいない!!
飛行機と言う、逃げ場のない空間でサラがどのように犯人から逃れるのか、また父親を助けられるのか、はらはらドキドキの連続でございました。


空港で他愛ない話をしている二人は、「なんとなく魅かれあっている」ように見えて、「ん?このまま恋愛映画モードになるのか?」と思っていたら、全く違ってました。

初めはめそめそしていた主人公のリサが段々強くなっていき、主導権を握っていると思われていたジャクソンを振り切る姿が男前でした(笑)。
「パニック・ルーム」や「フライト・プラン」のジョディー姐さんのような貫禄や存在感はないけれど、レイチェル・マクアダムスが体を張ったフレッシュ(?)な演技をしています。
しかしキリアン……情けなさすぎです(笑)。本当にプロのテロリストなのか!?
でもこっぴどい目にあっていたぶられているキリアンを見るのは楽しかったです(爆)。
彼、空港で並んでいるリサの後ろに、いつの間にか立っていたんですよね。
とってもさりげなかったので気がつきませんでした。
彼の演技というか表情はとっても自然なんですね。いつもちょっと変わった役が多いですけれど、テロリストに変貌するまでは、ちゃんと普通の男性でした(笑)。

リサの父親役のブライアン・コックスって悪役のイメージが強かったのですが、いいパパ役もよく似合ってましね。

85分という短い時間に、前菜ナシでメインディッシュだけを詰めたという感じの、無駄のない、内容の濃い映画でした。
コメント (14)
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